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令和 4年  9月 決算特別委員会-10月14日-07号

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  1. 世田谷区議会 2022-10-14
    令和 4年  9月 決算特別委員会-10月14日-07号


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    最終取得日: 2023-05-03
    令和 4年  9月 決算特別委員会-10月14日-07号令和 4年  9月 決算特別委員会 令和4年決算特別委員会 決算特別委員会会議録第七号 日 時  令和四年十月十四日(金曜日) 場 所  大会議室  出席委員(四十五名)    委員長       宍戸三郎    副委員長      津上仁志    副委員長      いそだ久美子              阿久津 皇              石川ナオミ              おぎのけんじ              加藤たいき              河野俊弘              菅沼つとむ              畠山晋一              真鍋よしゆき              山口ひろひさ              和田ひでとし              いたいひとし
                 岡本のぶ子              佐藤ひろと              高橋昭彦              平塚けいじ              福田たえ美              桜井純子              中塚さちよ              中村公太朗              中山みずほ              羽田圭二              藤井まな              大庭正明              田中優子              ひえしま 進              桃野芳文              江口じゅん子              たかじょう訓子              中里光夫              金井えり子              高岡じゅん子              田中みち子              小泉たま子              つるみけんご              あべ力也              上川あや              ひうち優子              佐藤美樹              そのべせいや              神尾りさ              くりはら博之              青空こうじ  出席事務局職員          議事担当係長  髙橋 亮  出席説明員   教育長(教育監事務取扱)                  渡部理枝   教育総務部  部長      知久孝之          教育総務課長  井上徳広          学務課長    斉藤洋子          学校健康推進課長                  山下裕光          教育環境課長  青木 徹          副参事     池田あゆみ   教育政策部  部長      小泉武士          教育総合センター担当参事                  平沢安正          学校職員課長  前島正輝          教育指導課長  毛利元一          教育ICT推進課長                  齋藤 稔          乳幼児教育・保育支援課長                  本田博昭          教育研究・研修課長                  滝上俊恵          教育相談・支援課長                  柏原耕治朗          副参事     井元章二   生涯学習部  部長      内田潤一          生涯学習・地域学校連携課長                  加野美帆          中央図書館長  會田孝一     ──────────────────── 本日の会議に付した事件 認定第一号 令和三年度世田谷区一般会計歳入歳出決算認定 認定第二号 令和三年度世田谷区国民健康保険事業会計歳入歳出決算認定 認定第三号 令和三年度世田谷区後期高齢者医療会計歳入歳出決算認定 認定第四号 令和三年度世田谷区介護保険事業会計歳入歳出決算認定 認定第五号 令和三年度世田谷区学校給食費会計歳入歳出決算認定文教委員会所管分に対する質疑)     ────────────────────     午前十時開議 ○宍戸三郎 委員長 ただいまから決算特別委員会を開会いたします。     ──────────────────── ○宍戸三郎 委員長 本日は、文教委員会所管分の決算審査を行います。  それでは、質疑に入ります。  生活者ネットワーク、どうぞ。 ◆田中みち子 委員 おはようございます。生活者ネットの質問を始めます。  まず初めに、性教育について伺います。  現在の義務教育の学習指導要領には、いわゆる歯止め規定や歯止め措置と言われる性教育に関する制限があります。さきの一般質問では、学校現場での性教育から性交というテーマが排除されていることは、子どもたちが性に関する科学的知見に基づいた知識を身につけることの機会と自分自身の身を守るための手段を奪っていることを指摘し、幼児期から年齢に応じて幅広く性について学ぶ包括的性教育を行うことなど求めました。この包括的性教育については、本年八月に日本財団が包括的性教育の推進に関する提言書を発表しており、子どもたちが性や妊娠に関する適切な知識を義務教育の段階で学ぶ必要性を訴えています。  また、思春期世代に向けてリプロダクティブ・ヘルス/ライツについての周知啓発を図る専門部会においてもこの提言書の報告があったと伺っています。  今日は文教所管の質疑ですので、教育委員会としてはこの提言をどのように認識しているのか、伺います。 ◎井元 副参事 公益財団法人日本財団の性と妊娠にまつわる有識者会議において包括的性教育の必要性等について議論され、最終的に包括的性教育を推進するための十の提言がまとめられ、本年八月に発表されました。各提言の内容につきましては、学習指導要領の内容や授業時数の取扱い、教科用図書などに関するもの、また、外部の機関と連携するための予算確保などについて触れられているものが多く、まずは国や専門機関等において提言を踏まえた具体的な対応について議論されるものであると考えております。 ◆田中みち子 委員 国や専門機関で議論するものとの認識ということですね。リプロの専門部会からは、今回の対象者を中学生に絞ったことに対して、包括的性教育は幼児期から十八歳くらいまでのカリキュラムに基づくプランとなるため、包括的性教育という概念から外れてしまうとの指摘があります。また、保健所としても、包括的性教育を進めるために専門部会でも議論していきたいと伺っており、積極的な姿勢を大変評価しています。提言では、教育内容の改善として、学習指導要領における歯止め規定、歯止め措置の撤廃、見直しなど、包括的性教育を受ける子どもを取り巻く環境改善と全ての大人の態度やアクションが変わるための啓発機会を設けるなどとなっており、世田谷区の教育委員会としてもできることはあります。どのように進めていくのか、見解を伺います。 ◎井元 副参事 教育委員会としましては、この提言が各自治体において、教員を含む保護者や関係諸機関の職員等、子どもに関わる幅広い大人に向けた啓発の資料や場を提供することが望ましいとされていることから、今後、教育委員会でも教員対象に性教育や人権教育等の研修をするとともに、区長部局と連携を図りながら、教職員や保護者等への普及啓発の在り方について検討してまいります。 ◆田中みち子 委員 ぜひ積極的に進めてください。そして、この包括的性教育を進める上では、学校に上がる前、幼児期からの保護者も含めたアプローチも必要であり、これまでも求めてきました。その後の進捗状況について伺います。 ◎本田 乳幼児教育・保育支援課長 幼児期は人格の基礎が形成される重要な時期でございまして、この時期の子どもたちに対して、自分の体の大切さや他人と正しい距離感を持つことなどについて教えていくことは大変重要なことであると考えております。幼児教育・保育の現場においても、従来から自分の体がとても大切なものであり、他人に見せたり、触らせたりしてはいけない部分があることなどを幼児に教えてまいりました。また、令和三年十二月に開設した乳幼児教育支援センターでは、保育者を対象とした初任者研修等において幼児にプライベートゾーンの意味について教えていくことを取り上げるなど、人権教育の一部として、性教育、性被害防止に向けた取組を行っております。さらに、今年度は家庭の教育力向上に向けた取組の一環としまして、専門家を講師にお招きし、おうち性教育をテーマに家庭教育支援の講座を実施することを予定しております。  今後、乳幼児教育支援センターにおいて、引き続き保育者の資質や家庭の教育力の向上に取り組む中で、幼児期からの性教育、性被害防止等をテーマの一つとして取り上げることについて適宜検討してまいりたいと考えております。 ◆田中みち子 委員 適切に進めていただいていて、ありがとうございます。本年度、新たに専門家を講師にということでチラシも頂きました。おうち性教育ということで、講師を村瀬幸浩先生、〝人間と性〟研究協議会の代表理事でいらっしゃる専門家を講師に迎えてということで、すばらしい取組だと思います。ぜひこれはオンラインなどでもいかがでしょうか、検討いただきたいと思います。 ◎本田 乳幼児教育・保育支援課長 おうち性教育は三月に定員六十名で実施することを想定しておりますが、当該講座の内容や他の講座を実施した際の参加者の御意見なども踏まえて、オンラインでの開催も検討してまいります。 ◆田中みち子 委員 ぜひお願いいたします。そして、先ほどから申し上げている思春期世代に向けて、リプロダクティブ・ヘルス/ライツについて周知啓発を図る専門部会にはこちらの教育所管も参加をしています。部会の意義や必要性について教育委員会の見解を伺います。 ◎井元 副参事 専門部会におきましては、性教育について、身体や生殖の仕組みだけではなく、人権教育を基盤として、人間関係や多様性、性暴力の防止等を含めた幅広い視点で検討がなされております。これらの課題を学校だけのものとせず、区長部局と連携して進めることで、子どもたちが互いの個性を尊重し合い、よりよい人間関係を構築するとともに、命の貴さを学び、命を大切にする態度を養う教育が推進されるものと考えております。 ◆田中みち子 委員 今、御答弁いただいた副参事は、以前は小学校の副校長先生でいらっしゃったと伺っています。この部会に参加されて、率直な御感想などいただけますでしょうか。 ◎井元 副参事 専門部会においては、世田谷保健所が中心となりまして、区長部局と教育委員会が連携をして、思春期世代が心身の健康についての正しい知識を身につけられるよう正確な情報や安心な情報入手先を案内し、効果的な周知啓発について取り組めるよう検討しているところでございます。これらの取組につきましては、思春期の心身の成長とそれに伴う特有の悩みや飲酒や摂食障害、薬物乱用等が及ぼす健康被害、妊娠や出産の基本的知識と性感染症の予防、性被害の防止等、子どもたちの心身ともに健康で健やかな成長を図るために必要な事項について協議がなされていると考えております。  また、性自認、性の多様性等のLGBTQに関することについても協議がなされており、私としましては、人権教育の取組を推進していく上でも大切な視点であると考えております。 ◆田中みち子 委員 ありがとうございます。今回、思春期世代に向けた中学生の現状理解のための調査として、養護教諭へのアンケートが行われています。教育委員会としての受け止めと課題改善に向けてどのように取り組むのかも伺います。 ◎井元 副参事 本年の六月に世田谷保健所において、中学生の現状理解を図るために区立中学校の養護教諭を対象としてアンケート調査を行いました。そのうち、生徒から性に関する相談を受けたことがあると回答した養護教諭が約七〇%おり、相談の内容としましては、思春期の成長に伴う体の悩みや性自認、自傷行為等について挙げられております。今回の調査結果から、子どもたちの実態や教職員のニーズを把握して、専門部会において今後の取組を検討していく必要があると考えております。また、アンケート結果から、生徒たちが性と生殖に関する適切な情報源と相談を受けられる場所についてあまり理解していないことや、養護教諭が生徒に正しい情報を得られる情報源を紹介したことがあまりないという現状があることも分かりました。  このことから、今後は、養護教諭を含め、性教育を行う教員が性と生殖に関する適切な情報源と相談を受けられる場所についても理解して、生徒に適切に指導できるよう周知啓発の方法について検討してまいります。 ◆田中みち子 委員 しっかり進めていただきたいと要望いたします。  また、来年度から全校で実施予定の生命(いのち)の安全教育について、こちらも現状と今後の展開について伺います。 ◎井元 副参事 生命(いのち)の安全教育につきましては、令和二年度から令和四年度までの三年間を性犯罪、性暴力対策の集中強化期間として、子どもたちが性暴力の加害者や被害者、傍観者のいずれにもならないようにするための指導に取り組んでまいりました。この間、学校においては、命の貴さを学び、命を大切にする教育や自分や相手、一人一人を尊重する教育をさらに推進するとともに、文部科学省が作成した教材等を活用して、体のプライベートゾーンのことやSNS等で知り合った人に会うことの危険性、また、いわゆるデートDVなどに関する授業に計画的に取り組んでまいりました。
     次年度からは、これまでの取組を踏まえて、全校で性暴力に関する授業に本格的に取り組むこととなっておりますので、教育委員会としましては、先進的に取り組んでいる全国のモデル校の実践事例を周知啓発するなどして、区内の学校において、生命(いのち)の安全教育に関する取組が確実に行われるよう努めてまいります。 ◆田中みち子 委員 次に、特別支援学級における性教育についても伺いたいです。  個別指導計画に基づき実施していると聞いていますが、どういった計画になっているのか、伺います。 ◎柏原 教育相談・支援課長 特別支援学級における各教科等の指導につきましては、障害や発達の特性や状況等を踏まえ、個別指導計画を作成し、その計画に基づいた指導を行っております。性教育につきましても、各教科等と同様に、学校としての性教育に関する指導計画と個別指導計画とを相互に関連させながら、児童生徒一人一人の実態等に応じた内容や手だてによって性に対する理解を深めることができるよう指導しております。 ◆田中みち子 委員 先ほど申し上げた養護教諭のアンケートでは、知的障害、自閉症の生徒から、妊娠への不安など性に関する緊急的な助言を求められたことがあるとの回答があります。子どもたちは守られるべき存在です。中でも障害のある子どもたちは、決して問題行動ではない性的な行動が、障害があるというだけで問題行動として扱われてしまうことがあるとも聞きます。こうしたことが起こるのは障害のある全ての子どもたちに性教育を実施してこなかったことに問題があります。特別支援学級でも個別指導以外に各学年に対応できるよう、教材を工夫し、性教育を進めるべきです。見解を伺います。 ◎柏原 教育相談・支援課長 お話にございましたとおり、障害のある児童生徒からの相談も寄せられている状況も踏まえまして、特別支援学級に通う児童生徒についても、性に対する正しい知識を身につけ、自分の体や心について学び、男女の違いや異性を尊重する態度を育成していくことは重要なことと捉えております。特別支援学校におきましても、個別指導計画に基づき、児童生徒一人一人の状態や特性に応じた指導を行うとともに、子どもの発達段階に合わせ、各学年に応じた指導内容や方法等も用いながら、生命(いのち)の安全教育など幅広く体系的に学ぶ機会を設けてまいります。 ◆田中みち子 委員 来年度から全校で進める生命(いのち)の安全教育は、あくまでも生命(いのち)の安全教育であって、性教育とは異なります。これまでも求めてきた助産師や産婦人科医など、外部講師と連携した取組は全校で実施すべきです。先ほど来申し上げています養護教諭のアンケート結果からも、区内の小中学校で外部講師による性教育、生命(いのち)の教育を必ず実践するというふうにしていただきたい、区で予算や人員の確保をしてほしい、全校分の予算がないため、新規校が優先されるなどの課題があるといった現場の声が上がっています。こうした声をきちんと受け止めて、全校で外部講師による性教育が実施できるよう予算をつけるべきと考えます。教育委員会としてどのように取り組むのか、伺います。 ◎井元 副参事 区教育委員会としては、これまで外部と連携した取組として、都教育委員会産婦人科医派遣事業、性教育の授業や世田谷保健所助産師派遣事業、いのちと性の健康教育について、中学校へ周知案内をして、希望する学校が円滑に実施できるよう支援してまいりました。これからも引き続き、希望する学校が実施できるよう、関係各所と連携して対応してまいります。 ◆田中みち子 委員 希望する学校が円滑に実施できるよう周知したということではありますが、現場の声は、予算を立ててほしいんだ、全校でやってほしいんだという声が上がっているんですね。ぜひこれはしっかり受け止めていただいて、予算がつくのかどうか、きっちり検討いただきたいと思うんですが、もう一度答弁いただけますか。 ◎小泉 教育政策部長 先ほど副参事から紹介しました事業につきましては、都教育委員会の事業、世田谷保健所の事業として活用させていただいております。まず、教育委員会としましては、希望する学校がそうした事業に参加できるよう、それぞれの機関のほうにその予算の拡充について働きかけてまいりたいと思っております。 ◆田中みち子 委員 ありがとうございます。ぜひしっかり取り組んでいただいて、区長のほうもさきの一般質問でしっかり性教育をやっていきたいということでしたので、確実に予算がつくように働きかけていただきたいと要望しておきます。  次に、学校給食についてです。  私たちは、これまでも学校給食での国産有機農産物の活用など、質の維持向上を求めてきました。この間、国でもみどりの食料システム戦略を打ち出し、有機農地を二〇五〇年までに百万ヘクタールにするなど、有機農業の振興が掲げられ、区としても国産有機米を使う方向性がさきの一般質問の他会派での答弁で示されました。再生可能エネルギーにおける自治体間連携の取組のように、有機米についても自治体間連携を進め、安定した有機米の収穫量の確保と子どもたちの食育の推進にもつながるよう取組を進めるべきと考えます。見解を伺います。 ◎山下 学校健康推進課長 教育委員会では、学校給食の充実及び食と環境の調和を踏まえた食育の推進を図る上で、有機農産物を学校給食に取り入れることは有意義なことと認識しております。現在定められた給食費の中で、可能であれば有機農産物を使用するよう各学校に周知しておりますが、通常の食材よりも価格が高く、安定的な入手が困難であること、虫が混入するおそれもあることから、洗浄作業や調理作業ではより丁寧な確認作業が必要になることなどの課題があり、昨年度の使用実績は小中学校合わせて五校で限られた使用日数にとどまっております。今後、学校給食での有機農産物の使用拡大に向けて、まずは給食での使用頻度が高く、比較的取扱いが容易な有機米の使用を進めるため、来年度に区立小中学校全校において年六回の実施を想定した予算措置を含めて対応策を検討しているところです。  委員御提案の自治体間交流の視点につきましては、区と交流のある自治体の中にはお米の生産に力を入れている自治体もありますので、今後さらに有機米の活用を図っていく中で、交流自治体からの食材調達も視野に入れ、検討を進めてまいります。 ◆田中みち子 委員 来年度から区立小中学校全校に、有機米は年に六回程度を設定した予算措置を検討しているということです。人体に悪影響を及ぼす農薬や化学肥料を使わずに、自然の恵みによって栽培された有機米の頻度を上げることを検討し、米飯給食を増やしていただきたいです。見解を伺います。 ◎山下 学校健康推進課長 学校給食は、国が定めた学校給食摂取基準に基づき児童生徒に栄養のバランスが取れた多様な食事を経験させることを基本としております。そのため、主食を米だけではなく、パンや麺も用いることとし、味覚や色彩、季節の行事なども考慮し、様々な食品に触れる機会とすることも大事であると考えております。国の基準を踏まえ、多様な食品を適切に組み合わせて、各栄養素をバランスよく摂取できる献立作成のためには、世田谷区では学校給食で使用する食品ごとの目安量を定めた食品構成表を作成しております。一か月間における給食の中で、米飯が六〇%、パンが二五%、麺が一五%を目安にしており、既にパンや麺と比較して米飯の提供割合は多い状況でございます。  委員御提案の米飯給食を増やすことにつきましては、引き続き米飯と他の主食を適度に組み合わせながら、献立を工夫してまいります。また、有機米の活用の拡大につきましては、財源や来年度に実施できた場合の状況を踏まえて検討を進めてまいります。 ◆田中みち子 委員 千葉県いすみ市では、全ての小中学校の給食を地元の有機米にするなど、全国でも国産有機農産物を導入する動きが広がっています。世田谷区でも有機米の頻度を上げることを視野に、国産有機米を増やすと同時に、栄養バランスに優れた米飯献立の割合も上げる検討を進めることを要望します。  さらに、今回の定例会では給食費の無償化の議論が焦点になっています。全ての子どもたちの食を支える観点から、所得制限のない給食の完全無償化には賛成の立場です。区では高騰する食材費の対応として、六月分の給食から給食費単価の一〇%相当分を上乗せし、公費負担しています。物価高騰への影響を保護者に転嫁せず、区が負担したことを評価します。  今後も物価高騰が続くことが危惧されますが、食の質を落とすことなく、給食の完全無償化を目指すべきです。見解を伺います。 ◎山下 学校健康推進課長 教育委員会では、給食費の無償化が実施された場合においても、引き続き一食当たりの食材価格を適正に管理し、給食の質についてはこれまでと同様に、国が定める学校給食摂取基準に基づく必要な栄養素が摂取できること、豊かな食経験ができるよう多様な食品を活用した給食を提供することに十分配慮し、今後も食材価格の動向を注視しながら、給食の質の維持向上に努めてまいります。 ◆田中みち子 委員 給食の質の低下にならないように、ぜひしっかり進めていただきたいと思います。  最後は、心のバリアフリーの推進について質問します。  都市整備所管でも取り上げましたが、心のバリアフリーに関する取組を進めるために、国土交通省が公表したガイドラインでは教育啓発特定事業を計画的に実施していくことなどが示されています。こちらは教育委員会としても取り組むべきと思います。どのように対応していくのか、伺います。 ◎毛利 教育指導課長 委員お話しのガイドラインには、教育啓発特定事業として、児童生徒の理解を深めるために学校と連携して行う教育活動が記載され、学校の場を活用したバリアフリー教室等の事例も示されております。教育委員会といたしましては、このガイドラインを参考にしながら、都市整備政策部や障害福祉部など教育啓発特定事業等を実施する各所管と学校とが連携した取組が進むよう支援するとともに、心のバリアフリーの理解を深め、一人一人が具体的な行動を起こし、継続することができる児童生徒の育成に努めてまいります。 ◆田中みち子 委員 ぜひ関係所管と連携して、しっかりと進めていただくことを要望いたしまして、生活者ネットワークの質問を終わります。 ○宍戸三郎 委員長 以上で生活者ネットワークの質疑は終わりました。     ──────────────────── ○宍戸三郎 委員長 引き続きまして、新風・せたがやの風、どうぞ。 ◆つるみけんご 委員 それでは、新風・せたがやの風の文教領域の質疑を始めます。  初めに、好奇心を育む教育ということについて伺います。  昨年、ノーベル物理学賞を受賞された眞鍋淑郞さんは、私の原動力の全ては好奇心であると言われました。この好奇心を育む教育というテーマについては、昨年の決算特別委員会でも取り上げてまいりました。その際、教育委員会から、子どもたちの好奇心を育てる取組を区全体で展開していくと前向きな御答弁をいただいたものと受け止めております。  好奇心を育む。私はこのことこそが、今、世田谷の教育が掲げる探究的な学び、さらに言えば、より広い意味での学ぶということの根源であり、本質であると考えております。ぜひとも、以前御答弁いただきましたように、子どもたちの好奇心を育てる取組を区全体で展開していただきたいと思いますが、今回はその最前線である教育の現場についてお伺いいたします。  まずは、世田谷区として、子どもたちの好奇心を育むための教育の推進に向けた教育現場での取組や創意工夫、気づきなどについて、現状と教育委員会の御認識をお聞かせください。 ◎毛利 教育指導課長 世田谷区では、児童生徒一人一人が思い描く未来を実現できるようキャリア・未来デザイン教育を重点とした教育施策を展開しており、今年度より全公立小中学校において、せたがや探究的な学びへと学びの質的転換を進めています。せたがや探究的な学びでは、委員の御指摘の好奇心のほかにも、創造力、持続力、協調性など様々な非認知的能力を幼児期から育むことで、共感・協働した学びの実現を目指しております。学校では、児童生徒の好奇心を育むよう、一人一人の知りたい、なぜ、解決したいという思いを大切にしながら、子どもたちの問いを引き出すような授業を目指して研究を進めています。学校からは、学習への意欲が高まった、話合いが活発になってきたなど、子どもたちの変容が報告されています。  教育委員会としましては、教育のさらなる質の向上を目指して、区内の優れた実践や取組について共有化できるよう研修会の実施、実践事例の情報発信、データベース化などを進めてまいります。 ◆つるみけんご 委員 好奇心を育むということは、言い換えるならば、子どもたちの興味や関心を引き出し、それに応えていく。さらに言えば、その源となる楽しさやうれしさであったり、日々の生活の中にあふれている大小様々な発見や喜びであったり、そのようなことに向き合い、そのことをきっかけとして、自身の価値観や世界を広げていくということではないかと考えます。こうしたことを教育の現場で実現していくためには、好奇心や楽しさ、うれしさ、発見、喜び、こうしたものを教育の現場の中できちんと位置づけていく、教育委員会と教育現場の先生方とでその意識の共有を図る。このことがこれからの子どもたちの主体的な学びの原点になり得るのではないかと考えますが、教育委員会のお考えをお聞かせください。 ◎毛利 教育指導課長 探究的な学びへの質的転換は、子どもたちの学びが本来持っている楽しさ、うれしさにつながるものであると認識しております。探究的な学びは、教科の学習だけでなく、日常の生活の中でのちょっとした気づきから始まることもあります。そのため、教科の枠にとらわれることなく、全ての教育活動の中で子どもたちの知的好奇心や探究心を育むことが大切です。さらに、探求的な学びの実施に当たっては、教員の役割を指導する役割から、学習を支え導く、ファシリテートする役割へと意識改革をすることも必要です。  教育委員会としましては、日々の探求的な学びを通して、子どもたちが学ぶ楽しさ、うれしさを味わえるよう、学校へのさらなる支援の充実を図ってまいります。 ◆つるみけんご 委員 今、教員の先生方の意識改革ということも御答弁の中にありましたが、このあたりも含めて教育長のお考えをぜひお伺いしたいのですが、七月の総合教育会議、私も現場で傍聴させていただきましたが、子どもたちが夢を自由に語るためには、まず教員が夢を持たなければならないと、教育長がそのようなお話をされていたことを記憶しております。そういう意味で先生方の意識改革、このあたりは教育長も非常に意識をしておられるのではないかと思うんですけれども、ぜひ教育長のお考えをお聞かせください。 ◎渡部 教育長 子どもたちが目を輝かせながら、分かった喜びやできた楽しさ、それを実現するという姿に触れることこそが教員としての醍醐味であると考えています。そのためには、教員自身が考えて追求したいことに取り組んで、試行錯誤しながら進み、それが実を結んだ経験が必要であると考えます。目まぐるしい毎日の中でも教員自身が新しい発見に出会うような場面が必要であると考え、少しずつですが、教員研修の内容を工夫しています。  今年度は教員の研修に希望制を取り入れたり、教員の追求したい内容のグループ研究を推進したり、ビジュアルな報告書とするなど、新しい取組を行っております。次年度は、さらにこれまでの発想をがらりと変え、ひらめき講座、楽しさを追求する授業など、教員が豊かに発想できるような研修を取り入れてまいります。  子どもと一緒に夢を語り、未来をつくっていけるような研修プログラムを取り入れ、少しずつでも新しい教育を推進する教員の意識改革を進めてまいります。 ◆つるみけんご 委員 好奇心を育む教育、本当に大切な視点だと私は考えております。ぜひとも推進していただきたいと思います。  次に、世田谷の生涯学習について伺います。  文部科学省によると、生涯学習とは、一般には人々が生涯に行うあらゆる学習、すなわち学校教育、家庭教育、社会教育、文化活動、スポーツ活動やレクリエーション活動、ボランティア活動、企業内教育、趣味など、様々な場や機会において行う学習の意味で用いられるとのことです。つまり、生涯学習という中には学校教育も当然含まれておりますが、そのほか、極めて広い意味での学び全体を指していることが分かります。社会が複雑化し、デジタル化が著しく進展することで、これからますます生涯学習のニーズが多様化し、さらに高度化していくということが想定されます。  昨年十二月に設置された世田谷区教育総合センターは、設置に係る条例において、その設置目的として「世田谷区における総合的な教育の充実及び振興を図る」ということを掲げております。総合的な教育の充実という観点から、教育総合センターが多くの区民の学びを支えていくために、今後どのような役割を果たしていかれるのか、教育委員会のお考えをお聞かせください。 ◎本田 乳幼児教育・保育支援課長 世田谷区教育委員会教育目標では「区民のだれもが、生涯を通して自ら学び、その成果をいかして生きがいをもち、豊かな人生を送ることができる社会の実現」を掲げており、区民が生涯を通じて、いつでも、どこでも、誰でもが自由に学ぶことができる機会を得られるようにすることが重要であると認識しております。教育総合センターは、乳幼児連れの親子や小中学生、テレワーク中の会社員、散歩途中の高齢者など幅広い年齢層の方々に御活用いただいております。身近にある気軽に区民が集える場所である当センターでは、性別や年齢を問わず、様々な人々の交流が生まれ、知らない事柄に関心を覚え、新たな学びにつながることも期待できます。  今後、研修室等を活用した大学や地域の団体、施設等との連携による生涯学習に関わる事業の実施やホームページの内容の充実、アクセシビリティーの向上などを検討してまいります。そのような取組を通じて、学びたいという欲求を持った人が主体的に学びやすい環境を構築して、教育総合センターが幅広い世代にとって学び合える場としての役割を果たせるように、施設の運営を工夫してまいります。 ◆つるみけんご 委員 世田谷区立教育総合センター条例では、教育総合センターは「教育に関する調査及び研究並びにそれらの成果の普及に関すること。」を行うということが規定されております。この条例に照らしますと、生涯学習事業における多くの区民の学びの成果というものを世田谷の子どもたちの教育に還元し、普及させていく、このような姿勢こそが教育総合センターの本来的な役割ではないかと考えられると思いますが、教育委員会のお考えをお聞かせください。 ◎本田 乳幼児教育・保育支援課長 教育総合センターにおいては、幅広い世代の区民が学び合った成果を世田谷の子どもたちの教育に還元していくことは重要であると認識しております。例えば、教育総合センターで開催しているSTEAM教育講座には、就学前の幼児から中学生までの多くの子どもたちに参加をいただいております。当講座につきましては、区内にお住まいで科学系、技術系のお仕事や理数系の教員をしていた方の知識や経験等を生かして、子どもの指導に当たる指導員の養成を図る講座を実施しております。全五回の講座修了者には来年度開催するSTEAM講座の指導員として参加していただき、子どもたちの学びの充実に貢献していただく予定でございます。  また、家庭教育支援として、子育て支援団体の協力を得ながら、乳幼児期のお子さんがライフスキルを身につけるためのヒントや保護者の方々の子育てに関する不安を和らげる手助けとなる家庭教育・子育て支援講座すくすくコンパスを開催しており、子育て経験者や有識者の知識や経験等を乳幼児期からの学びや育ちに生かしていただいております。  今後とも、教育総合センターを拠点に、講座の開催など様々な手法を通じて多様な学びの機会を提供することで、区民や保護者の方々の学びを子どもの教育や子育ての場などに生かし、世田谷の子どもたちの健やかな成長につなげてまいりたいと考えております。 ◆つるみけんご 委員 ここで少し視点を変えて伺います。教育委員会の生涯学習担当部門は生涯学習部生涯学習・地域学校連携課でありますが、現在その生涯学習・地域学校連携課の課長は区側、つまり区長部局の生涯学習担当部門である生活文化政策部の筆頭課長も御経験されておられます。  そこでお伺いいたしますが、世田谷区では、生涯学習は、美術館、文学館、生涯大学、市民大学等を区長部局が持っておられて、一方で、図書館や文化財、社会教育関係団体の支援などは教育委員会が御担当されています。つまり生涯学習が区長部局と教育委員会とにまたがっているということです。このような現状について、両方の課長を担われた御経験を踏まえて考え得る課題と、今後の生涯学習社会を見据えて、その在り方についてお考えをお聞かせください。 ◎加野 生涯学習・地域学校連携課長 区長部局と教育委員会の連携という観点では、現在総合支所を拠点として、区民が地域の講座等への参加経験を生かし、地域の絆を育てるコミュニティーづくりにつなげていくことを目指し、各総合支所地域振興課において課長が教育委員会副参事を兼務するほか、当課と兼務する社会教育主事に加え、一名ずつ社会教育指導員を配置し、区民企画講座、生涯学習セミナーなど様々な生涯学習事業を展開しております。  一方で、教育委員会と区長部局の双方で、市民大学や生涯大学をはじめ、生涯学習の講座等として、様々なテーマや手法により、幅広い年齢層に向けて、例年多くの講座やイベントを実施しておりますが、周知等が体系化されていないのが現状の課題です。区民の方が学びたいと思われたときに自分の求めるテーマがあるか、条件に合う講座があるかなど、スムーズに調べることができ、また、思わぬ学びとの出会いを発見できるような情報周知をしていくことで、学びをより身近なものとして生活に取り入れていただくことができると考えております。  まずは、ホームページでの構成等を工夫するところから始めまして、また、将来的には、例えばAIなどを活用するなど、一つの入り口から、より広い学びに出会える機会を創出していくことが多くの区民の方に生涯学習への関心を持っていただくことにつながっていくと考えております。 ◆つるみけんご 委員 生涯学習は非常に重要なテーマでありますし、学びの質の転換ということを教育委員会でも言われているので、その点もそういう視点を持っていただければと思っております。  次に、区立幼稚園について伺います。  七月の文教常任委員会で区立幼稚園集約化等計画(案)が提示され、今後の集約化の方向性に関する教育委員会のお考えがお示しされました。計画案によりますと、現在八園ある区立幼稚園を区内五地域に一か所程度、段階的に集約化していくというものです。仮に計画案にあるように区内五地域に一か所程度、つまり一地域に一幼稚園となった場合には、通園にかかる時間や労力というのは相当なものだと思います。当然今まで以上に遠くから通う方がおられることも想定されるでしょうし、雨や雪が降る日の通園というのは相当大変なものだと思います。  このようなことを踏まえまして、教育委員会として、通園に関する課題についてどのような想定をされているのか、お聞かせください。 ◎本田 乳幼児教育・保育支援課長 委員御指摘のように、本年八月に区が策定いたしました区立幼稚園集約化等計画では、未就学児の人口の減少など乳幼児教育・保育施設を取り巻く状況の変化を踏まえ、現在八園ある区立幼稚園を区内五地域に一園ずつ程度に集約し、地域の乳幼児教育・保育の拠点として位置づけることとしております。  園児や保護者の通園手段につきましては、現在、区立幼稚園では原則として自転車での通園は御遠慮いただいておりますが、遠方から通園されるなどの御事情がある場合については、個別に各園の判断により、自転車通園を認めているところでございます。区立幼稚園が集約された後は、通園の距離がさらに長くなる場合も考えられることから、集約化に伴う幼稚園施設の一部改修に合わせて駐輪スペースの確保整備等を行った上で、自転車通園に関する制限を撤廃するなど、利用者の利便性に配慮した措置を検討してまいりたいと考えております。  その他、通園に関する課題への具体的な対応につきましては、今後、個別の施設ごとに集約化に係る計画を作成する過程において、利用者の通園の実態や各園の施設面の状況、近隣周辺の環境等の諸条件を総合的に勘案しながら検討を進めてまいりたいと考えております。 ◆つるみけんご 委員 以上で新風・せたがやの風の文教領域の質疑を終わります。 ○宍戸三郎 委員長 以上で新風・せたがやの風の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○宍戸三郎 委員長 引き続きまして、減税せたがや、どうぞ。 ◆あべ力也 委員 それでは質問してまいります。  先日、普通学級に通う支援の必要なお子さんを持つ保護者の方から御相談がございました。公立学校の入学に当たり、特別支援学級を勧められたが、保護者が普通学級を希望し、普通学級にいる障害のある子どものケースですけれども、インクルーシブといいながら保護者同伴登校・授業を強要されている、子どもの権利条約、障害者差別解消法にも反することではないですかということなんですね。  保護者にとっては子どもを学校に人質に取られているような状況で、学校や教員、スクールカウンセラーに強く言えないこともあり、我々議員に御相談をいただくことになるのだと思いますが、まず、こうした保護者からの差別の通報を受け止める第三者機関などが今あるのかどうか。どこに相談したり、訴えたりすればいいのか、その役割を担うのはどこなのか、的確にお答えをいただきたいと思います。 ◎柏原 教育相談・支援課長 委員お話しのとおり、学校に対して支援を求めることに慎重になる保護者の方もいらっしゃるものと認識しております。学校生活における保護者の思いや不安などを受け止める第三者機関としましてはせたホッとが相談に応じておりますが、教育委員会においても付添い等の学校生活上の支援について御相談いただくことで、学校等の調整を行い、必要な改善、支援を行ってまいります。 ◆あべ力也 委員 せたホッとは学校の問題を受け止めるところではないですよね。学校の問題なんだから、教育委員会が受け止めると何ではっきり言えないんですか。  教育長、こういう問題は我々が聞くんじゃなくて、教育委員会に、学校に通っている保護者の方のこういった苦情とか、御相談とか受ける窓口をちゃんとつくってくださいよ。分からないから私のところにも言ってくるんですよ。今現状ないでしょう。教育委員会でそういう窓口をつくっているんですか。 ◎渡部 教育長 保護者の方のそのようなお声に関しては、どこの部署でも受け止めるというのが基本になっています。そのようなお声を拒否することはどこの課でもやってはいませんが、窓口としてどこに電話をしたらいいのかというお声をいただくことはあります。それに関しては、こちらとしてもここにというふうに示せるということを考えていきます。 ◆あべ力也 委員 保護者の方は、教育委員会の教育長にかければいいのか、どこにかけたらいいんだか、分からないんですよ。だから、こういう学校の問題で区議会議員にお願いしてこなくちゃならないなんていう行政の組織っておかしいじゃないですか。だから、学校の問題を学校になかなか言えない、学校では聞いてくれないようなことを教育委員会でしっかり受け止める窓口をちゃんとつくってくださいよ。それは、親御さんたちのそういう思いを受け止めるためにも、私は絶対必要だと思いますよ。学校が聞いてくれないと言っているんだから、現場で。それを正していく監督をしているのは教育委員会なんだから、保護者が学校の教員とかになかなか言えない、校長にも言えない、また、なかなか聞いてくれないというような状況を改善していくのには教育委員会に言うしかないじゃないですか。だから、教育委員会のどこに言ったらいいんだか分からないという状況を改善する必要があると思います。もう一回聞きますけれども、教育長、どうですか。 ◎渡部 教育長 一番いいのは、子どもが自分の気持ちを学校で伝えることです。それから、保護者が学校で教員に言うことですが、なかなかそれが難しい状況になっていることは理解しています。子どもの問題に関しては教育指導課が受けて、子どもの発達の問題に関しては教育相談・支援課が受けるというような形になっています。ほかに分からないところに関しては教育総務課で受けるということですが、伝わっていないようですので、今後、伝わるように工夫をしてまいります。 ◆あべ力也 委員 親御さんが言っているような差別の現状を教育委員会としては把握しているんですか。各課の各校に対する指導というのもどうなっているんでしょうか。私はちょっとあり得ないなということで今回質問させていただいているんです。  こうした実態をしっかり把握していただいて、親御さんとかお子さんが不安に感じたり、公立校では、本来であれば世田谷区は、障害がある児童でも、親や本人が希望した学校に受け入れると表明をしているんですよ。それならば、その受け入れた学校で同伴を求めたりなんかするのではなくて、教員がしっかり子どもを見られるような体制づくりをしていただきたいと思うんですが、今後の対応について、教育長、どのようにお考えでしょうか。 ◎渡部 教育長 まず、そのようなお子さんがいらしたときには、教育委員会では話合いを重ねています。できれば、保護者の方に学校に来ていただくことなく、学校生活を送っていただくのが一番ですが、支援が必要な場合がございますので、どのような支援が必要なのかというところの話合いを保護者の方と進めます。その上で必要な支援を考えてまいります。  また、保護者の方からは、教育委員会にたくさんお声もいただいております。それから、指導主事が各学校を担当しているので、たくさん回っています。それでも漏れるお子さんがいらっしゃるということを私たちは自覚しておりますので、今後、どのようにすればその方法が伝わるのかを考えてまいります。 ◆あべ力也 委員 障害をお持ちのお子さんと学校の間にスクールカウンセラーさんが入っていらっしゃるようですけれども、スクールカウンセラーさんに対する指導助言というのは教育委員会がされるんですか、それとも学校がされるんですか。 ◎柏原 教育相談・支援課長 スクールカウンセラーに関する指導等につきましては教育相談・支援課で担当しております。 ◆あべ力也 委員 どうもこの親御さんのお話を聞くと、学校だけではなくて、スクールカウンセラーの方にも様々御相談をしているんだけれども、なかなか学校との橋渡しというんですか。その部分については――感謝はされているんですけれども、いろんなそごがあるというか、学校側で受け入れていただいていないようなことも言っておられます。学校の校長とか教員の方、そして、スクールカウンセラーの方と連携をして、障害を持っておられるお子さんの対応をしっかりしていただきたい。  しかも、保護者に負担を求めるのではなくて、学校側でちゃんと責任を持って対応していただくことが私は現状としては適正だと思いますので、教育委員会で現場が分からないということであれば、しっかり現状を調査していただいて、各学校の対応がどうなっているかということも適切に把握していた……。 ○宍戸三郎 委員長 以上で減税せたがやの質疑は終わりました。     ──────────────────── ○宍戸三郎 委員長 引き続きまして、レインボー世田谷、どうぞ。 ◆上川あや 委員 まず、区立学校の校則の公開について改善を求めて伺います。  この夏、文部科学省が生徒指導に関する教職員向けの手引書、生徒指導提要を十二年ぶりに改訂しています。そこでは、校則を誰でも確認できるよう学校ホームページなどで公開し、制定の背景や見直しの手続も示すことが適切だとし、児童生徒が校則の見直しに参加することの教育的意義を説いています。また、少数派の意見も尊重したルールにすることの必要性も明記するなど、画期的な内容となっています。  一方、当区では、二〇一九年六月に私の一般質問で、区立学校各校の校則を原則ホームページ等で公開するよう求めました。これに対し区教委は、校長会と連携して取り組む、なるべく急ぎ、秋頃を目途に公開させていただきたいと御答弁され、新聞やテレビ等でも好意的な報道が相次ぎました。  ところが、その後、私のもとに、実際には学校ホームページで公開していない学校が多いのではないかとの保護者の方々の声が寄せられ、私も調べましたが、サイト内検索の窓から「校則」あるいは「きまり」と入力してもヒットせず、学校の校則が確認できない学校が多い印象です。  そこでまず、確認します。区立学校の全校で校則は公開されているでしょうか、伺います。 ◎井元 副参事 世田谷区立中学校では、校則について、生徒の自主性や主体性を大切にしていくことが必要であるとのことから、各学校で令和元年度より見直しを進め、ホームページに公開することとしてきました。委員御指摘のとおり、一部公開していない学校がございましたが、そういった学校には校則公開の趣旨に基づいて既に指導しており、現在は全校が公開しております。 ◆上川あや 委員 次に、たとえ学校ホームページに校則の公開があっても、それを決してうのみにできず、非公開の裏校則が多数存在する区立学校の例を御紹介します。ここでは学校名は伏せますが、教育指導課の方にはお見せした区立学校の配付資料の記述内容からの御紹介です。いずれも同中学の保護者の方から提供された資料です。それらには、学校配付の入学のしおり、生活のきまり、服装規定、体育の授業等が含まれ、学校ホームページにはない禁止事項、裏校則がめじろ押しです。  例えば頭髪について、学校ホームページの校則では清潔な髪型を心がけてくださいとあるだけですが、プリントの生活のきまりでは、パーマ、染色、脱色、異型(普通ではない髪型)、整髪料は禁止、前髪は目にかからない、髪の毛が肩にかかる程度の長さになっている生徒はゴム等で束ねとあり、ゴムの色まで明記があります。また、通学かばんについても、学校ホームページでは機能的なものを用いてくださいとあるだけですが、プリントの生活のきまりでは、華美なものにはしない、紙製やビニール製のものは禁止と明記があります。  その他のプリントにも、他クラスへの出入りは禁止、移動教室以外は他の学年のフロアには行かない、一年生は基本としてA階段を使う、先生によって態度は変えない、体育の授業の終了時には、先生の解散という合図で移動など細かい謎ルールがめじろ押しです。つまり、学校ホームページではさも自主性を重んじた校則であるかのように見せながら、実際には自主性を奪うような細かな義務づけ、権利制限が数多く生徒、保護者には明文で示されているということです。これでは学校のホームページ公開の意味などないのではないでしょうか。区教委が求める校則公開との整合性をどう図るのか、併せて見解を求めます。 ◎井元 副参事 教育委員会では、各学校に対しまして、校則の男女別の規定や表記、細かな規定や表記、誤解を受ける懸念のある表記等を見直した上で、生徒手帳に記載する校則の内容をホームページへ公開するよう通知いたしました。委員御指摘の学校はこの通知に基づいて運用しておりますが、ホームページへ公開した内容だけでなく、さらに詳細な内容が記されたプリントを配付している状況が生じております。禁止事項として明文で生徒に示されている決まりなど、実際上、校則として機能しているものについても原則公開することを検討してまいります。
     教育委員会としましては、今年度、生徒指導提要が改訂される予定であることからも、今後、校則の公表の在り方について校長会と協議を進めてまいります。 ◆上川あや 委員 骨抜きが幾らでも可能なルールは変えてください。  奥沢中学のサイトを見ますと、サイト内検索から「校則」「きまり」の二つのワードで検索しても何一つヒットしません。それでいて、学校生活のきまりの掲載が校則の代わりであるようです。生徒手帳の内容を公開するよう通知したという御説明ですが、現場対応は異なっているようです。尾山台中学もサイト内検索では何らヒットせず、生徒手帳ではなく、学校生活の手引きの公開が校則公開であるようです。烏山中学も生徒心得の公開が校則の公開であるようです。上祖師谷中学に至っては今挙げたいずれのワードでもヒットはせず、しらみ潰しにページを開いても、とうとう校則は見つけられませんでした。各校対応がばらばらで、探したい人が探しても見つからない校則の公開では困ると考えます。区議会会議録のサイトのように、類語で検索すればすぐにヒットし、たどり着ける、あるいはすっきり校則という一つの表現で統一するなど、改善はできないのでしょうか。 ◎井元 副参事 教育委員会としましては、学校等から公開される情報は誰でもアクセスしやすいものであるべきと考えております。今後、校則の公表の在り方と併せて、区議会会議録の検索方法等も参考にしながら、分かりやすい公表の方法についても校長会と協議を進めて改善してまいります。 ◆上川あや 委員 最後に、制服や標準服について、男子はこれ、女子はこれと決めつけないことも区教委の原則のはずなんですが、そこから外れた制服紹介をしている学校ホームページがありました。その資料も所管課にはお見せをしましたが、これだけ裏校則が横行する現実を見てしまいますと、区教委の出す方針など結局空手形であって、各校制服への取組でもやっていることはばらばらではないかと疑わざるを得ないのですが、いかがでしょうか。 ◎井元 副参事 教育委員会としましては、学校のホームページに記載されている全ての内容を確認することができておりませんでしたが、委員からの御指摘を受けて学校のホームページを確認いたしましたところ、十分に精査されていない内容が掲載されており、改めて各学校に掲載内容を確認するよう指示いたします。  今後、人事異動により、他の地区から異動してくる教員や新しく採用される教員もいることから、年度当初の校長会や生活指導主任会などの機会を捉え、定期的に区の方針を徹底してまいります。 ◆上川あや 委員 今後は答弁の言いっ放しはやめて、しっかり点検をするように再度お願いいたしまして、私の質疑を終わります。 ○宍戸三郎 委員長 以上でレインボー世田谷の質疑は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午前十時五十七分休憩    ──────────────────     午前十一時十分開議 ○宍戸三郎 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  世田谷無所属、どうぞ。 ◆ひうち優子 委員 今年の三月に予算委員会で質問した学校への防災ヘルメットの配備について、その後の検討状況について伺います。  以前に小学生のお子様を持つお母様から、次のような御意見をいただきました。入学準備をする中で防災頭巾を購入するように言われた。もちろん何も備えないよりはよいが、耐衝撃を考えると、なぜヘルメットではないのかと思う。防災頭巾と収納するケースを購入すると約五千円弱するので、決してヘルメットより安いとも言い切れない。ヘルメットにしてほしいとの声です。  耐衝撃という点を考えると、防災頭巾より、ヘルメットが防災の観点からよいと考えます。ヘルメットは火の粉からも守れるし、動きやすいとも思います。他の区でも導入している区が四区ありますが、世田谷区内の小中学校への防災ヘルメットの配備について、その後の検討状況について伺います。 ◎井上 教育総務課長 初めに、二十三区におけます小中学校への防災ヘルメットの導入状況でございますけれども、令和四年九月現在で小中学校とも導入している区は四区、中学校のみ導入している区は五区となってございます。この間、防災ヘルメットの配備に関する検討を進める中で、改めまして導入区に確認いたしましたところ、防災ヘルメット導入時の初期経費をはじめ、ヘルメットの耐用年数に応じた定期的な買換え、児童生徒数の増減や破損した場合の対応、さらに、貸与ではなく、支給している場合は、毎年新入生分の購入経費が発生するなど財政負担の課題が大きいと聞いてございます。現在、区立小学校では、委員からお話しのあったとおり、座布団などと兼用できます防災頭巾を保護者の方に御準備いただいているほか、各小中学校では避難訓練や防災教育等を通して、災害時に児童生徒が自ら的確に対応できる判断力や行動力の育成に取り組んでいるところでございます。学校への防災ヘルメットの配備をはじめとした安全確保対策については、学校現場の意見も踏まえながら、費用負担の在り方も含めまして、約五万人の児童生徒の安全確保が第一という視点で今後も引き続き検討してまいります。 ◆ひうち優子 委員 よろしくお願いいたします。  次に、プログラミング教育の人材確保について伺います。  以前に、プログラミング教育をバックアップする人材を探すのが大変という声をいただきました。プログラミング教育は各教科の授業の中で計画的に行い、問題の解決に必要な手段があることに気づき、論理的思考力を育むことを狙いとする教育です。学校におけるプログラミング教育を支援する人材、特にプログラミング教育に精通した人材の確保を行っていただきたいと考えますが、お伺いをいたします。 ◎滝上 教育研究・研修課長 教育総合センターでは、現在、大学や企業等との連携構築を進めており、その中でICTやプログラミングの指導ができる人材をリスト化していく予定です。この連携の仕組みの中で、プログラミングの指導をはじめ、学校のニーズに沿った人材を紹介してまいります。ほかにも、センター内では理数系教員や技術職の経験者の方たちを対象にSTEAM教育指導員セミナーを今年開催し、指導員の育成を行っております。今後、プログラミングの内容を学ぶ場も検討してまいります。  引き続き、大学、企業等との連携や指導者の育成に努め、学校が必要とする人材の発掘や紹介を行い、学校の教育活動の支援を行ってまいります。 ◆ひうち優子 委員 世田谷区内には楽天さんですとか、いろんな企業、あとは大学もありますので、ぜひプログラミングに精通をした人材を確保していただくよう要望いたします。  次に、情報リテラシー教育について伺います。  スマートフォンやSNSが子どもたちの間にも急速に普及していることに伴い、インターネットの利用時間の長時間化やSNSを通じて児童が被害に遭ったり、個人情報が不正利用されるなど危険が増大しており、これらの課題解決に対応するため、子どもたちに情報リテラシーを身につけさせることは重要です。新学習指導要領にも情報モラル教育が位置づけられ、様々な教材が出ておりますが、全国一律的な教材や授業では進化し続ける教育のICT化に対応することが難しいため、専門の事業者にモラル教育を委託している自治体もあります。世田谷区も教育のICT化を進める一方で、情報リテラシー教育を一層充実させる必要があると考えます。  現在の取組と今後の方針について、区の進捗状況についてお伺いをいたします。 ◎滝上 教育研究・研修課長 タブレットを活用しました学習が盛んに行われるようになり、学校では子どもたちにICTを活用した調べ学習や情報モラルに関する指導の中で、様々に目にする情報が正しいものかどうか、見極める力を育成しております。教育委員会におきましては、今年度、デジタルシチズンシップの内容を教員研修に位置づけ、子どもたちを指導する教員がインターネットやソーシャルメディアとの適切な関わりについて学び、学級での指導にも生かすことができるように研修を実施いたしました。昨今はネットによるいじめの問題も増えてきていることから、今月末にはネットいじめ防止研修を管理職や生活指導主任等を対象に行う予定になっております。ほかにも、インターネットトラブルから子どもを守るためのリーフレットを配布し、家庭において子どもと一緒にインターネットやスマートフォンのルールを定められるようにするとともに、ネットリテラシー醸成講座を各学校で開催し、子どもたちが正しく情報を活用できる力を高めています。  引き続き、研修の実施や保護者への情報提供、ネットリテラシー醸成講座等を行っていくことで、情報リテラシー教育のさらなる充実を図ってまいります。 ◆ひうち優子 委員 よろしくお願いいたします。  最後に、自転車の安全教育について伺います。  現在、世田谷区内の中学校において、スケアードストレイト方式の事故再現型の自転車安全教室を中学校三年間で必ず一回行っているほか、以前に質問をした標識教育も行っております。スケアードストレイト方式の事故再現型の自転車安全教室については中学生で行っておりますが、小学生にも何かしらの形で行うべきと考えます。現在、学校によってはPTA主催で土日にスケアードを実施しておりますが、低学年の年齢からの自転車安全教育が大切と考えます。自転車安全教育の進捗と区の考え方についてお伺いをいたします。 ◎井元 副参事 委員お話しのとおり、交通事故において、自転車に関与する事故の割合は増加傾向にありまして、自転車教室等による安全指導は重要であると認識をしております。現在、小学校においては、交通標識等を含む交通ルールや自転車に関する約束を理解したり、自転車の安全点検やヘルメットの着用の安全性について自転車教室等で指導してきました。  今後も計画に基づきまして、交通安全教室の取組や日常的な安全指導を着実に実施してまいります。 ◆ひうち優子 委員 よろしくお願いします。  以上で質問を終わります。 ○宍戸三郎 委員長 以上で世田谷無所属の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○宍戸三郎 委員長 引き続きまして、Setagayaあらた、どうぞ。 ◆佐藤美樹 委員 今日はまず、英語教育について伺っていきます。  今年も八月にテンプル大学ジャパン、以下、TUJとしますけれども、そこによる小中学生向けの国内留学プログラムというのが大変好評で、区内小中学生六百名ほどの子たちが英語のプログラムを受けたと聞いています。TUJ、テンプル大学ではその英語の教授法TESOLにも力を入れていて、そこの先生に先日お話を聞く機会があったんですけれども、やはり英語の授業を効果的に実施していくためには、まずそのプレスメントと言われるレベルを分けての少人数といった体制が非常に重要とおっしゃっていました。  現在、区内小中学校のうち中学校においては英語の少人数学級が導入されていると聞いているんですけれども、小学校においてはまだ教室単位での語学の授業となっています。私も自分の娘の小学校の教室を拝見したんですけれども、今の子たち、帰国子女でなくても、英検ですと例えば英検準二級とか二級を持っている子も小学校でいて、そういう子たちにとっては学校の教室の授業がつまらないなと感じていたり、また逆に、初めて英語を学ぶ子たちにとっては、そういう子と一緒にやっていても分からないまま過ぎてしまうこともあるのかなということで、特に語学においては、ほかの教科以上に習熟度に差があるのかもしれないと考えています。  そこで、小学校においても、クラスは分けないまでも、同じぐらいの習熟度の子たちとのグループワーク、あるいはペアワークというものを積極的に取り入れてはと考えますが、お考えを伺います。 ◎井元 副参事 小学校においては、学習指導要領に基づき、外国語による聞くこと、読むこと、話すこと、書くことのコミュニケーションを図る基盤となる資質能力を育成することを主たる目的としており、児童にとって身近な担任教員や英語専科教員がALTや英語活動支援員と連携し、学級単位で指導することを基本としております。その中で、言語活動を通して個々の児童の英語で話す力を考慮するなどして、ペアやグループなど少人数のアクティビティーを導入するなど、実際のコミュニケーションにおいて活用できる基礎的な技能を身につけられるよう指導の充実を図っております。 ◆佐藤美樹 委員 小学校においてもそういったところを進めていただきたいと思います。  また、少人数クラスは、先ほど中学校においては導入済みと申し上げたんですけれども、こういった教室を分けると、当然その人と場所と両方が必要なわけですけれども、私の地域にあります船橋希望中学校のような大規模校ですと、クラスを分けたくても教室が足りなくて、今年は一年生では少人数クラスというのができていないと伺いました。この普通教室以外に、例えば多目的室であったり、音楽室といった普通教室以外を活用した少人数学級というのができる場合もあるそうなんですけれども、そういった教室ですと、今度はWi―Fiがなくて、デジタル教材が使えないので、教室として展開できないということでした。  そうなると、人と場所以外にWi―Fiの問題もあるのかなと考えますが、子どもたちのそういった少人数学級導入のために、特に大規模校においては普通教室以外にWi―Fi整備をしていただきたいと考えますが、お考えを伺います。 ◎池田 副参事 生徒数に比較的余裕のある中学校では少人数クラスに対応する教室が確保できておりますが、委員御指摘の船橋希望中学校では、一年生七クラス、二年生六クラス、三年生七クラスと合計二十クラスもある大規模校となっており、新たな少人数用の教室の確保が困難な状況となっています。学校のネットワーク環境の整備については、基本的に普通教室及び特別支援学級、固定級教室に常設のWi―Fiアクセスポイントを整備しております。多目的室や音楽室等、いわゆる特別教室等には持ち運び可能なWi―Fiアクセスポイントでの対応としておりまして、委員御指摘の学校につきましては、普通教室の常設二十台のほかに、持ち運び可能な九台を配備しているところです。  今後、実情に合わせて学校と調整し、学校の要望に沿ったネットワーク環境の整備に向けて、関係所管と連携し、対応してまいります。 ◆佐藤美樹 委員 よろしくお願いいたします。  もう一つ最後に、スピーキングテストについても伺います。  今年度の都立高校入試からスピーキングテストが導入されるということで、学校現場の混乱や、また、保護者の方からも様々な声が私のところにも届いております。このスピーキングテストというか、スピーキングの能力自体をこれから伸ばしていこうということには私は賛成はしているんですけれども、今のスピーキングテストの進め方だと様々課題があるなとも考えています。今年は初めてのことなので、今学校現場の先生たちもスピーキングテストの対策をするのに、先生たちだけで過去問であったり、いろいろなところから情報を集めてきて実施しているような状況でありますので、そうすると、先生の力量あるいは熱量といったもので、学校ごとやあるいはクラスごとの差が生じてきてしまっているという状況だと思います。今年度はちょっと時間的に厳しいかもしれないんですけれども、例えば先ほど述べたテンプル大学のような英語教授法に知見のある大学も区内にありますので、そうしたところから何かしらアドバイスをもらったり、知見をいただいて、学校現場の先生たちが使えるようなマテリアルの提供など、区のほうからサポートしていただきたいと考えますが、見解を伺います。 ◎井元 副参事 中学校の学習指導要領においては、生徒に外国語によるコミュニケーションを図る基礎を育成するために、授業を実際のコミュニケーションの場面とする授業を英語で行うことが基本とされております。このため、中学校では、教員がALTと連携しながら、よりネーティブな英語でコミュニケーションを図る機会を提供するように努めてまいりました。  なお、英語担当教員は、自身の指導力を向上させるために、文部科学省や都教育委員会の研修や区内の教育研究会等に参加して研さんを重ねておりますが、昨今の教員の多忙化等を踏まえ、区教育委員会としましては、教員が外部の連携機関や他地域の先進事例等の知見を得やすいような環境を整えることを検討してまいります。 ◆佐藤美樹 委員 スピーキング能力の向上のため、支援をお願いしたいと思います。  以上で終わります。 ○宍戸三郎 委員長 以上でSetagayaあらたの質疑は終わりました。     ──────────────────── ○宍戸三郎 委員長 引き続きまして、都民ファーストの会、どうぞ。 ◆そのべせいや 委員 先日、区立学校の保護者から、PTAとして、学校の設備とも言えるものに寄附の依頼があるが、なぜ税金で賄われないのかというお話を伺いました。学校への寄附全体の状況について学校職員課に問い合わせてみると、よく見かけるテントや舞台幕、旗、スポーツ用品の類いから、聴覚障害者協会から手話の本のように団体に関連した学習用品など様々な寄附がある一方、設置台や保護パネルまで含めたテレビ一式に代表されるように授業で日常に利用されるような設備についても寄附で賄われている実情が浮かび上がってきました。  また、過去三か年分の寄附一覧を確認すると、区立学校が受領した寄附の中には、一件ではありますが、学校単独の教職員団体から自転車の寄附もあります。通常業務で利用する備品であれば、たとえ額が安価だとしても、足りない物品の職員による持ち出しの常態化を防ぐためにも、職員、現場で働く人からの寄附で整備をするのではなく、備品として正当に予算が要求され、購入されるべきです。  予算委員会でも申し上げましたが、教育に係る支出総額が三十年横ばいで、予算規模の拡大や物価上昇と比較すると、むしろ相対的に減少していることを危惧しています。保護者や職員が文字どおり身を削って、区長や財務部門、教育委員会事務局が確保できなかった教育予算を肩代わりするのではなく、最低限、ふだんの授業に利用する設備や仕事に利用するための備品は区の責任で税収で賄えないのか、改めて決算認定に際して伺います。 ◎前島 学校職員課長 学校運営に必要な経費につきましては公費負担が原則でございまして、予算の範囲内で優先順位をつけながら措置しているところでございます。委員御指摘の教職員団体からの寄附の件につきましては、当該学校内には自転車が配備されているものの、家庭訪問や研修など他校への移動手段のために、自主的に寄附に至ったものと聞いてございます。  教育委員会といたしましては、学校運営の中で不可欠な物品を寄附に頼らないよう、寄附物品の件について指導してまいります。 ◆そのべせいや 委員 続いて、ベーシックな環境整備だけでなく、さらに教育環境を向上できるよう寄附自体は伸ばせられるように、ふるさと納税のメニューに各学校を指定した寄附が受け付けられないでしょうか。世田谷区と同じく、特にふるさと納税での流出が著しい川崎市、横浜市が流出対策の一環という側面も含め、市内の各学校を指定したふるさと納税をはじめとした寄附を受け付けているようです。実際に学校を指定した寄附は、額の公開されている二〇一九年度には、横浜市約一千万円、川崎市約九百万円と学校への寄附受領でふるさと納税の流出が食い止められるとまでは言えませんが、ベルマーク助成財団による二〇二一年度の世田谷区の学校のベルマークの集票点数、実質的な換金額について最も多かった小学校が十一万円弱であったことと比較をすると、ベルマークについては、場合によって仕事のシフトを調整して、有給休暇を取得して煩雑な集計作業をしている、また、集計作業を受給換算すると数百円程度になることからコスパが悪いという声も伺いますが、そうした作業から解放するメリットも鑑みると、特に集計に駆り出される保護者にとっては寄附額以上のインパクトがあると考えます。世田谷区にも既に教育内容に関する企業の受皿となる世田谷遊びと学びの教育基金が存在しますが、この基金への寄附を特定の区立学校へ結びつけられるよう制度を調整できないでしょうか。 ◎井上 教育総務課長 ふるさと納税制度を活用いたしました、特定の学校を指定し、寄附できる取組につきましては、委員お話しのとおり、近隣自治体では横浜市や川崎市などが実施してございまして、寄附をされた方が指定した学校において主に備品の購入などに使用されていると聞いてございます。世田谷区におきましても同様の仕組みを取り入れることは制度上可能であると考えますが、どうしても多くの寄附が寄せられる学校とそうではない学校が出てしまうことですとか、学校間で差が生じることによる教育現場と児童生徒への影響など、少なからず懸念される課題も散見されまして、慎重に見極める必要があると考えてございます。  一方で、ふるさと納税によります税収減の対策として、世田谷区に対する寄附の獲得は全庁挙げて取り組むべき優先事項でもありますので、御提案の趣旨も踏まえ、児童生徒の教育環境の充実に向けた財源確保の仕組みの構築など、既存の教育関連基金の活用も含めまして、区長部局とも連携し、研究検討してまいります。 ◆そのべせいや 委員 学校ごとに寄附額の競争が生まれるという懸念もあるようですが、既に川崎市、横浜市でも個別の寄附額の非公表にも対応しているようで、後発となる世田谷区はこの点について既に課題が整理された手法による制度設計を期待しています。また、横浜市立の小学校では、集まった金額を何に使うか、児童が主体となって議論をしているようで、寄附金には金額の多寡に関わらない教育的効果も期待できます。ぜひ前向きに論点整理を進めてください。  最後に、学校給食費無償化の前にやるべきことはないのか、二〇一八年十二月にも同じ質問をしておりますが、本格的に無償化が議論されている今、改めて伺います。  従来、徴収をしていた食材費まで含めた給食費の無償化について検討が進んでいるようですが、現在の食材費のままで区による負担とすれば、食材費に二十七億円、現在よりプラス二十億円との試算ですが、翻って食材の調達にスケールメリットが働いているであろう調理場方式と個別に食材を調達している自校方式の二種類が混在している中学校の給食食材費について比較をすると、調理場方式は一食当たり三百十三円、自校方式は一食当たり三百三十七円とのことですが、改定前の二〇一六年の食材費まで振り返ると、調理場方式二百九十三円、自校方式三百十五円と一括調達が行われている調理場方式だと、改定後にもかかわらず、改定前自校方式と比較しても二円安くなっています。このことから、一括調達によるスケールメリットを働かせられれば七%はコストダウンが可能であるはずです。給食食材費全体が二十七億円、全て無償化するには追加で二十億円と言われていますが、全体二十七億円のうち約七%コストカットできれば、追加は十八億円で済み、二億円は別のことに使えます。  加えて、このまま何も変えずに現行のままで無償化が進むと、従来、保護者の目がある手前、頻繁には値上げできず、コストダウンにも気を配っていた状態から、保護者という膨大な数のステークホルダーがいなくなることで食材費に関するチェックが行き届かなくなり、値上げも容易となります。  給食費制度を大転換するのであれば、このタイミングで調達改革まで進め、スケールメリットを生かした一括契約とコストダウンまで手を伸ばさないのか、そして、最低でも食材費の高騰を抑止する仕組みを導入できないか、伺います。 ◎山下 学校健康推進課長 世田谷区の学校給食では、自校調理や独自献立など学校ごとの特色ある給食を基本とし、各学校の栄養士が献立を作成し、その献立に基づき、各学校で区に登録された事業者の中から必要な食材を調達してございます。現在、スケールメリットを生かしている事例としましては、使用頻度の高い牛乳、パン、麺といった食材については全校が東京都学校給食会から調達することとしてございます。さらにスケールメリットを生かし、食材を安価で仕入れるためには、特定の事業者に大量の食材を同時期に発注する必要があり、現在の学校ごとの工夫された献立を統一することにつながることが懸念されます。無償化が実施された場合においても、引き続き一食当たりの食材価格は適正に管理してまいります。各学校においても食材価格を比較検討して調達するなど、コスト面を意識した給食運営に努めてまいります。 ◆そのべせいや 委員 ぜひコストダウンということも視野に入れた検討を進めていただければと要望はしておきます。  以上で終えます。 ○宍戸三郎 委員長 以上で都民ファーストの会の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○宍戸三郎 委員長 引き続きまして、国際都市せたがや、どうぞ。 ◆神尾りさ 委員 まずは地域の共同財産としての学校施設という観点で、校庭の活用について伺います。  区立小中学校の校庭活用の現状を見てみますと、優先順位が最も高い新BOPで日常的に使われているほかは、学校承認使用、スポーツ・文化クラブ、遊び場開放などで活用されています。けやきネットのほうに登録されて一般に開放されている校庭の数は、小学校がたったの四校、中学校が二十八校となっています。今挙げた中で特に学校承認使用には決まった基準が設けられていないため、校長先生の判断に委ねられているという現状もあります。  世田谷区では、総合型地域スポーツ・文化クラブという取組を行っています。これは、東京都に届けを出したクラブが学校を使って、定期的、継続的にスポーツや文化活動を行うことができる仕組みです。子どもから高齢者、そして障害者なども含む地域の誰もが会員となって区内小中学校などを拠点に八か所で活動しています。この八か所は今、東深沢中、用賀中、烏山中、城山小、駒沢小、尾山台小、若林小、あと大学があるんですけれども――となっています、今後はこのクラブの設立数を増やして、地域の誰もが公平に近隣の小中学校でスポーツや文化活動に関わることができる仕組みというのを拡充していくべきと考えますが、まずは現状の課題について伺います。 ◎加野 生涯学習・地域学校連携課長 総合型地域スポーツ・文化クラブは、地域住民が主体的に運営し、学校施設などを拠点に、子どもから高齢者まで幅広い年齢層を対象に、複数の種目等を楽しむだけでなく、各世代の居場所等の役割も果たすものとして運営されており、届出は区を通して東京都に行っております。クラブの運営規模が大きく、運営の安定性が求められる点や設置の条件整備が容易でなく、学校や地域等との様々な調整も必要となることから、新たなクラブの設置が難しく、ここ数年、新規設置が行えていない点などが課題と考えております。 ◆神尾りさ 委員 課題があるようですけれども、今、中学校の部活動のほうが地域に移行していくという動きもある中で、スポーツのみならず、世田谷の場合は文化も取り入れた独自の取組になっていまして、例えば書道、パソコン、英会話、ギターなどの活動も行っているということなので、より多くの団体にこういったものを設立してもらえるように、仕組みの改善なども検討すべきと考えますけれども、見解を伺います。 ◎加野 生涯学習・地域学校連携課長 総合型地域スポーツ・文化クラブは、今後推進していく中学校部活動の地域移行においても重要な役割を果たすと考えております。新たなクラブの設置においては、着々と進めていきたいところではありますが、設置条件が多いことなどからハードルが高くなってしまい、実現に時間がかかってしまう現状がございます。地域での活動団体の担い手として、新規団体設置に意欲を見せていただいている区民の皆さんの御意見をしっかり伺いながら、学校等への協力依頼や必要となる各種調整を所管課として担い、より多くの団体が設立できるよう体制整備に努めてまいります。 ◆神尾りさ 委員 しっかり取り組んでいただきたいと思います。  次に、情報配信アプリのすぐーるについて伺います。  区では令和二年度から、区立校の保護者への緊急連絡や情報配信を目的としてすぐーるを活用しています。  まずは現在の保護者の登録数と登録率、また、どのような機能を使っているのか、伺います。 ◎齋藤 教育ICT推進課長 すぐーるは区立小中学校、区立幼稚園及び教育委員会事務局が保護者へ緊急連絡などの情報配信を行うためのサービスで、区から保護者への単一方向の情報配信のみならず、配信の既読確認、保護者からの欠席連絡等を兼ね備えた双方向の配信サービスです。令和四年九月現在の登録者数は六万一千七百七十件となっており、子ども一人につき最大四件までのメールアドレスの登録ができるので、正確な登録率は不明ですが、幼稚園、小中学校の全在校生五万七百七十八名を上回る登録数となっており、おおむねの保護者の方に御利用いただいているものと考えております。  また、主に利用しているすぐーるの機能についてですが、区や教育委員会からの緊急連絡メールのほか、学校だよりなどの資料配付、欠席連絡、健康連絡帳、アンケート機能などを利用しているところです。 ◆神尾りさ 委員 全在校生の数を超えた登録者がいるということで、区立に通うほとんどの子どもの保護者が活用している可能性が高いということが分かりました。  現在、区では別の部署で町会・自治会への地域交流アプリの導入支援というのを行っていますけれども、まず、地域の住民に新たに登録してもらうというところがハードルとなっています。一方でこのすぐーるは区立幼小中学校の保護者ほとんどが加入ということなので、使い方によっては情報提供の域を超えて、地域コミュニティーの形成に寄与する可能性もあるのではないかと考えます。  このすぐーるアプリを開きますと、一番右下にまだ活用されていないボタンがありまして、コミュニティと書いてあります。それを開くと、まだ使われていないんですけれども、地域にある掲示板のオンライン化じゃないかというようなページが開きます。この機能を今後活用していけないでしょうか、伺います。 ◎齋藤 教育ICT推進課長 委員御指摘のすぐーるのコミュニティ機能は、現時点ではサービス提供事業者からボタンだけが表示されて、機能提供されておりません。サービス提供事業者に確認したところ、将来的に機能を提供する予定のボタンであって、提供予定時期は未定とのことでした。すぐーるは年間利用料が安価であることや使いやすいといった魅力がありますが、全国共通の仕様となっており、世田谷区独自ではカスタマイズできないサービスです。  教育委員会としては、緊急配信といったすぐーる本来の目的が損なわれないように配慮しながら、学校、保護者の利便性向上のためにサービス提供事業者に対して機能追加の要望を出してまいります。 ◆神尾りさ 委員 DX化の流れの中で、まずは区立学校の保護者のほとんどが一斉に情報を受け取れるサービスを確立させたということ、トライ・アンド・エラーですけれども、評価したいと思います。このすごさを区としても認識し、ぜひ次の段階へのステップアップを考えていただきたいと思います。今様々な情報が錯綜して、人々が孤立して生活する現代社会ですけれども、この仕組みは区が保護者に届けたい確かな情報を一斉に届けることができ、また、かなりの人数がそれを受け取ることができる機能であるということです。この仕組みを希薄化しているコミュニティー形成の再構築に生かさない手はないんじゃないかなと思っています。  すぐーるは今、プロポーザルで五年間の随意契約と聞いています。次の更新が令和六年あたりということですので、継続か否かを協議する際には、この機能が持つコミュニティー形成の可能性というのをしっかり検討の材料にのせて議論していただきたいことを要望して、以上で終わります。 ○宍戸三郎 委員長 以上で国際都市せたがやの質疑は終わりました。     ────────────────────
    ○宍戸三郎 委員長 引き続きまして、区民を守る会、どうぞ。 ◆くりはら博之 委員 私からは、これまで質問してきました中学校の部活動に関して伺ってまいります。  そもそも部活動は学習指導要領で、学習意欲の向上や責任感、連帯感の涵養に資するものであり、生徒にとって望ましい部活動の環境の整備は大変重要なものです。  一方で、学校の働き方改革による教員の負担軽減は喫緊の課題であり、教科学習での生徒と向き合う時間を創出する意味で、こちらも大変重要です。世田谷区においても地域人材や外部指導員の活用の取組を行っていると思いますが、まずは、部活動支援員制度による外部指導等の活用実績について教えてください。 ◎加野 生涯学習・地域学校連携課長 区立中学校における部活動支援員制度は約四百五十人の方に登録いただいており、部活動において競技や指導の技術、経験をお持ちの保護者や地域の方などから御協力をいただいております。主な活動内容としては、学校の指示に従い、技術指導や指導の補助をはじめ、教員に代わって部員の引率を行うこともあり、競技未経験の顧問に代わり、練習計画や全体メニューを提案するなど幅広い指導を行っております。 ◆くりはら博之 委員 次に、部活動支援員マッチング業務委託についてです。  委員会報告資料によりますと、令和三年度は十件の実績があり、令和四年度についても同じく十件を予定されているとのことですが、そもそも令和三年度は、契約上、十件が上限だったと認識していますが、何校から何件の希望があったのでしょうか、お伺いいたします。 ◎加野 生涯学習・地域学校連携課長 今年度の部活動支援員マッチング業務委託においては、全ての区立中学校に支援員の配置希望の調査を行ったところ、二十九校中十六校から二十八の部活動への支援員の配置希望がございました。 ◆くりはら博之 委員 十件以上の希望があったとのことですので、令和四年度は十件で足りるとのお考えなのでしょうか。その辺の見解をお伺いいたします。 ◎加野 生涯学習・地域学校連携課長 マッチング業務に関しましては、事業者が配置希望のあった学校にヒアリングを行い、学校の要望に合った部活動支援員の配置を行っております。ここで配置した支援員は、年度限りではなく、次年度以降も続けて部活の指導を行うこととなりますので、例年継続して配置することにより、支援員の不足を補う効果のあるものと考えております。 ◆くりはら博之 委員 回数については予算の兼ね合いもあると思いますので、引き続き適正値を見極めた上で、事業執行をお願いいたします。  続いて、部費についてです。  外部人材等の利用により部費が高騰になるという懸念があると思います。区では実際に値上がりしたというようなことがあるのでしょうか、その辺をお伺いいたします。 ◎加野 生涯学習・地域学校連携課長 現在、区から配置している部活動支援員は区が謝礼を負担しているため、支援員を配置したことにより部費が上がるということはございません。 ◆くりはら博之 委員 値上がりした学校はないとのことで安心いたしました。物価上昇も加速しておりますので、区民生活を守るため、引き続き支援をお願いいたします。  最後に、部活動支援員による指導について伺います。  部活動支援員による技術的指導は、教員の負担軽減や生徒の技術の向上には非常に有意義である一方で、それぞれの競技に精通した支援員が指導するとなると、競技力向上にばかり力点が置かれ、大会での勝利や好記録を出すためにガイドラインを無視した長時間の練習を課すであるとか、精神論に偏った不適切な言動に及ぶことも考えられます。質の確保をするための取組として、遵守事項について誓約書を取り交わすことや部活動の意義、目的などを記載した部活動支援員向けの手引の配付、コロナ禍においては動画配信による研修を実施されていると思いますが、これらの効果について指導員の理解や果たして適正に行われているのかどうか、教育委員会としてはどのように確認されているのでしょうか、お伺いいたします。 ◎加野 生涯学習・地域学校連携課長 委員お話しの誓約書につきましては、現在の部活動支援員制度においても提出を求めており、部活動の範囲を逸脱する指導や生徒の人格を傷つける言動及び体罰の禁止を含む遵守事項について、毎年必ず支援員から校長に提出をいただいております。部活動支援員向けの手引につきましても、年度当初に学校を通じて全ての支援員に配付しているところです。また、研修についても、体罰の禁止や指導方法について実施しており、昨年度は新型コロナウイルス感染防止の中でも、全ての支援員が受講できるよう動画による研修を実施いたしました。  地域移行に関しましては、手引やガイドラインを多方面から見直すとともに、研修内容の充実とより効果的な研修の実施方法、また、実施の確認等につきましても確実に行えるよう検討してまいります。 ◆くりはら博之 委員 教員の負担軽減と部活動の質の向上を両立していくために、引き続き教育委員会の努力を求め、質問を終わりにいたします。 ○宍戸三郎 委員長 以上で区民を守る会の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○宍戸三郎 委員長 引き続きまして、無所属、どうぞ。 ◆青空こうじ 委員 二学期が始まり、学校は元気な子どもたちの姿が戻りました。今年は修学旅行や運動会なども実施できるようになり、ようやく学校らしい生活が戻ってきたことをうれしく思っています。  先日は、小学校の川場移動教室、そして、中学校の修学旅行を終えた子どもたちに会いました。今年の川場移動教室は一泊だけだったようですが、天気にも恵まれ、自然を満喫したようです。子どもたちが楽しみにしていたのは、もちろん田園プラザでのお土産タイムです。ヨーグルト、リンゴパイ、リンゴジュース、川場ならではのお土産を買ったそうです。  また、中学生は、修学旅行の前の日に大きな荷物を学校に持っていくことを知りました。子どもたちに聞くと、荷物は現地に送ってくれて、当日は軽い荷物で行かないと、通勤ラッシュで大変なんだそうです。これはよく考えたものだと感心しました。京都も観光客が戻り、活気づいたようです。子どもたちにはよい思い出になったことでしょう。  この朝の見守り活動の楽しいところは、たくさんの子どもたちと出会い、たくさんの話ができることですが、この活動ももはや五年になりました。挨拶を交わした子どもたちは小学校を卒業し、中学校に入学、その後、高等学校、そして大学へと進学する子どももいれば、早くから手に職をつけ、社会で活躍している子どもたちもいます。学校での勉強は大切なことですが、私は、国語、算数など、教科書の勉強だけではなく、子どもたちがそれぞれ興味を持ったことに夢中になって取り組んだり、友達同士で協力しながら問題を解決したりするような力をつけることもとても大切なことだと思っております。そして、学ぶことや働くことの意義を学び、自分の将来について目標を立てていくことが必要なのではないでしょうか。  子どもたち一人一人が自分らしく生きていけるような力を身につけていくことこそが教育にとっては大切だと思いますが、教育委員会の考えをお聞かせください。 ◎滝上 教育研究・研修課長 本区では、乳幼児から小中学校において、子どもたちが学ぶことと、人生や社会のつながりを実感しながら、自らが課題に向き合い、判断して行動し、それぞれが思い描く未来を実現していけるようキャリア・未来デザイン教育を推進しております。教育委員会ではキャリア教育の推進を今年度の重点課題に据え、各学校では、児童生徒が学習を通して自分の生き方について考えたり、多様な人との交流を通して夢を描き、自分らしく生きていける力を身につけていくことができるようにキャリア教育を行っております。 ◆青空こうじ 委員 なるほど。将来につながるような教育をしているのですね。  子どもたちは国の宝です。将来、日本を明るくしてほしいと思っています。今、答弁の中でキャリア教育という話がありましたが、私もこれまでの人生を思い返せば、芸能界の世界に入ろうと決意したのは高校一年のときでした。最初は俳優を目指していましたが、東宝の用心棒などいろいろな役はいただかず、死人の役とか、見ても分からない役を三年もやっていました。  そんなとき、ある人からコメディアンにならないかと言われ、五年ぐらいコメディアンの勉強をして、喜劇の王様森川信一座で相方と知り合い、たくさんの人との出会いがあって、そしていろんなことを学びました。  それより、キャリア教育、区が取り組もうとしている現状についてもう少し教えてください。 ◎滝上 教育研究・研修課長 教育委員会では、各学校が工夫して取り組んでいるキャリア教育を社会とのつながり、生き方に関すること、地域の連携など、カテゴリーごとにまとめて紹介いたしました。各学校においてはそれらの内容を参考としながら、SDGsなどの社会課題に関する取組や地域との連携、児童生徒が主体となった学校行事の企画運営などを行い、これからの社会で必要となる力を育んでいます。  また、取組の成果として国が実施しております意識調査にも表れており、学習したことが将来の役に立つと思いますか、将来の夢や目標を持っていますかの質問に、当てはまると回答した児童生徒の割合が昨年度よりも高くなりました。キャリア教育は、職業に就き、自立することだけを目的にしているのではなく、子どもたち一人一人が思い描く未来を実現し、自分らしく生きていけるための教育であり、区内の尾山台小学校や富士中学校、三宿中学校の実践が好事例として文科省のリーフレットに紹介されました。 ◆青空こうじ 委員 なるほど。キャリア教育というのは将来の職業を決める教育ではなく、一人一人の思い描く未来を実現していくためのものなのですね。そのためには、小学校から中学校、中学校から高等学校、進学したり、就職したりするときだけ勉強すればいいというわけではなく、小学校の低学年の頃から継続的に取り組んでいく必要もあるかと思います。  また、世田谷区はたくさんの学校もあることから、いろいろな取組ができそうですが、これからのキャリア教育の方向性についてもう少し教えてください。 ◎滝上 教育研究・研修課長 本区が推進するキャリア教育をさらに充実させていくには、学校の中だけで展開するのではなく、地域や社会とのつながり、様々な人々と様々な場面で触れ合い、学びの意欲を高めていくことが重要と考えます。教育センターでは今、大学や企業等との連携体制を構築しており、今後、学校のニーズを聞き取りながら、様々な職業の方や大学生との交流など、学校のキャリア教育の充実につながる人材や体験場所等も紹介してまいりたいと思っております。  引き続き、本区のキャリア教育の一層の推進を図ってまいります。 ◆青空こうじ 委員 ありがとうございます。私は、キャリア教育というのは、たくさん勉強して、将来偉くなるためのものだと思っていましたが、これはちょっと間違っていました。キャリア教育というのは何だかすばらしい取組なんですが、世田谷区の未来が明るくなってきたような感じもします。私の考えるキャリア教育というのはちょっと間違っておりましたが、ぜひ学校での工夫した取組の支援をこれからもお願いして、私の質問を終わります。 ○宍戸三郎 委員長 以上で無所属の質疑は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午前十一時五十八分休憩    ──────────────────     午後零時五十分開議 ○宍戸三郎 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  自由民主党、どうぞ。 ◆河野俊弘 委員 それでは、午後の自由民主党世田谷区議団の文教領域の質疑を始めさせていただきます。  私からは、初めに、タブレット教育、ICT教育全般について幾つか聞いていきたいと思います。  タブレットが導入されて、もう定着をしているというところですけれども、まず、保護者の方からちょっと懸念の声が様々届いている中で一点目に聞きます。タブレットの適切な利用というところで、保護者による管理ができないかというような声が届いています。保護者の方から、例えば子どもがユーチューブを際限なく見ているだったりとか、学習とは関係のないようなサイトを見ているとかいうもの、あとはそういった見ている時間が長いことによって、視力の低下を心配する声であったりとか、そういう意見が届いています。そういった中で一律の制限というのはよくないというふうにも思うんですけれども、保護者の考えが反映できるような、iPadですので、ペアレンタルコントロールなどができるようにならないかということをまず初めにお聞きします。 ◎齋藤 教育ICT推進課長 学習用タブレット端末につきましては、有料サイトや有害サイトなどを閲覧できないようにコンテンツフィルタリングを行っていますが、児童生徒が多様な情報にアクセスして主体的に学びを広げられるよう、使用制限をなるべく少なくする設定をしております。  一方で、家庭で子どもが動画等を見過ぎているので、利用を制限してほしい、保護者が家庭内の話合いの下に利用ルールが実現できるように設定を見直してもらいたいといった御意見もいただいております。GIGAスクール構想の下に導入した学習用タブレットは、一年半を超え、学校においては、日常的に利用するなどの導入の効果や、さきに御説明しました保護者からの御意見などの課題も見えてまいりました。  今後、委員の御指摘のとおり、一律の利用制限を設けるのではなく、家庭内の話合いを踏まえ、家庭で決めた利用ルールが実現できる機能の提供などを検討してまいります。 ◆河野俊弘 委員 家庭それぞれのルールというのももちろん大事だと思いますので、そういった機能をしっかりと拡充するようによろしくお願いします。  続いて、他会派からもちょっと質疑があったので簡潔にお聞きしますが、通信環境の整備状況について改めて確認をしたいと思います。  普通教室と一部特別教室等ではつながるようなんですけれども、音楽室だったりとか図工室、あとは体育館だったりとか、やはりつながりにくいような状況があるという声を聞いています。先ほどモバイルルーターを使って対応しているという話もあったんですが、やはりそういったところも、Wi―Fiのアクセスポイントがないと、子どもたち一人一人がしっかりつながる環境を整備していくことが重要だと思うんですが、いかがでしょうか。 ◎齋藤 教育ICT推進課長 区では、学校内で円滑なインターネット接続を可能とするために、令和二年度に高速大容量のインターネット回線を全校整備するとともに、全ての普通教室、特別支援学級の固定級教室を中心に常設Wi―Fiアクセスポイントを整備しており、児童生徒は常設インターネットの接続が可能となっています。また、理科室や音楽室などのいわゆる特別教室では、授業等の必要に応じて利用可能なWi―Fiアクセスポイントを持ち運び、利用しています。一方で、体育館や校庭にはWi―Fiアクセスポイントが整備されていないため、インターネット回線接続機能つきのモバイルルーターを持参することでインターネットへの接続が可能になります。  今後、特別教室や体育館へのWi―Fiのアクセスポイントの計画的な整備について検討してまいります。 ◆河野俊弘 委員 ぜひ拡充していただくように要望いたします。  続いてですけれども、以前もこれは聞いているんですが、今言った教育環境の整備とともに、教育内容についても、区内小学校は六十一校、中学校は二十九校、九十校全体それぞれに格差があってはならないと。例えば小学校が六十一校あるというのは、数としてはもちろんかなり多い。世田谷区の人口から見ても一番多いのではないかと思いますけれども、そのネットワークを生かし切れていないというのを私は非常に感じていて、それをもっと生かしていけば、教育内容の充実だったりとか、あるいは教員間での好事例の共有などについても、今後しっかりと行うべきだということを言い続けてまいりました。現状について確認をします。 ◎滝上 教育研究・研修課長 学校ではICT環境を生かした他校等との連携方法として、チームズやズーム等を活用して、互いの考えや意見を交流しております。具体的には、区内の研究校のグループや教科ごとの研究会のグループなど、複数の学校の教員同士で定期的に情報交換を行っております。  教員においては自身の授業実践を紹介したり、互いに質問し合ったりするなど、指導力の向上に努めております。  子どもたちにおいても、ICT環境を通じて学び舎単位で子どもたち同士交流を行ったり、中学校で行われている生徒会サミットではチームズを活用して発表テーマについて意見交換をしたり、プレゼンテーション用のデータを協働で作業したりするなど、ICTを活用しての他校間の交流、連携が行われております。  今後も、ICT環境を生かした他校等との連携について様々な方法を試み、学びの充実を図ってまいります。 ◆河野俊弘 委員 教員間のみならず、子どもたちの学習に関しても共有がなされているという話がありましたけれども、これも私は以前から言っていて、例えば夏の自由研究であったりとか、あるいは展覧会の成果物。子どもたちが作ったそれぞれの成果は、しっかりと他校の状況まで確認ができるような形が望ましいのではないかということを私は伝えてまいりました。プレゼンの発表だったりとかも大事ですけれども、ひとつそういった部分。やはり個人情報の問題であったりとか、それは匿名でも私は構わないと思います。同じ研究内容で類似しているものを集めて、同じ研究だけれども、A、Bと出来上がったものがこういった形で違うんだとかという気づき、子どもたち自身がそれを見られるような形をしっかり取っていくということが大事だとも思いますので、ぜひ進めてください。  続いて、関連してですけれども、ICTの環境、子どもたちがタブレットを持って、自分の息子も今小学校四年生で、タブレットを使ってやっていますけれども、キーボードつきのタブレットですよね、iPad。そのタイピングについて、ネットのフリーソフトで、寿司打とか、タイピンガーZとか、様々なサイトがあって、そういったところで遊びながらやっているんですけれども、大阪府枚方市のほうでは、近隣区だと足立区でも調べたらやっているんですけれども、タイピング大会を教育委員会主催で実際にやっているんですね。そのタイピングのスコアデータ、画面をスクリーンショットして、得点の状況であったりとか、その速度、正確性とかがスコアで出ますので、それを投稿して、集約してやっていると。面白いんですけれども、小学校低学年の部、小学校高学年の部、中学校の部、あと教職員・保護者の部と四部に分かれて成績を集めていて、ネットで二か月間くらいのクールで随時集計して、教育委員会のサイトで途中経過まで見られるんですね。ぜひそういった部分を進めていくことが、先ほど言った成果物の共有じゃないですけれども、そういったことが子どもたちの自己肯定感であったりとか、そういった部分にもしっかりつながると思うんですけれども、実用として世田谷区でも活用されてはいかがと思うんですが、いかがでしょうか。 ◎滝上 教育研究・研修課長 各学校においては、タイピング能力の向上に向け、ゲーム性のあるアプリを活用するなどの取組を行っており、児童生徒はタイピング練習に意欲的に取り組んでおります。令和三年の十二月に実施しましたICTの操作スキルについてのアンケートでは、キーボードで文字を打つことができると回答した児童は、小学校一・二年生で約五五%、小学校六年生から中学生においては約九五%という結果が出ており、児童生徒のタイピング能力は確実に身についてきております。  また、アンケートでは、プログラミングやプレゼンテーション、ビデオ会議のアプリの活用などについても多くの児童生徒ができると回答しており、様々なICTスキルが高まっていることが確認できております。  教育委員会では、区立中学校の生徒を対象に、自然科学、科学技術に関する自由研究を募集し、その研究や発表を通して中学生の同分野への関心を高め、学ぶ喜びや意欲を育てることを目的に、毎年ガリレオコンテストを開催しております。第十三回となる今年度は、STEAM教育の観点からプログラミング部門を新設し、生徒のICT活用力に関する発表会を計画しております。  今後、今年度の成果や課題を踏まえ、子どもたちのICT活用に対する意欲や自己肯定感の向上につながる取組について検討してまいります。 ◆河野俊弘 委員 こういった取組が教育委員会の名前を広める部分のきっかけにもなると思いますし、世田谷区はこういうことやっているんだ、教育委員会はこういうことをやっているんだということを子どもたち、あるいは世田谷の保護者の方々にもしっかり知ってもらうきっかけとしてさらに広まっていく可能性があると私は思いますので、しっかり進めていただきたいとも思っております。  ぜひ委員の皆様も枚方市教育委員会のホームページを見てみてください。タイピングトップの子どもが実際に打っている動画とかも上がっていて、非常に速いんですよね。こういったことは実際にキャリア教育とか、そういった部分にもちろんつながると思いますし、実社会に出たときにタイピングの能力は高いにこしたことはないとも思いますので、しっかりと進めていただきたいと思います。  続いてですけれども、近年の酷暑対策についてということで伺いたいと思います。  今はもう涼しくなりましたけれども、今年の夏も本当に暑くて、これは一般質問だったりとか、様々な機会で言われておりますが、プールの授業については、夏季のプールであったりとかというのも、暑過ぎて入れないような状況が続いておりました。地元の学校でも二、三回くらいしか入れなかったとかという話も聞いていて、状況としては本当に厳しい状態なんだなと。やっぱりプールに入れる環境をどうしたらつくれるのかというのをしっかり考えていかなければならない。もしくは、そもそもの問題ですけれども、今はもう屋外のプールというのは厳しいのかな、今後、新しい学校は室内に造らなくちゃいけないのかなとも思うんですけれども、まず今ある環境をどう改善していくかということで一つ提案したいと思います。  今日、委員のお手元のタブレットのほうには画像のデータをパネルデータということで入れさせていただいているんですけれども、プールの日よけ、温度上昇の対策ということで実際に導入されている①のほうのパネルですけれども、これは佐賀県鳥栖市のある小学校で実際にやっておられる例です。これを見ていただくと、プールの上にネットがあります。もう一つの②のほうは大阪府箕面市で、このネットは皆さんも見たことがあるかと思うんですけれども、農業用の遮光ネットなんですね。さきに言った佐賀県鳥栖市のほうは地元のPTAが有志で集めてやったんですけれども、②の大阪府箕面市のほうは、区の教育委員会で予算を取って、しっかりと区の整備方針としてやっています。非常に効果があるということで、今まで世小Pのほうからも教育条件整備要望書などで屋根をつけてほしいというのがずっと出ていて、それは建蔽率の問題でなかなか難しいという実情があったんですけれども、ネットであれば建蔽率も食わないですし、日よけの対策、もしくは水面に幕を張るような作業をしている学校もあるようで、その点について、実際に導入して、暑さ対策にも、日焼け防止にもなりますし、やる意味が非常にあると思うんですけれども、いかがでしょうか。 ◎青木 教育環境課長 教育活動における熱中症事故防止の観点から、近年は外気温や暑さ指数を確認しながら水泳授業を中止するケースが増えてきております。これまでも熱中症対策として、プールサイドに後づけのひさしを設置した学校もございますが、台風等の強風時におきましては、ひさしが飛散した事象が発生したことからも、後づけでプール全体を覆う方法はさらに安全性への問題があるものと認識しております。  御提案いただきましたプール全体を覆うメッシュシートの設置につきましては、シート自体を支える方法やシートを固定する箇所の強度などの課題、また、プール水面に蓋等をつける内容につきましても、固定方法や材質によっては教員等の負担にもつながるため、ハード面、ソフト面での課題があるものと考えてございます。  なお、プールの水はろ過器を循環して使用しておりますが、学校によりましては、新たに水を補充してプールの水の温度を下げるなどの対策をしてございます。引き続き、御提案いただきました他自治体の事例も参考にしながら、よりよい対策を検討してまいります。 ◆河野俊弘 委員 教員の負担もということもあるんですけれども、夏の期間、メッシュで風の影響なども受けにくいということもあるかと思いますし、非常に検討する余地があるんじゃないかなとも思います。②のほうに関しては、よく画像を見ていただくと、既存のひさしの屋根につけているような状態になっていまして、特別何か追加で柱を立てたりとか、そういった必要もないんですよね。これは非常に軽いものですし、風の影響も受けにくいということで、実用性が非常にあると思いますので、ぜひ導入に走っていただきたいと思います。  暑さ対策についてということで、今プールの話もしたんですが、やはり体育館の状況についても、新校でできた学校などは非常に効きがよかったりとか、後づけでつけた小学校についてはちょっと効きが悪くて、換気もしている状況から、なかなかエアコンが効かないんだというような声も聞いております。体育館のエアコンの運用についてということで聞きたいんですが、とある学校でお話を聞くと、二十六度の設定から変えていないだったりとか、あるいは授業で使う前の予備運転ということで、始まってからつけるのではなくて、事前につけておく、あるいは大型扇風機との併用などもしっかりと行うべきだというところで、きちんとした運用基準を持って、周知がされていない部分があるのではないかということの懸念があります。この点についていかがでしょうか。 ◎青木 教育環境課長 体育館の空調設備につきましては、令和元年度から二年度にかけまして、全ての小中学校に整備を行ってまいりました。委員お話がありましたとおり、学校によっては、体育館の面積や構造等の様々な違いがあることから、十分に温度が下がらないといった声も一部からいただいているところでございます。空調設備の日常の運用につきましては学校に担っていただいておりますが、コロナ禍においては、窓開け換気を行いながら空調設備を使用していることから、空調の効率がさらに落ちるため、児童生徒の健康を第一に柔軟に運用いただくよう、各学校の運用状況を確認し、周知徹底してまいります。 ◆河野俊弘 委員 ぜひその周知徹底というところをしっかりと進めていただきたいと思います。プールしかり、また、体育館しかり、年ごとに暑さが増している状況です。そこで、特にプールについては、できなかったということでそのままにするのではなくて、一つ一つ対策を考えられる部分を進めていただいて、保護者もしくは、もちろん児童生徒の安心安全な学校環境づくりに努めていただきたいと思います。  続いて、学校内での感染症対策というところで一点お聞きします。  これも使っている学校と使っていない学校が分かれてしまっているということも聞いているんですが、パーティションです。今、自分の委員席の目の前にもこういうアクリルパネルがあるんですけれども、学校で使っているパーティションはこんな立派なものじゃなくて、要は透明なクリアファイルみたいな素材で三方を覆ってやっていて、ちょっと触れると落ちてしまったりとか、あるいは給食の時間とかにも使っていたりというところでちょっと汚れてしまったりとか、逆に不衛生だみたいな声もあったりとか、それは実際、運用的には最初全校でやっていたかなと思うんですが、気づいたらもう既に使っていない学校もあったりとか、そういう状況なんですけれども、今現在の運用方法というのはどうなっているのか、確認します。 ◎山下 学校健康推進課長 御質問のパーティションにつきましては、令和二年三月に全国一斉で行った学校の臨時休業後、六月からの学校再開に合わせ、授業中や給食時の飛沫防止用として全児童生徒分を各学校に配付したもので、配付から二年以上が経過し、場面に応じてパーティションの使用を継続している学校がある一方で、使用していない学校もあると認識してございます。  現在、教育委員会では各学校にパーティションの使用を積極的には求めておらず、例えば給食時に黙食を徹底しているなど感染対策を徹底していると判断できる場合は使用する必要はないとし、その旨を学校に周知しております。  なお、継続して使用している場合には、新一年生には学校の予算で購入したものを配付するなど、必要に応じて各学校で追加購入などの対応を行っております。 ◆河野俊弘 委員 必要に応じてということで、追加購入している件もあるということなんですけれども、給食時の話もされていたんですが、食育の観点からすると、やはりなるべく自然な環境で食事をすることが望ましいというふうには私個人的には思っております。今後のパーティションの取扱いについて、やめる方向なのか、一定の方向性をしっかり出して、一律に同じ環境で食べられるようにしていくべきだと考えるんですが、いかがでしょうか。 ◎山下 学校健康推進課長 現在、パーティションの使用は、校内の感染対策を踏まえ、各学校が判断しておりますが、現在は飛沫感染だけでなく、エアロゾル感染にも十分注意し、特に換気の重要性が増していることから、パーティションの取扱いについては改めて整理すべき時期に来ているものと認識しております。  今後、学校の使用状況や現場の意見を確認し、取扱いの方向性をまとめてまいります。 ◆河野俊弘 委員 取扱いの方向をまとめていくということですけれども、やはり今しっかりと窓を開けて換気だったりとかもされていますし、日常的に給食のときは黙食であったりとか、あるいは黙食も距離を置いていれば、ある程度しゃべったりする時間というのも、自然な形で御飯を食べるというのが私は非常に重要だと思いますので、その部分は現場の意見も聞いて、しっかり進めていただきたいと思います。  私からの最後の項目になりますけれども、警備体制の充実についてということで聞いていきたいと思います。  こちらについては、よく学校の正門の前に警備員の方が立っていらっしゃると思うんですけれども、実際に学校へ出入りする機会とかにいない時間があったりということもあって、これも地域の保護者の方、何人からか、今の御時世、聞くに堪えないような非常に悲しい事件が起きてしまったりとか、子どもが被害に遭うケースなど、様々ニュースとかでも目にする機会が多くなることは本当に悲しいんですけれども、もちろん子どもたち自身の危機意識も高めていかなければいけないし、そういった心配をする保護者の方々の声から、こういった部分でちょっとでもそういった学校の状況が見えると心配の声というのが出ていて、実際にその警備状況について強化ができないのかという部分もあるんですが、現状どのような警備体制を取っていらっしゃるのか、確認します。 ◎前島 学校職員課長 現在、区立学校の昼間時警備につきましては、基本的に月曜日から金曜までの週五回、小学校に午前もしくは午後の半日、警備員を配置するとともに、中学校の通学経路に登下校の時間帯に警備員を巡回させております。 ◆河野俊弘 委員 今伺うと、午前、午後と分けてということで、やっぱりいない時間があるということなんですね。先ほど言ったように世田谷区は学校の数が多いですから、それなりに予算もかかる話だとも思いますが、そういったお金の問題じゃなくて、しっかりと安心して通える学校の環境をつくっていくことが大事だとも思いますし、昼間の警備時、午前、午後では十分ではないというような声が出ている以上、やっぱり充実の声というのにしっかりと応えていくべきだと思うんですけれども、区の見解はいかがでしょうか。 ◎前島 学校職員課長 学校に制服を着用した警備員を配置されているということにつきましては、不法侵入などの犯罪に対する抑止力、抑止効果があるものと考えております。一方で、警備員の配置のほか、学校施設内及び登下校区域内での防犯カメラの設置とか、携帯用防犯ブザーの貸与、配付など、また、教職員を対象とした学校防災訓練や家庭や地域と連携したセーフティー教室実施など、ハード、ソフト両面での安全安心に係る様々な取組を行っているところと考えております。  今後も警備体制の充実も含めまして、より効果的かつ効率的な安心安全の学校づくりに取り組んでまいります。 ◆河野俊弘 委員 地域だったりとか保護者の方々から不安な声が届いているということを真摯に受け止めていただきたいと思いますし、しっかりとそういった警備体制の充実は、警備員に頼ることももちろん大事かと思うんですけれども、先ほど言ったようにICTの環境とかもしっかり駆使したりとか、あるいは地域の目を借りる何か方策だったりとか、様々な部分があると思うんですけれども、それは、例えば皆さんお手持ちのスマートフォンであったりとか、そういった部分を活用して、みんなで安全を守り合うような地域社会をつくっていただくような促しを教育委員会にもぜひ図っていただきたいと思いますし、そういった声をしっかり受け止めて、これからも進めてください。  石川委員と替わります。 ◆石川ナオミ 委員 それでは、続けてまいります。
     先日の違う所管質疑で我が会派の山口委員がアントニオ猪木さんのお話に触れていらっしゃいました。先日惜しまれて亡くなりましたアントニオ猪木さんですが、数々の名言を残していらっしゃいます。もう皆さんも御存じかと思いますが、その名言の中でも私が一番気に入っている言葉なんですけれども、子どもに夢を持たせたければ、大人こそ夢を持てということなんですよね。そうなんです、本当にそうだなと。夢はいつでも持ってもいいし、大人でも持つものとも思います。  実は私の活動している地域に御年九十七歳の高齢者の方がいらっしゃって、この方、最初、東京オリンピックを見るまで元気にいるということ。そしてもう実現をしました。次の夢はリニア新幹線に乗ることが夢ということで、そうした夢があることによってお元気に過ごすこともできる、それが生きる源にもなっているというようなことでもありますよね。  ところが、今やこうした夢を持つことを見失いやすい時代だということもございまして、だからこそ、大人が夢や、そして、人生を楽しんで生きている姿を子どもたちに見せていくということが必要なんだろうなということを改めて感じております。  さあ、そこで、教育長に伺いたいと思います。教育長の夢、ずばり何でしょうか。 ◎渡部 教育長 今、何と答えようかと物すごく悩んでいるんですが、真面目に答えたところでいくと、やはり世田谷の子どもたちが幸せに暮らしていけることです。先ほど委員のほうからもお話があったとおり、やはり夢を持って、その夢に向かって進んでいる子どもを一人でも多く育てたいということです。 ◆石川ナオミ 委員 事前にこの質問をすることを申し上げていなかったところ、真摯にお答えいただきましてありがとうございます。そうなんですよね。こうした夢につながっていくということにおいては、学び、教育というところに非常に関わることでございまして、私、先日来から、リカレント教育ということなども大切ですよということを第三回定例会などでも取り上げさせていただきました。  なぜこのリカレント教育が大事なのかということにちょっと触れさせていただくと、これまで日本の社会というのは本当に年功序列制であったりとか、終身雇用というようなメンバーシップの働き方だったのが、スキルを持って仕事に就いていくようなジョブ型に変わってきているという、これも雇用情勢の変化が見えてきたということなどもあります。また、生産年齢人口が減少してきているということですとか、政府も人への投資というようなことを再三にわたって言われてきているところでもあります。人的資本の最大化ということがこれからはトレンドになってくるのかなということを感じております。だから、いつでも学んで、そして夢を描いていくことができる。キャリア構築もこれからは大きく変わってくるんじゃないかなということを感じております。  そこで、これからの新しいキャリアの概念、プロティアンキャリアというものが今注目されてきているところでもあります。キャリア論といいますと、いろんなキャリア理論がありまして、例えば有名なのがクランボルツの提唱した計画的偶発性理論、プランド・ハップンスタンス・セオリーとも言われておりますけれども、偶然の出来事がキャリアを左右するということで、個人のキャリアは八割が偶然から生まれている、つくられている、待っていては駄目です。もうチャンスはいろんなところにあるから、とにかくチャンスを手にするように動いていきましょうというような考え方がこのプランド・ハップンスタンス・セオリーなんです。  この理論とよく反対、対照にされているのがエドガー・シャインが提唱しましたキャリアアンカーという考え方です。キャリアをアンカー、船のいかり、アンカーというようなイメージを持たれているんですけれども、不動のもので、個人の内面に起きる価値観ですとか欲求というものは生涯変わることがないですよ、不変なものだよということで、基本的に大切に思っているものは変わらないというキャリアアンカーという考え方なんです。  こうしたキャリア理論というのは、私も以前にキャリアコンサルタントをしていたときなどは、こういう考え方の下にいろいろなアプローチをしていくものなんですが、そこで、こうしたプロティアンキャリアというものが新しく登場してきたということなんです。ですから、キャリア概念も時代とともに変わってきているところがございます。  このプロティアンキャリアというのは、そもそも一九七六年にダグラス・T・ホール教授が提唱したものでございまして、簡単に申し上げると変幻自在。もうどのような形にでも変わっていけるということで、混沌としたこれからの社会というのはVUCA時代とも言われていますけれども、先行き不透明で、なかなかキャリアを描いていきにくい。だから、形を変えていくようなキャリア観が求められているようなところもあります。  こうしたところで、これからの日本人のキャリア観というのは大きく変わっていくであろうことでしょうし、そして、学校におけるキャリア教育もいろんな形で変えていかなければいけないんじゃないかなとも思っております。そう、人生百年時代、アフターコロナを力強く生きていくということで、子どものうちからこうしたキャリア観を身につけていく、培っていくということが大切なんじゃないかなと。親がしてくれるのではない、学校がしてくれるのでもない、会社がつくってくれるものでもない。自分で律して、自分を自律させて描いていくものなんだということがこれからは求められてくることなんだと思います。  さあ、そこで伺いますが、キャリア・未来デザイン教育としてもキャリア教育に力を入れています世田谷区でありますが、現在の取組状況はいかがでしょうか。また、子どもたちのなりたい職業が、かつて一位はユーチューバーでしたというようなことで、やはり子どもたちの職業観もどんどん変わってきているという中で、子どもたちの職場体験の在り方もこれからは変わってくるんじゃないかなと。子どもたちの興味関心、好奇心が湧くような職場体験をさせてあげるということも必要になってくるんじゃないかなと思います。子どもたちの選択肢が広がる職場体験についても併せて伺います。 ◎井元 副参事 現在、各学校では、キャリア・未来デザイン教育の中で、地域と協働したキャリア教育を行っております。区教育委員会では、児童生徒と社会、地域、大人、未来をつなぐ機能を目指し、小中学生が地域や社会のことを学ぶためにボランティア活動や職場見学、職場体験を自由に何度も体験できる仕組みである世田谷区子どもハローワークの立ち上げについて検討しているところです。子どもハローワークでは、児童生徒が働いてみたい職場を選び、自分で申込みをすることなど、子どもたちの主体性や責任感などの育成を目指しております。  教育委員会といたしましては、今後も引き続き、児童生徒が自己の理解を深め、望ましい勤労観、職業観を身につけることができる工夫を進めていくなど、キャリア教育の一層の推進に取り組んでまいります。 ◆石川ナオミ 委員 子どもたちが仕事を選んでいく、見つけていくというところで、いろんな会社に訪れたりとか、いろんな人との出会いというようなことで、そこからキャリア観を育成していくというようなところで、これは非常に大切なことなんだろうなと私も思います。プロティアンキャリアということの大切な三つの柱がありますけれども、プロティアンキャリアは、社会関係資本というものをまず培っていくということ、ビジネス資本、それから経済資本という三つの資本を蓄積していくことが大切と言われていますが、まさにこの社会関係資本というところにおいては、子どもたちがいろんなところに出向いて、いろんな人と出会って、まさにそうしたいろんないいものを蓄積していくということにおいては、将来にわたって非常に大切なものが培われていくなということを改めて感じます。ぜひそういったところも進めていただきたいと思います。  ところで、その社会関係資本という観点で申し上げますと、今、私が活動させていただいている船橋にあります中学校などでは「まなBASE」を中心といたしまして、大学生が中学生にチューターとなって勉強を教えてあげたり、勉強だけではなくて、部活動の悩みであったり、日頃の生活のいろんな不安要素、不安なことを大学生に相談して問題解決していくというような取組をしています。これもすごくいい取組だなと感じております。また、大学生同士の交流の場でせたキャンというものも立ち上げておりまして、こちらも小中学生との関わりの中でいろんな交流が深めていけるんじゃないかなと思います。  さあ、そこで、キャリア教育においては、大学生の活用、大学生との交流についてはどのようにお考えでしょうか、見解を伺います。 ◎滝上 教育研究・研修課長 教育委員会としましては、より質の高い教育を実現するために、地域との連携を一層推進することで、様々な人々と関わり、自己の生き方を見詰め直したり、将来への希望を抱くことができると考えております。子どもたちは、年齢の近い大学生との関わりを通して身近な将来像に触れ、また、人生の先輩としてのアドバイスをもらいながら、自分の夢や将来を具体的に描いていくことができると考えます。これまでも大学生と子どもたちの交流をより深めるため、小中学生に関わりを持つ大学生のグループ、せたキャンが積極的に活動し、そこで開催される研修会には多くの大学生が参加しております。現在、教育総合センターでは、区内大学との連携について、その仕組みづくりを行っております。  引き続き、大学生と子どもたちとの交流を推進するとともに、各学校のキャリア教育の充実に向け取り組んでまいります。 ◆石川ナオミ 委員 そうですよね。世田谷は本当に大学も多いですし、学校数も多いというところも併せて、やはりそうしたところから世田谷ならではの教育観が、キャリア教育ができるんじゃないかなとも思っております。また、大学生という斜めの関係といいますか、大人でもなく、家族でもなくというようなところからの距離感が非常に、小中学生にとっても何でも相談ができるという関係性が築いていけるんじゃないかなと思います。  このキャリア教育は単なる職業観を持たせるというだけではなく、自分自身を見詰めていくということでもありますし、冒頭教育長にも伺いましたが、自分自身の夢を描いていくということ。必ずしも夢を持たなくてはいけないということではなくて、夢を描くことによって、また目標があったり、進むべく道というものが決まってくるということもあろうかと思います。そうした夢を持つということでは、キャリア教育の中で子どもたちの夢づくりというものをサポートしていけたらなとも思います。  他の自治体では、民間のファシリテーターを導入して、子どもたちの夢づくりということを授業でも取り入れていると伺っております。実際に世田谷区としても、このキャリア教育に新たな取組といたしまして夢づくりという授業を取り入れてみてはいかがでしょうか。見解を伺います。 ◎滝上 教育研究・研修課長 先が見えない現代社会の中で、夢を描き、前に進んでいくには、子どもたち一人一人が夢について思い描き、その夢を実現していくためのロードマップを考えていくことが必要であり、そのためには、ロールモデルとなり得る多様な人々との出会いが必要であると考えます。教育総合センターでは、子どもたちが様々な人々との出会いの中で夢を持つことができるよう、学校のニーズも聞き取りながら必要な人材を紹介してまいります。また、子どもたちがそれぞれに思い描く未来を実現する人に成長できるよう、委員のお話しにありましたような夢授業の試行につきましても検討してまいります。 ◆石川ナオミ 委員 キャリア教育ということに関しましては、いろんな角度から取り入れていく、取り組んでいくことができるかと思いますので、ぜひ力を入れてお願いしたいと思います。  では続きまして、食育について伺ってまいります。  先日三年ぶりに地域の例大祭が行われて、そして、全行程ではないんですけれども、おみこしを担ぐことなどもできました。やはり今までなかったからこそ、中止になっていたからこそ、地域の行事があることは大切だなということを改めて感じました。こうした地域行事、伝統をつないでいくということは、子どもたちにもぜひ感じていただきたいところでもあります。  そして、こうしたお祭りというのは、食ということについても文化が息づいているところがあります。例えばお祭りが終わった後に直会というのがありますけれども、これは神様にお供えをした食事や食べ物やお神酒を参加した者たちが頂くことで神様と人とが一体になるというような、神様の御加護を期待して参加者が懇親を深めるという意味合いもあるということですよね。私たちはこうした伝統、地域行事の文化の中にも、食を大事にしている、食からいろいろと学ぶというようなこともあります。  また、こういう地域コミュニティーの中には必ず食文化というものがあるということなんですよね。この食ということに対しての食育なんですが、平成十七年に制定されました食育基本法におきましては、子どもたちが豊かな人間性を育み、生きる力を身につけていくためには、何よりも食が重要であるとしております。食育は、知育、徳育、体力の礎になるものですから、本当にこれは基本中の基本のキのところでもございます。  そこでまず、改めて伺いますが、区の公教育の中での食育というのはどのようにされているでしょうか。 ◎井元 副参事 食事には、健康な体をつくったり、食事を共にすることが人間関係を深めたりする役割があるなど、豊かな人間性を育み、生きる力を身につけさせていくために食育は大変重要であると認識しております。食育に関する指導について、学習指導要領においては、体育科、家庭科及び特別活動はもとより、各教科、道徳科、総合的な学習の時間などにおいても、それぞれの特性に応じて適切に行うよう努めることと示されております。これを踏まえて、各学校においては、食育に関する全体計画を作成し、給食の時間だけではなく、様々な授業で工夫しながら指導しているところでございます。  教育委員会といたしましては、食に関する指導について、全体計画に基づいた指導の充実が図られるよう支援するとともに、今後も教育活動全体を通して、児童生徒の食に関わる資質能力が育成されるよう努めてまいります。 ◆石川ナオミ 委員 本当にその食ということ、子どもたちにも大切なんだよということを学校現場の中でも育てていただきたいなと感じます。  実は私、さきの第三回定例会でエコ農産物について取り上げました。これは、午前中、他会派からも出ておりましたけれども、今年の四月に農水省がみどりの食料システム戦略で、有機農地の面積を二〇五〇年までに、現在の〇・五%から二五%、およそ百万ヘクタールに広げるという目標を掲げているというものでございます。そのために、公共調達の出口の一つとして学校給食のエコ農産物の活用が挙げられているところでもございます。  実際にこのエコ農産物を給食に活用している他の自治体の好事例も、たくさん挙がってきております。調べてみますと、例えばある保育園では、園児の年間の欠席日数が十分の一に減ったということですとか、今、非常に多いアトピーのお子さんのアトピーが改善をしたとか、また、中学校では、生徒さんの集中力が上がって、学校を休まずに通うことができるようになった、給食の完食率が上がった、残菜が減ったというような、本当にいろんないい事例が挙がってきております。  これは、私もぜひ取り入れてはどうでしょうかということを区長に問いましたところ、区長答弁でもぜひ前向きに検討していきたいというような御答弁をいただきました。教育委員会も、まずは有機米からということで、来年度から導入をしていくということも御答弁としていただいております。しかし、実際にスタートいたしましても、継続していくということが非常に大事になっていきますけれども、そこにおきましては、今後、財源確保はしっかりできるんだろうかというところ。提案しておきながら、実際は、これは本当にいいものだけれども、財源はどうなんでしょうかというところではあるんですよね。そこについてはどのようにお考えでしょうか。また、調達方法などについても詳しく伺います。 ◎山下 学校健康推進課長 来年度の学校給食での有機米の活用の検討に当たりましては、区立小中学校全校において、年六回使用できるよう予算規模は約一千万円を見込んでおります。その財源につきましては全額区の単費を想定しており、この点につきましては財政所管と調整してまいりたいと考えております。  また、有機米の調達先につきましては、区の学校給食用物資納入事業者登録制度に登録している約百三十の事業者の中から、各学校において米の品質や価格等を比較検討の上、選定し、発注することになります。  なお、昨年度に事業者に対して行った有機食材の取扱いに関するアンケート調査では、五つの事業者が給食に必要な量の有機米を確保できることを確認しております。 ◆石川ナオミ 委員 いろんな自治体から御協力をいただくということももちろんですけれども、やはり地元の農家さんたちのお力もお借りしながらというところは意識をしていただきたいと思います。というのは、やはりこの給食を通じて、地域の産業ですとか自然、伝統文化、また、命の大切さを学ぶということにもつながってくるということもあります。まさに地域とつながっていくということでもあるんですよね。私たち自民党としましても、地元の農家さんたちとの連携をしっかり取っていきたいというようなところで、せたがやそだちの野菜などを給食に導入してほしいということはこれまでにも要望してまいりまして、これは実現をしております。  実際にこれから農産物、先ほども他の自治体というようなお話もありましたが、世田谷区内の農家の方々の農産物を給食等に活用していくような連携を進めていく場合には、やはり都市農業課との連携も必要になってくるという、所管を超えて、横串のというところもあろうかと思います。そうした連携を取りながらというところでもあろうかと思いますが、今後地域の農家の農産物の活用について、教育委員会としてはどのようにお考えでしょうか。 ◎山下 学校健康推進課長 学校給食において地元農産物を活用することは、地産地消や食育、郷土愛を育む観点から有意義なことと認識しており、教育委員会では、JAや農家の御協力をいただき、全校で年に一回は大蔵大根などを使用したせたがやそだち給食を実施することとしております。その際、各学校の工夫により、給食を食べて味わう体験だけでなく、社会科の農業の仕事と区内で作られる農作物を結びつけて学びを深めることや、葉のついた大蔵大根の実物を展示し、大きさや重さを感じてもらうなど、子どもたちの食への関心や食生活を支える方々への感謝の心などを育むよい機会となってございます。  地元農産物のさらなる活用に当たりましては、農家での収穫量や配送などに課題があるほか、農地が少ない地域では学校独自で入手することが難しい状況もございますが、教育委員会といたしましては、学校給食での地元農産物の活用を拡大できるよう、関係所管やJA等と連携を図りながら取り組んでまいります。 ◆石川ナオミ 委員 ぜひ地元の農家さんたち等のお声も聞きながら進めていただきたいと思います。  さて、この中で最後に伺いたいのは未来への投資についてというところなんです。  やはり給食ということにつきましては、未来への投資、何に投資をするかというところでもあろうかと思います。例えば食材にこだわってエコ農産物を活用していくということもそうでしょうし、そして、学校給食を作ってくださる栄養士さんの職場の働きやすさというところなどの環境整備をしていくことも必要でしょう。そして、子どもたちの食環境というところについても、先ほど河野委員からも質疑がございましたけれども、給食の際のもっと工夫するべきことがあるんじゃないかというようなことで、やっぱり質を高めていくということがとても大切なんじゃないかなと思います。  こうした有機米を導入していくということで、非常にうれしいことでございますけれども、やはり財源確保というところでは、これからは非常に課題にもなってくるということが言えるかと思うんです。そこで、給食費の無償化ということにつきましては議論をこれから重ねていかなければいけないところでもありますが、やはり質へのこだわりを進めていくということが重要ではないでしょうか。教育長の見解を伺いたいと思います。 ◎渡部 教育長 学校給食には、栄養バランスの取れた食事を提供することにより、児童生徒の健康の増進、体力の向上を図ることに加えて、食生活を育む判断力やこれからの食生活を養うなど重要な役割がございます。  各学校では、学校給食摂取基準に基づく栄養素を摂取することとともに、肉や野菜、果実類など特定の食材については国内産に限定するなど、献立や食材の選定に工夫を重ね、定められた給食費の中ではございますが、子どもたちに安全安心でおいしい給食を提供できるよう日々努めております。  来年度の学校給食における有機米の使用をきっかけに、有機農産物の使用拡大を引き続き検討し、各学校が多様な食品を活用することにより、豊かな食経験のため創意工夫を重ねられるよう、教育委員会として支援を行い、世田谷区全体の食育の推進に努めてまいります。 ◆石川ナオミ 委員 未来への投資というのは、質にこだわった投資というところをお願いしたいということを改めて要望いたします。  さて、私からの最後は、教員の育成について伺ってまいります。  二〇二一年度実施の全国教員採用試験の倍率が小学校で二・五倍と過去最低を更新したということなんですね。中学校は増えているんですけれども、〇・三ポイント増の四・七倍、高校は一・二ポイント減の五・四倍ということでした。採用倍率が一を超えていても、倍率が下がると教員の質の確保に支障が出ると言われております。教員免許を持っているだけでは教員としての質の担保が十分と言えないということで、採用担当者の方も、少なくとも倍率は三倍は欲しいとおっしゃっているということでございます。こうしたことは全国のデータでもございますが、東京都はどのようになっているでしょうか。御答弁をお願いいたします。 ◎毛利 教育指導課長 今年度の東京都教員採用試験の倍率ですが、小学校全科が二・五倍、中学校は高校と共通の枠になっておりますが、四・一倍となっております。  なお、昨年度は、小学校全科が三・一倍、中高共通が四・五倍でしたので、どちらも倍率が低下しております。 ◆石川ナオミ 委員 この数字についてはどのように受け止めていらっしゃいますでしょうか。 ◎毛利 教育指導課長 教員が選ばれる仕事として低くなってきているというふうに、課題として認識しております。 ◆石川ナオミ 委員 そうですね。本当にお一人お一人、能力を持っていらっしゃっても、なかなかそこが引き出してこられないというようないろんな課題もあろうかとは思うんですね。  先日の日経新聞の記事によりますと、例えば、担任なのに、朝起きられないので出勤できませんと先輩教員にメールを送るですとか、本は漫画しか読みませんと平然と言ってしまう教員ですとか、もう本当に基本的な知識不足ですとか、社会人としての資質の欠如も今問題になってきていると書かれてありました。そして、あるベテラン教員の言葉も紹介されていたんですが、そうした新人の先生を丁寧にフォローする十分な余裕が今、学校現場にはありませんということが書かれてあったんですね。これこそが教員の働き方改革の課題となっていることが浮き彫りになっているなということを感じます。  教員が授業運営や教材、指導法の研究に専念できる環境を整えていくことが大事であるということ。そこで、今こそ教育総合センターの出番でもありますが、どのように人材育成をしていくのでしょうか。御答弁をお願いいたします。 ◎滝上 教育研究・研修課長 教員が時代の変化に対応して求められる資質能力を身につけるためには、既存の知識、技能だけでなく、求められる知識、技能が変わっていくことを意識して、継続的に新しい知識、技能を学び続けていくことが必要であり、研修の機会が重要であると認識しております。現在実施しております教員研修では、新たな教育課題や最新の教育改革の動向等に対応できるように、有識者を招聘したり、幾つかのグループを編成し、教員同士が主体的、協働的に学び、理解を深めたりできるよう、内容や研修形態を工夫しているところです。今年度は、学習指導等に関する研修に加え、教員が社会人としてのマナーを備え、保護者ともよりよい関係を築いていけるよう、接遇の研修も実施いたしました。  教育委員会といたしましては、教員一人一人が子どもたちの学ぶ意欲を最大限に引き出し、質の高い授業を展開できる力を身につけることができるよう、実践的な研修を計画していくとともに、学校や教員のニーズ等も踏まえて、教員自身が意欲的に参加できるような研修の在り方を検討してまいります。 ◆石川ナオミ 委員 現場に合った研修をということ、実は私も、今、現場で校長先生をされていらっしゃる方にお話を伺いましたら、どうしても研修内容が現場に生かされていないというような課題も浮き彫りになっているということが挙がっておりましたので、ぜひとも現場の状況に合わせた研修内容をコーディネートしていくということもお願いしたいと思います。学校現場は本当にいろんな大変なことがあろうかと思います。でも、子どもたちは先生をずっと見ています。先生たちをかがみにしながら、先生たちのようになりたいと思ってもらえるような教員をさらに育成していただきたいなとも思っております。これを改めて要望いたします。  以上で私の質疑を終えまして、山口委員に替わります。 ◆山口ひろひさ 委員 これを言わないと怒られちゃうので、今日は十月十四日ですけれども、何の日か、御存じですか。僕も聞かれて十月十四日、十に、一に、四だから砥石の日じゃないかと答えたら、いや、そういう一部に関連することじゃなくて、もっと国民全体に関連するような日らしいんですけれども、ヒントを言いますと「うーん、どうでしょう?」。では、第二ヒントです。「我が巨人軍は永遠に不滅です」。  時間を取ってもしようがないので、長嶋茂雄さんが引退をした日らしいです。ヤクルトの村上選手が久しぶりに王さんの記録を抜いて、また、三冠王にもなりましたけれども、それ以前、三回だったと思いますけれども、ロッテと中日にいた三冠王を取った落合選手が、実はまだ後楽園球場ですけれども、あの後楽園球場で長嶋の引退試合を見て涙したと。こういったつながりがあって、今のプロ野球もあるのかなと。僕もONでVナイン、本当にずっと悔しい思いをしていましたけれども、一時代をつくったスーパースターです。あの頃のONは本当に有名で、王さんがワンちゃん、長嶋さんはチョーさんと言われていましたけれども、今、教育委員会事務局はこの第二庁舎から離れちゃいました。今、第二庁舎では、チョーさんではなくて、チューさんが大活躍しています。  立憲さんの質疑の中でもちょっと触れておりましたけれども、実は我が会派の控室もチュー害が発生しておりまして、僕、一か月前ぐらいなんですけれども、控室に来て、たまたま引き出しを開けたんですよ。袋に入ったあめ玉が一個ありまして、さりげなく開けて、ちょっと見たら、何か袋が破けて、あめの形がちょっと変わっている。何でかなとそのときは思っていたんですけれども、個人情報ですので個人名は出しませんが、しばらくしてある議員がやってまいりまして、そのある議員も引き出しを開けたんですよ。開けた途端に「何これ!食べられている」、それでネズミに食べられたんだということです。そうすると、私のあめの袋が破れて形が変わっているなというのもネズミの仕業だったのかなと原因は分かったわけです。  またさらにすごいことが、その引き出しに入っていたお菓子なんですけれども、実はゴディバのチョコレートとロッテのチョコレートが入っていまして、ゴディバのチョコレートは完食しているけれども、ロッテのチョコレートは残しているぞと。今、改築していますけれども、あちらはけやきがありましたから、多分かなり舌が肥えているネズミじゃないかなと思うんですけれども、それがこちらに来て、ゴディバはしっかり食べる。違いが分かる男じゃないですけれども、違いが分かるネズミということで、すごいなと思っているんです。  ちなみに、立憲さんのほうではシートでネズミを二匹ゲットしたということで、ライバル心がめらめらと燃えてきまして、今、自民党の控室もチューチュー大作戦を展開しているところです。目標は三匹以上、悪くても二匹。ただ、議員によっては、一匹じゃ駄目なのかと言う議員もいましたけれども、そこは少しでもネズミを捕まえられればいいかなと思っているところですけれども、いろいろ事務局からネズミ捕りシートを頂いたり、委員長から協力していただいて、お店で使う強力なシートも並べているんです。附属の赤い輪っかの餌みたいなものがあるんですけれども、やっぱりゴディバの味を覚えちゃったのか知らないですけれども、もう見向きもしないで、まだ全然引っかからない状況で、私、個人的に、チュー害だけに、中外製薬の何かシートがあればいいんじゃないかなと思いながら中外製薬へ電話しましたら、当社ではそういったものは扱っておりません、番号をよくお確かめになっておかけ直しくださいというお答えだったわけです。  この間、ちょっと委員会の日は忘れちゃいましたけれども、こうしてコロナ対策をしているじゃないですか。今日も少ないですけれども、半分は控室でモニターというか、テレビを見ているんですけれども、音声が全く聞こえない日がありまして、原因がなかなか分からなかったんですけれども、ひょっとしたらネズミがコードをかじっちゃったんじゃないかななんていうふうにも思っていたんです。それはちょっと原因が違いましたけれども、ただ、ネズミがコードをかじったり、そういうことで、火災ですとか、そういった電気の障害というのも起こしまして、あと、衛生的な面で感染症や、また、皮膚炎なんていう原因もあるそうですので、やっぱり何とかしなくちゃいけないのかなと思っています。  今日は教育所管ということでございますので、教育所管の中でチューはないかなと思いましたら、中学校の部活動の地域民間移行というんですか。ちょうどこれがありましたので、このことについてお聞きしたいなと思います。  僕らが小学校から中学へ上がる頃は、中学に行ったら部活動は何をやろうかな、どこにしようかなという感じで中学への進学を楽しみにしていたんですけれども、今いろいろと教育環境が変わってまいりまして、僕らの頃は先生が顧問だというのは当たり前だったんですけれども、そういう中でも働き方改革もあります。教員から地域指導員、また、今回は総合型地域スポーツ・文化クラブや民間のクラブに移行というような話が出ていますけれども、ただ、文教の委員会の中でも聞くんですけれども、じゃ、世田谷の部活動はどのようになっていくんだというイメージがなかなか見えてこないので、まずその点についてお伺いしたいと思います。 ◎加野 生涯学習・地域学校連携課長 本年の六月にはスポーツ庁へ、八月には文化庁へ、それぞれ有識者会議から部活動の地域移行に関する提言がありました。提言では、少子化による持続可能性や教師の働き方改革等の観点から部活動の地域への移行が示されております。このたびの提言の中にもあるとおり、中学校部活動において、生徒の部活動環境や体験機会の充実を図ることは、同時に学校における働き方改革にもつながり、効果があるものと考えます。  区では、区立中学校における地域移行の在り方や方向性、課題解決について、有識者や学校関係者等で構成される中学校部活動の地域移行に係る検討委員会で議論し、世田谷区らしい中学校部活動の地域移行の在り方について検討を進めてまいります。 ◆山口ひろひさ 委員 検討委員会の中で議論をして、世田谷らしい部活動というのをこれから示されてくると思うんですけれども、僕らが学生の頃というんでしょうか、中学生の頃は、自分の学校、母校を背負って大会とかに出ていたイメージがあるんです。こういう中でだんだんそのイメージというのも変わっていくのかなという感じがするんですけれども、そういった大会におけるクラブのイメージ。分かりましたら、どのようになるのか、教えていただければありがたいんですが。 ◎加野 生涯学習・地域学校連携課長 運動部活動の地域移行に関する検討会議の提言によると、現行の中学校の生徒を対象とする大会については参加資格は学校単位に限定され、地域のスポーツ団体等の参加が認められていないものもあるとされております。今後は、地域のスポーツ団体等に所属する中学生が大会に参加する機会を確保することが課題として指摘されております。既に日本中体連では、地域のスポーツ団体等の中学生の全国中学校体育大会への参加を承認することを決定しております。  今後は、各地域において部活動の段階的な地域移行が進み、地域のスポーツ団体等に所属する生徒の増加が見込まれることから、地域のスポーツ団体等からも参加できる大会開催が推進されるものと認識しております。 ◆山口ひろひさ 委員 今は中学校の部活以外にも、僕らが小さい頃から比べたら、今は、野球、サッカー、バスケット、いろんなスポーツのクラブチームというのが地域にあるわけです。子どもたちもいろんな選択ができるわけですけれども、当面は、中学校の状況にもよりますけれども、中学校の部活と、今答弁ありましたとおり、様々なスポーツクラブがそういう大会に登録できるように、また、混在しながら部活動の状況というのは進んでいくのかなと感じています。  ただ、今でも生徒数が少ない中で、例えばあるクラブは一つの学校だけでは成り立たないので、少ない学校同士集まって、A中学、B中学合同で成り立っているクラブもあるわけじゃないですか。それと、こうして地域クラブがまた増えていくと、今までは、学校が終わったら、はい、部活という感じだったですけれども、今度そこには移動という過程がやっぱり出てくるわけですけれども、中学生ですからタクシーを呼んでくれというわけにはいかないと思うので、そうなってくると、手頃な自転車での移動とか、そういうことをまた考えていかなくちゃいけないし、また、民間の地域のクラブが増えるということになってくると、そういう課題というのは出てくると思うんですよ。例えば、そうなってくると、じゃ、登校も自転車を認めなくちゃいけないとか、やっぱりそういう課題というのも考えていかなくちゃいけないと思うんですけれども、その辺についてはどうですか。 ◎加野 生涯学習・地域学校連携課長 部活動の地域移行に伴いまして、今後は、校庭、体育館等の学校施設に限らず、地域の団体や事業者が所有、管理する施設等で部活動が行われることも想定されます。学校または家庭から学校以外の施設への移動につきましては様々な課題があると認識しておりますが、移動の際の様々な課題やルールづくり等につきましては、何よりも安全を最優先として検討を進めてまいります。 ◆山口ひろひさ 委員 その安全というのが第一ですので、その視点を重視しながら、移動ということもやっぱり出てきますので、その辺に十分配慮しながら検討していただきたいと思います。  続きまして、ハロー・エブリーワン。ネクスト・アイ・ウエル・アスク・ユー・アー・クエスチョン・アバウト・ザ・スピーキングテストということで、スピーキングテストについてまずお聞きしたいと思います。  まず、今のスピーキングはいかがでしたか。(「よかったです」と呼ぶ者あり)よかったですか。ありがとうございます。サンキュー・ベリー・マッチ。アイム・ベリー・ハッピーということで、このスピーキングテスト。ほかの会派からも午前中ですか、質問がありましたけれども、今回から都立高校の入試に関連して導入されるということで、十一月にこのテストが行われることになっております。都議会では入試に反映しないようにという条例案が提出をされましたけれども、残念ながら否決されたようです。そういう中で、私たちの会派の何人かの議員も、区内の保護者の方々から、スピーキングテストに関しての話を聞いてもらいたいということがありまして、機会を設けて、いろいろお話を聞かせていただきました。  そのときは学校のほうから説明会とかもありまして、いろいろ質疑をするんですけれども、あまり明確な答えが返ってこない。あと、担任の先生や学校の教員の方に聞いても、あまり明確な答えが返ってこないということが多くて、保護者の方もやっぱり十分に理解をしていない、不安な状況を本当にその当時は抱えていたんでしょう。そんな話がありまして、僕らもその話を聞いたら、もっともだなという部分はあったんですけれども、この辺の導入に関する今までの世田谷区教育委員会としての経緯というのはどうだったんですか。 ◎井元 副参事 区におきましては、東京都から実施する方向で話が参りまして、実施要項等が通知されました。それに基づいて、これまで各学校に周知をしてまいりまして、準備をしてきたところでございます。 ◆山口ひろひさ 委員 準備をしてきたことは分かるんですけれども、都議会では五年前から準備をしているという話だったんですけれども、保護者の方々がこうして不安を抱いて、なかなか理解できていないという部分に関しては、教育委員会としては、例えば保護者の方から問合せとか、そういうことがあったのかどうかは僕は聞いていないので分からないですけれども、その点についてお聞きしたいんです。 ◎井元 副参事 都教育委員会が実施いたします英語スピーキングテストにつきましては様々に報道等がなされておりますが、これまで区教育委員会にも保護者の方の不安や疑問といった声が寄せられたことがございました。そうした声を真摯に受け止めまして、適宜都教育委員会へ情報提供してまいりました。英語スピーキングテストは十一月二十七日に実施することになっておりますので、受験を希望する生徒が円滑に受験することができるよう、都教育委員会に働きかけてまいりたいと考えております。 ◆山口ひろひさ 委員 ぜひ、その辺の、これは受験に関連することなので、こうして保護者が不安を感じる、また、やっぱり十分理解をできる体制を、最初の年度ということもあるのかもしれないですけれども、ただ、都議会に聞くと、五年前から取り組んでいたことだよという返事もいただいていますので、情報提供というのかな、そういうのはしっかりやっていただきたいと思うんです。  それで、もう一つ保護者の方たちが心配していたのは、このスピーキングテストに対応するカリキュラムというのがあるというお話を聞きました。何区かはその対応をしている中で、世田谷区は対応していないというようなお話を聞きまして、これはちょっとハンディキャップになっちゃうんじゃないかなというふうに感じているんですけれども、その辺の実情というのはいかがなんでしょうか。 ◎井元 副参事 英語スピーキングテストは、各中学校において学習指導要領に基づく英語の学習により身についた話すことの力を、客観的に評価することなどを目的として実施されるものとしております。各学校では、日頃の英語の授業において、ALTを活用してスピーキングテストをするなど、生徒が事実や自分の考え、意見を英語で伝え合う学習を積み重ねるなど、話す力の育成に努めているところでございます。  実施主体である都教育委員会によりますと、英語スピーキングテストは、こうした中学校での学習内容から出題され、日頃の学習成果をはかるためのものであると示されており、引き続き、各学校において授業の充実を図ることで生徒の英語で話す力の育成に努めてまいります。 ◆山口ひろひさ 委員 今の答弁を聞きますと、そういう心配はないという理解でよろしいでしょうか。 ◎井元 副参事 そのように捉えております。 ◆山口ひろひさ 委員 このスピーキングテストというのは、ベネッセがやるそうです。どうも最近、このベネッセ系の学習塾に生徒が流れているということで、ある意味、ハイジとクララが別の意味で涙しているという、こういう状況があるようでありますけれども、評価の公平性を担保するというところが非常に難しい。国も共通試験の中で導入をしようということであったんですけれども、やっぱり公平性を担保することが難しいということで、国のほうは一度取下げているんですけれども、そういう部分を意見する方もいらっしゃいますし、感じている方もいらっしゃると思います。  ただ、これは都議会のほうで可決をされましたので、しっかりこういう部分の中で、先ほど答弁もいただきましたけれども、これから、受験に関することですから、保護者の方がやっぱり不安を抱くような、また理解がなかなかされないような形じゃなくて、丁寧に東京都の教育委員会と連携を取りながら、区の教育委員会として情報発信し、取り組んでいただきたいということを要望させていただきます。  次に、学校改築についてお話をお聞きしたいと思います。  我が会派としては、この学校改築は、環境整備もありますし、しっかりと進めていくようにということで、再三指摘をさせていただいております。この計画どおりにスピードアップをしながら進めていくということはもちろんなんですけれども、これからの学校改築に関しても、公共施設もそうなんですけれども、今日、ここは教育所管ですので、学校改築ということに視点を絞らせていただきます。  他会派でも、総括のときにちょっと触れられましたけれども、僕はこれからシェルターの設置というものを、やっぱりしっかりと考えていくべきじゃないかなというふうに思っております。世界の人口当たりのシェルターの普及率、これは、スイス、イスラエルは一〇〇%、ノルウェーが九八%、アメリカ八二%、ロシア七八%、イギリス六七%、シンガポール五四%、我が日本においては〇・〇二%だそうです。  いろいろこの世界情勢が不安定の中で、日本というのは中国、ロシア、そして北朝鮮、いわゆる核保有国に隣接しているわけですけれども、世界の情勢の中では、やはりこうした核の危機感というんですか、そういうのは高く持っておりまして、やっぱりこういう危機に対する備えというんですか、そういうことが実際に進められているんですけれども、日本に関しては全く進められていないんです。このスイス一〇〇%、イスラエル一〇〇%なんですけれども、これは法律で義務づけられている部分もあるんですけれども、スイスなんて考えると、永世中立国ですから、その国が一〇〇%であると、国民に対する危機管理、国民も危機管理が非常に高い国なのかなというふうに思いますし、イスラエルに関しては実際にミサイル攻撃の経験があるということで、最も危機体制というんですか、それが整った国であるようであります。  もちろんシェルターの設置ということに関しては、国の動向とかそういうのもあろうかと思いますけれども、東京都では、今、太陽光発電、これを義務づけるというような検討をしていますけれども、僕は太陽光も大事なのかもしれないけれども、これから、命を守るという観点ではシェルターを義務づけるというのも非常に重要になってくるんじゃないかなというふうに感じています。いろいろ補助金のことやそういう面もあるのかと思いますけれども、これから、世田谷区の学校改築もこういう命を守るシェルターの設置という観点を取り入れながら、やっぱり国に声を発するべきだと思うんですけれども、いかがでしょうか。
    ◎青木 教育環境課長 区内では、全ての区立小中学校が国民保護法に基づき、ミサイル攻撃等を受けた際に爆風などからの直接の被害を軽減するための緊急一時避難施設として既に指定されておりますが、新たに地区会館などの区施設のほか、東急電鉄の地下駅舎や一部の都立高校が指定されました。  世界情勢が緊迫する中、シェルターにつきましては国内での関心が高まっているものと認識しております。一方で、シェルター整備をする場合におきましては、より一層堅牢な施設整備が必要になるものと想定されますが、現在、国からはシェルター整備の考え方が示されておりません。武力攻撃事態などに対する備えとして、どの場所に、またどのような施設規模や機能を整備するのかなど、今後、国等の動向を踏まえつつ、関係所管と連携を図り対応してまいりたいと考えております。 ◆山口ひろひさ 委員 国から示されていないということと国の動向というのは、それは考えるべき部分かと思いますけれども、ただ、本当にこの命を守るという観点からいくと、その動向というのは大事なのかもしれないけれども、学校は避難所でありますよね。避難所でありますので、本格的な核シェルターじゃないけれども、そこまではいかなくても、やっぱりシェルター的な命を守る観点というので導入をするべきじゃないかなというふうに思うんですけれども、その辺のことはいかがでしょうか。 ◎青木 教育環境課長 学校の改築に当たりましては、文部科学省において作成されております学校教育を進める上で必要な施設機能を確保するための計画及び設計における留意事項を示した整備指針などを参考に整備を行っております。この整備指針は本年六月に改定されておりますが、災害に関する内容といたしましては、地震や洪水等の自然災害に対する安全性の確保について示されており、武力攻撃事態などに対する備えに関しましては示されておりません。  一方、これまでの学校改築におきましては、シェルターといわれるつくりではございませんが、学校敷地の形態や建築制限などを考慮すべき学校におきましては、地下階を整備した事例がございます。より一層の堅牢な地下構造物等の整備に当たりましては、建設維持管理経費の増加などに伴う財政負担が懸念されることから、整備方針の改定など今後の国等の動向を踏まえた上で関係所管と連携を図り、対応方法を検討してまいります。 ◆山口ひろひさ 委員 今度、シェルターもそうなんですけれども、学校改築で、学校というのは本当に貴重な地域の公共財産ですよね。いろいろ、今、学校の中では、スペースが足りない等々で非常に御苦労されておりますけれども、例えば、やっぱりそういう状況であるならば、区民の共通財産でありますので、いわゆる学校の建築の容積率の緩和ですとか、そういったことというのをやっぱりこれから考えて、しっかりとした対応できるスペースというのが僕は大事だと思うんですけれども、学校だけだということだといろいろ問題があるんであれば、地域に広げてそういう緩和を考えるとか、これからせっかくお金を使って改築していくわけですから、そういう方向性も考えるべきじゃないかなというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。 ◎青木 教育環境課長 小学校の敷地は必ずしも児童数に応じた敷地面積が確保されておらず、また、近年の児童生徒数の増加や三十五人学級の実施などにより、改築に当たっては必要な床面積を確保するために苦慮するケースがございます。そのため、建てられる規模などの建築制限を緩和することは、柔軟な設計や土地の有効活用が図れることになりますが、一方で、多くの学校敷地の周囲が住宅地に囲まれていることから、周辺住宅地への圧迫が懸念されます。容積率等の変更につきましては、東京都において認可することとなりますが、学校施設の整備を理由として変更することは難しいものと思われます。限られた敷地の中で創意工夫を行いながら、改築計画を検討してまいります。 ◆山口ひろひさ 委員 難しい課題かもしれませんけれども、結局、近隣の住民の方とよく話し合いながら、やっぱり学校施設ということであれば、僕は、非常に地域の方も理解が伴ってくるんじゃないかなというふうに思いますので、ぜひそういう視点も検討しながら進めていただきたいと思います。  それともう一つ、スペースが足りないということで、たまたま非常に教室やスペースが足りないで困っている学校の隣に、教育の施設がある学校があると思うんですけれども、この間、委員会のほうでは、ちょっと事業で開いているスペースがありますけれども、そこは不登校の対策に使うということで、確かに不登校の対策は非常に重要なんですけれども、多分、その以前から隣の学校は声を上げていたんじゃないかなというふうに思うんですけれども、校庭にプレハブを造ってもなおかつ足りないということで、そういう部分の活用というのは、隣ですから検討した経緯というのはないんでしょうか。 ◎青木 教育環境課長 隣に教育の公共施設が立地する学校といたしましては松丘小学校がございますが、児童数の増加や小学校三十五人学級に対応するため、隣接する教育会館の敷地に新BOP棟を整備いたしました。また、施設の活用に当たりましては、児童の移動時間など学校運営に配慮し、既存の科学実験室を理科室として活用できるようにしており、学校の御意見も伺いながら、学校が活用するスペースの検討を行ったところでございます。  学校施設の狭隘化に伴い、近接する教育所管に限らず、区の公共施設の活用につきましては、関係所管課との協議の上、検討を行ってまいります。 ◆山口ひろひさ 委員 最後に一つ、川場村と四十周年の縁組協定になるわけですけれども、ぜひ向こうには優良な木材がありますので、この改築のときに、こういったやっぱり川場村の木材を使うといういうことを検討してもらいたいんですけれども。 ◎池田 副参事 これまで川場村産の木材利用としては、千歳台小学校の建設の際、ログハウスに使用されております。先日、営繕所管と川場村を訪問し、木材利用について意見交換を行い……。 ○宍戸三郎 委員長 以上で自由民主党の質疑は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後二時十八分休憩    ──────────────────     午後二時三十五分開議 ○宍戸三郎 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  公明党、どうぞ。 ◆いたいひとし 委員 初めに、教員の事務負担軽減について伺います。  先日、区立小学校の教員から、教材、教具の購入などお金を扱う会計事務が多く、金融機関と連絡を取ったり、金融機関にリストを作成し提出することが本当に教員のやるべき仕事なのかと疑問を感じるとの御相談をいただきました。  区教委は、教材費等の学校徴収金をどのように取り扱われているのか、まず確認します。 ◎斉藤 学務課長 世田谷区では、教材費等の学校徴収金につきましては、学校徴収金等取扱い要綱を定め、その会計等の適切かつ効果的な運用を図っております。要綱では、校長の職務として、徴収金等に係る計画、予算、徴収金額の決定、決算の調整、保護者への周知、収支状況及び現金出納簿を照合し内容を確認することとともに、事務担当者として教職員、これは教員またはその他の職員ですけれども、事務担当者としての教職員を指名すること、執行管理に当たり、関係教職員に必要な指示を行うことを定めております。また、教職員の職務としましては、校長及び副校長の命を受けて、徴収金等の計画、執行、現金出納簿等の管理等を実施することとなっております。 ◆いたいひとし 委員 私は、教員のさらなる負担軽減ということで教育委員会は取り組んでおりますので、現場の意見も聞きながら、そして、事務の改善や見直しも積極的に行っていく必要があると思いますが、認識を伺います。 ◎斉藤 学務課長 教員の負担軽減、働き方改革について、教育委員会としても喫緊の課題だと認識しております。これまで給食費の公会計化、スクールサポートスタッフの全校配置、学校休業期間の設置、留守番電話の導入、すぐーるでの情報発信等、様々取り組んでまいりました。教材費に関しましても、例えば、民間の収納金代行サービスなどの活用なども一つの案として考えられますが、同時に、整理すべき課題も多くあると認識しております。  今後も他自治体での取組などの動向を注視し、引き続き課題整理してまいります。 ◆いたいひとし 委員 実際、この先生は、赴任前の学校ではこうした事務を行っていなかったと言っておりますので、他区でできていることはしっかり世田谷区もできるように工夫をお願いいたします。  次に、私立幼稚園の存続について伺います。  保育園の定員割れと同時に、区立及び私立幼稚園の定員割れも急速に進んでいます。地域の幼稚園では、来年度の募集停止を発表している園もあり、保護者や地域から心配の声が上がっています。また、募集停止を検討している園も複数あると伺っています。  我が党は、就学前に幼児教育を受けられる環境を整えていくことが大切だと、これまで再三訴えてまいりました。そして、世田谷区の幼児教育全体の底上げのために、世田谷版アプローチ・スタートカリキュラムの作成と、その実践の中核となる教育総合センター及び乳幼児教育支援センターの必要性を強く求めてまいりました。教育委員会においても、就学前教育の充実を掲げておりますので、就学前教育機関が減少することに危機感をお持ちでしょうかということをまず質問しますけれども、その前に、この五年間の私立幼稚園の在籍児の変化について伺います。 ◎本田 乳幼児教育・保育支援課長 私立幼稚園につきましては、近年、在園児数が減少に転じていることを教育委員会としても認識をしております。所管部である子ども・若者部から提供を受けた情報によりますと、平成二十九年度から令和四年度までの五年間で園児数が約千八百人、類似施設を含めると約二千人減少しております。また、園数も一園、類似施設を含めると三園、閉園している状況でございます。ちなみに、参考までに、区立幼稚園も、平成二十九年度から令和四年度まで五年間で、園児数が約五百二十人、割合にして約五六%減少している状況でございます。 ◆いたいひとし 委員 今年度の在籍数は約七千九百名で、昨年度と比べても約七百名の減となっています。また、十年前に私が別の件で質問しているんですが、そのときの資料が残っておりまして、そのとき平成二十五年は一万二千二百名でした。ですから、この十年間で四千三百名の減が生じています。率にすると、マイナス三五%になります。  先般、世田谷区は、区立幼稚園四園を廃止すると今御答弁のとおり発表になっていますけれども、このまま減り続けると、もう一度区立幼稚園を復活させなければ、身近な地域で就学前の幼児教育を受けられないという状況にもなりかねません。さらに言えば、保育園をこども園に転用することも必要になってくるのではないかと思います。  教育委員会は、就学前教育を受けられる場が減少していることに対し、また、私立幼稚園の置かれている状況をどのように捉えているのか、地域から幼稚園がなくなるのは自然の成り行きと考えているのか、認識を伺います。 ◎本田 乳幼児教育・保育支援課長 乳児期の教育・保育は、生涯にわたる生きる力の基礎を培う重要なものであり、幼稚園は、幼児期の教育・保育を中心として、その一翼を担う大きな役割を担っております。そのため、公立、私立問わず幼稚園全体の園児数が大きく減少していることは、区が乳幼児期の教育・保育の充実を図っていくに当たり、重大な課題であると捉えております。  教育委員会といたしましては、身近で幼児教育を受ける機会がなくなることがないように、幼児教育・保育施設を取り巻く状況の変化に対応しつつ、各幼稚園において実践される教育・保育の質を向上させ、保護者や園児に幼稚園を選んでいただくことが重要であると考えております。具体的には、乳幼児教育支援センターを拠点として、公私立幼稚園それぞれの長所を取り入れて、魅力ある教育・保育の実践に向けて、特色ある取組の研究、試行を進めております。また、公私立を問わず区内の幼稚園、保育所等の幼稚園教諭や保育士を対象として各種研修を実施するなど、幼稚園を含めた区全体の乳幼児教育・保育所の専門性、指導力の向上及び教育・保育内容の充実に向けた支援を行っております。  今後は、公私立幼稚園を含む区内乳幼児教育・保育施設の教育・保育が一層魅力あるものとなるように、区内の乳幼児教育・保育施設のバランスを考慮しながら、私立幼稚園に対してどのような支援が可能か、子ども・若者部等の関係所管部とも連携、協力しながら検討を進めてまいりたいと考えております。 ◆いたいひとし 委員 今の話だと、私立の幼稚園ということで、あまり積極的に関わりを持とうという気構えはちょっとないような気がします。私たちは、子ども食堂だとか、学童保育だとか、不登校の児童生徒だとか、そうしたものと、私立幼稚園とさらなる連携という道も探るべきだというふうに今日は私の意見として申し上げておきます。  その前に、先ほど十年前というふうに言いましたけれども、そのときは世田谷区は就学前教育の充実を図るということを言っておりましたので、小学校に入学する可能性のある子の一割が、世田谷区でどのような就学前教育を受けていたのかが分からないという、このことを把握していないということを指摘しました。区教育委員会は、幼稚園や保育園などにおける幼児教育・保育の環境や状況の違いから、区立小学校への円滑な接続の難しさを課題に挙げていると、これは世田谷区教育委員会が書いてある文章の中にこういう文章がありました。課題としているのにもかかわらず、就学前に幼稚園も、保育園も行っていない、そうした子どもたちの就学前の状況はどうなっているかということを、この間、全く把握してこようとしてこなかったわけですけれども、それについての現状の見解を伺います。 ◎本田 乳幼児教育・保育支援課長 令和四年度版の保健福祉総合事業概要によりますと、令和四年四月一日時点で、特に区内の幼稚園にも保育所等にも通っていない四歳児または五歳児の人数は各五百九十二名、計千百八十四名となっております。その中には、自主保育や区で直接把握していない保育施設利用等の子どもも含まれており、施設等と全くつながっていない人数ではございません。  教育委員会独自に施設等とつながっていない幼児の数を全て把握することは困難でございますけれども、区立小学校においては、各学校に入学する前後の児童の保護者に、入学前の幼稚園、保育所等への在籍経験の有無等を確認しております。そのような情報も参考にしながら、未就園児を含めた児童が小学校生活に円滑に移行できるように取り組んでおります。  今後、さらに、区立小学校における未就園児数などの把握方法について検討を進めてまいりたいと思っております。 ◆いたいひとし 委員 今度は期待しております。よろしくお願いいたします。  最後に、梅丘図書館の民営化について伺います。  本年四月から、下馬と烏山図書館の指定管理が導入されました。これまで導入された指定管理者は様々な工夫をしています。サービス向上では、開館時間の拡大をはじめ、講座、イベントの開催、座席管理システムの導入や書籍消毒機、デジタルサイネージの設置、世田谷区産業振興公社と連携した企業入門セミナーやおしごと相談の開催、区立障害者施設の自主生産品の販売などがあります。また、経堂図書館では、近隣の東京農業大学と連携した講座を毎年開催しています。こうした取組は、できそうで区立の図書館では絶対にできないことだと思います。  さらに、新公会計制度によって図書館ごとの行政コストが明らかになりました。貸出し一冊当たりの行政コストでは、中央図書館と経堂図書館では三倍の開きがあり、民営のほうが明らかに優位です。二十三区では既に二十区が民営化を導入しており、区民サービスにつながっていることも明らかです。  こうした事実にあっても、世田谷区の指定管理化は遅々として進みません。それなのに、図書館運営協議会を立ち上げ、民営化について評価するとしていますが、区営図書館の評価が先ではないでしょうか。  そこで伺いますが、令和五年度着工、令和七年度竣工予定の梅丘図書館において、我が党は設計の段階から指定管理と協働しながら開館を迎えるべきと提案してきましたが、経堂・下馬・烏山図書館の指定管理期間が終了するまでの令和八年までは指定管理での運営はないということなのか、確認します。 ◎會田 中央図書館長 梅丘図書館における民間活用に関しては、今、委員お話のありましたとおり、図書館ビジョン第二期行動計画に基づき、改築後の効率的な運営動線の確保などを目的に、設計段階から民間事業者のノウハウなどを活用する取組として、平成三十年度の基本設計から図書館流通センターが設計支援業務に携わり、令和元年度からは開館時間を二十一時までに延長し、窓口業務等の委託を行ってまいりました。  令和二年度、新型コロナウイルス感染症の影響等による緊急見直しがありましたので、工事を三年間延期しておりましたが、令和五年度からの着工に向けて、現在、設計の変更などに取り組んでいるところです。梅丘図書館につきましては、工事が始まってから約二十四か月の工事が必要というふうに聞いているところです。その中で検討しますと、令和七年というところが一つの目安となります。それより前に梅丘図書館の運営体制を明らかにしてまいります。  それにつきましては、図書館運営協議会を本年、令和四年七月から設置しておりますので、様々な委員の立場から、利用者の視点による図書館運営に関する評価検証などを開始しています。こうした協議会からの意見などを踏まえながら、運営手法を含めて世田谷らしい魅力ある図書館づくりを進めてまいります。 ◆いたいひとし 委員 ということは、図書館運営協議会は協議会であって、この梅丘図書館の指定管理を左右するものではないというふうに理解しましたけれども、その確認でよろしいんでしょうか。 ◎會田 中央図書館長 図書館運営協議会は、魅力ある図書館づくりに向けてということで、図書館全体の評価検証を行ってまいります。評価検証の内容については、十分にこちらからの意見も踏まえて区として今後の運営手法を考えていくということで、関係ないということではございませんが、運営協議会自体が決定するということではないということで御理解をいただければと思います。 ◆いたいひとし 委員 私の質問は以上で終わります。 ◆高橋昭彦 委員 それでは、引き続いて質問を続けてまいりますけれども、まず一点目は、不登校特例校について少しお聞きしたいと思うんです。  ねいろです。弦巻に開設をして、一度行かせてもらいましたけれども、みんなすごく元気で明るくて、どうして不登校なのかなというぐらい、みんな、すごく明るかったです。この子たちがこういうふうに元気になるということはすごくいいことだなというふうに実感しましたけれども、これは、四月一日では二十名が登校というんですか、登室というんですか、九月一日には三十名になりましたと、人数が増えてきていますよという話ですよね。この間の常任委員会でも、やっぱり報告がありましたけれども、どんどん増えていくんじゃないですかねということを言われていましたけれども、増えていったら、場所がなくなっちゃうので、タッチ・ザ・ワールドという話も出ていましたけれども、これは今後もちゃんと受入れが可能になっていくんでしょうか。この間も話がありましたけれども、それ以上になるということも考えられると思うんですけれども、どうでしょうか。 ◎柏原 教育相談・支援課長 今年度四月に開設しました不登校特例校分教室ねいろにつきましては、先ほどお話にあったとおり、四月一日時点で二十名の生徒が入室、その後、入室の申込みもありまして、九月一日時点では三十名の生徒が入室しております。また、先般、来年四月入室の新一年生の入室募集を行ったところですが、三十六名の方から申込みがあり、ねいろに対するニーズは高いものと認識しております。  先ほどお話にあったとおり、今後の人数の増加に対して、旧タッチ・ザ・ワールドの跡地を教室として活用し、受入れ体制を拡充していくところでございます。  教育委員会としましても、ねいろを運営する世田谷中学校と調整しながら、分教室ねいろの入室を希望する方を可能な限り受け入れられるよう努めてまいります。 ◆高橋昭彦 委員 この不登校特例校というものの今の全国の様子とか、設置する条件みたいなものを調べてもらったんですけれども、全国で今二十一校あって、各県にあるのかなと思ったらそうではなかったんです。  今、不登校の児童生徒がやっぱり毎年増加していて、八百名かなと思ったら、去年は千二百名だったんですか、非常に高止まりしているというか、また増えているというか、増加しているというか、そんな状況になっている。今言われたとおり、六十名というのは、千二百分の六十はまだまだ全然、これが大きな解決策というふうにはならないなと。でも、本当に大事なことなので、これをどう展開していくのかということがこれから大事だと思うんです。  でも、この分教室の形で今やっている。分教室というのは、設置の基準みたいなことを、枠組みを読むと、不登校児童生徒の受入れ体制を早急に整備するために、暫定的な措置として、施設整備等に係る負担が比較的小さい分教室型で不登校特例校を設置できるんだというふうになっているんだよね。その後、将来的に、学校または分校の形態で不登校特例校に移行し、施設設備や指導体制の充実を通じて、学校教育の向上を図ります。これが原則ですというわけです。原則ということは、将来的に、学校または分校に移行するという、その要件が満たないと、この分教室も開設できなかったということになるわけですね。  では、これは状況を見ていると、また、学校をつくったときに学校に通うということが可能なのかどうか、やっぱり学校というそのもの自体がどうしてもアレルギーがあるというか、そういう部分もあるんじゃないかなと思うんですけれども、あそこのねいろだから元気に通えているという感じも僕はするんです。だったら、この分教室が各地に展開されれば、ここはもう少し大きな展開が図れるんじゃないかなと僕は思うんだけれども、これは学校化しなきゃいけないのか、それとも、この分教室をもう少し充実させて、拡大してということが可能なのかどうなのか、ここはどう考えるんですか。 ◎柏原 教育相談・支援課長 不登校特例校分教室につきましては、その設置に当たりまして、将来的に学校の校舎に相当する基準を満たす施設に設置する学校型に移行すること、こちらが東京都教育委員会から示されております。不登校特例校に対するニーズは高まっている状況も踏まえまして、教育委員会としましても、今後、不登校特例校の在り方、こちらを検討を進めていく必要があるものと考えております。  そのためにも、まずは、この間、分教室ねいろにおける生徒の出席状況や学習状況等を把握しまして、また、生徒や保護者、教員から十分に意見を聞いた上で、まずは現在のねいろの運営体制の評価検証を行い、今後、不登校特例校としてどのような規模、適切な規模は何なのか、また、設置数はどういった形がいいのか、設置形態はどうしたらいいのか、こういったことを総合的に検討を重ねまして、先ほどお話にあったとおり、学校型への移行、また分教室を増やすという可能性、こういったことも踏まえまして、東京都教育委員会と相談しながら、検討を進めてまいりたいと考えております。 ◆高橋昭彦 委員 調査するというか、状況をよく検証していくことが大事なんだろうとは思いますけれども、今の感覚だと、もう少し分教室が拡大、充実していく、点在していくということが子どもたちのためになるんじゃないかなという感じもするものですから、そういった調べた状況をまた教えてください。そしてまた、議論していきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。  もう一つだけ質問します。もう一つは、予算特別委員会のときにちょっと時間がなくなっちゃった点が一個あったんですけれども、子どもたちの登下校の見守りサービスについてです。  これについて、前回、三月の予特のときには、生涯学習・地域学校連携課長はこういうふうに答えているんです。そのときは谷澤さんですから替わりました。区立小学校三十九校において主に保護者主導で導入されており、費用は利用する保護者が負担しておりますと、これは導入しているのは四社なんです。  一方、新BOP学童クラブの放課後児童システムは、今年度、区立小学校十五校で先行稼働し、令和四年五月から全校で運用を開始する予定ですと、こういうふうに、三月のときに言っているんです。今後、教育DXの取組の中で、学校管理システムとの連携等の可能性についてなど慎重に検討する必要がございますと、教育委員会といたしましては、登下校時の児童の安全確保、保護者負担の公平性の観点などを踏まえて、登下校の見守りサービス導入に当たって諸課題を整理し、検討してまいりたいと考えておりますと、そのとき答えられているんです。  豊島区は、一年生から三年生まで全員区費でこれはカバーしている。そんなことをやっている区もあるわけです。全校でどういうふうにしていったらいいのかということを整理しますという話だったんですけれども、課長といろいろ話をしていると、課長は、この間、各社と話をして、何とかカバーできないのか、どういうふうな状況でできるのか、そんなことを一生懸命調べてくださったという話もあったんですけれども、一生懸命動いてくれたという話だったので、状況を教えてもらえますか。 ◎加野 生涯学習・地域学校連携課長 登下校見守りシステムにつきましては、委員お話しのとおり、PTAにより導入を行っている小学校と未導入の小学校があり、システムの種類についても複数ございます。また、利用料は保護者の負担であり、加入、未加入については保護者の判断となっております。これまで、全校同一のシステムへの統一や区による利用料の経費負担等を検討してまいりましたが、システムの統一は機能の活用方法が学校により異なるため課題があり、また、利用料の負担は経費が非常に高額となるため、実施には至っておりません。 ◆高橋昭彦 委員 お金がかかるので難しいという話ですよね。では、いつまでもこの状況でいいのかということですよね。ある程度負担している家庭もある、学童に行ったら負担しなくていい、でも、全然そこには加入しないという人がいる、学校自体が全然そういうふうに対応していないということもある、子どもたちの放課後の安全というのはどうするんだということになります。これはどう進めていくんですか。 ◎加野 生涯学習・地域学校連携課長 児童の安全安心は最優先事項であると認識しており、より機能的で効果の高い見守りの環境整備は重要であると考えております。新BOP学童クラブに放課後児童システムを導入し、保護者のニーズや状況等には変化が生じていると考えられます。今後、新BOP学童クラブへ登録している児童、登録していない児童、それぞれについて調査を行い、状況を把握してまいります。さらに、学年別に異なる登下校の状況の把握や、見守りシステムの登録・未登録者それぞれのニーズも把握した上で、システム機能の最新動向等も注視しながら、関係所管とも連携し、児童の安全を最優先に検討を進めてまいります。 ◆高橋昭彦 委員 だから、まだ結論は出ないということですね。いわゆる先送り。では、どう整理するのか、次にまた聞きますから、整理してまいりますと、前回言ったんです。もう一回、やるのか、やらないのか、ちゃんと整理しましょう。この手放している状態というのはよくないと思います。子ども一人一人の安全は、しっかりと区が、教育委員会が守りますという側に立たなきゃいけないと思いますので、よろしくお願いします。  では、替わります。 ◆福田たえ美 委員 私からは、まず、民主的な学校づくりの実現について伺ってまいります。  まず、生徒の指導方法などを現場の参考として活用されてきたのが生徒指導提要であります。初めて作成、公表された二〇一〇年から十二年が経過をした今年八月下旬に、文部科学省より改訂版案が公表され、近々正式に発表されるという予定です。改訂版では、民主的な学校の実現の鍵を握る校則の運用見直しに関する記述が充実をしております。特に、絶えず積極的に見直していく重要性を強く打ち出していること、もう一つに児童生徒が校則の理解を深めることで主体的に遵守する教育的な意義に触れ、見直し過程に児童生徒が関わることを望ましいとした二点であります。  ここで伺います。文部科学省において、生徒指導提要を改訂する予定ですが、民主的な学校づくりが必要と考えますが、教育委員会の認識をお伺いいたします。 ◎井元 副参事 生徒指導提要につきましては、平成二十二年に策定され、以降、十年以上が経過し、いじめ防止対策推進法や義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律などが施行されるなど、今日的な状況を踏まえ、生徒指導の概念や取組の方向性等を再整理したものとして改訂される予定でございます。  令和四年八月に開催されました協力者会議で提案された改訂案では、生徒指導とは、児童生徒が社会の中で自分らしく生きることができるよう、自発的、主体的な成長や発達を支える教育活動のことであると定義されております。児童生徒が主体的に設定した目標を達成するために、他者の主体性も尊重し、互いの意見を受け止め、協力し合いながら行動する資質や能力を身につけさせることが必要であると認識をしております。  教育委員会としましては、各学校において、校則の運用見直し等も含めまして、生徒指導提要改訂の趣旨を踏まえた生徒指導がなされ、児童生徒が互いの意見を尊重しながら、よりよい人間関係を形成し、有意義で充実した学校生活を送れるよう、指導、助言に努めてまいります。 ◆福田たえ美 委員 先ほど、午前中ですけれども、上川委員からもお話がありましたが、校則の公開について、私も公開してあるということで検索をして、ワードが校則と入れますので、各学校全部に入れたんですけれども、出てこないということで、やはりこの検索をしても引っかかってこないということは、公開しているというふうには言えないんじゃないかなということで、改めてこの公開の意義を求めていきたいとも思います。  この中で、二〇一七年に大阪府の女子高生が髪を黒く染めることを強要されたことで不登校となり、大阪府に損害賠償を提訴したということが、全国各地の学校での校則見直しに大きく動き出すこととなりました。全国的に、いわゆるブラック校則が問題になっていることなどを背景に、令和三年六月、文部科学省から、校則の見直し等に関する取組事例についてとの通知が出されました。要点としては、校則の内容や必要性について、児童生徒、保護者との間に共通理解を持つようにすることや、また、校則の内容は、絶えず積極的に見直さなければならない、児童生徒が話し合う機会を設けるなどをしながら常に見直すことなどと書かれております。  文部科学省が紹介をした岐阜県教育委員会は、校則の改定プロセスを明文化することで、生徒に校則は変えられるものだという認識を持ってもらい、時代に合った教育環境をつくってほしいと述べています。全国では、生徒と学校、保護者の三者協議会などを通じて、生徒の意思を尊重しつつ校則を改善する取組が広がっています。  本区の子ども条例は、前文において、「子どもは、自分の考えで判断し、行動していくことができるよう、社会における役割や責任を自覚し、自ら学んでいく姿勢を持つことが大切です」と記されております。まさに、この文部科学省の通知を約二十年先取りをした内容であります。世田谷区子ども条例を持つ本区でこそ、岐阜県のような児童生徒が主体的に学校の決まりや校則などを決められる仕組みづくりと校則改定の手続を明文化する取組をする必要があると考えますが、区の見解を伺います。 ◎井元 副参事 世田谷区立中学校の校則につきましては、令和元年度より、ホームページ等でその内容を公開し、広く地域や保護者の方々にも周知するとともに、生徒や保護者、地域の方々の意見を踏まえて見直すよう努めてまいりました。  生徒指導提要の改訂版では、校則について、児童生徒が自分事としてその意味を理解し、自主的に校則を守るよう指導していくことが重要であるということや、児童生徒や保護者、学校関係者から意見を聴取した上で定めていくことなどが求められております。  今後とも、各学校において、社会情勢の変化や生徒、保護者、地域の意見等も踏まえながら、適宜、校則の見直しが進められるよう指導してまいります。 ◆福田たえ美 委員 続きまして、吃音等への支援について伺います。  今年三月に世田谷区内で開かれた注文に時間がかかるカフェというのがテレビで紹介をされました。接客に挑戦をしたのは吃音がある若者で、一日限定のカフェです。そこに参加をしていた小学校五年生の児童は、苦手な接客という分野に挑戦する姿は大人にも大きな勇気を与え、私自身、感動を覚えました。  吃音の多くは、二歳から四歳頃から急激に発症する言語の障害の一つで、発声のタイミングがうまくつかめないために起こるとされております。発達障害者支援法の中では、発達障害としての位置づけにもなっており、吃音は脳機能に由来するとも言われております。心理的、精神的な要因も強く作用しているとも考えられております。人口の五%に発症する吃音は、幼少期に発症し、三年以内に六割から八割が自然に消失をします。しかし、約一%が成人まで残るとされますので、吃音に対する支援が必要な児童生徒が存在するということです。吃音には三つあり、「わ、わ、わたし」と連発をするのと、「わーーたし」と伸ばす伸発、初めに言葉が出てこない難発に分類されております。  この吃音の子どもへの支援には、心理、医療、教育の三つの視点からの支援が必要とされています。世田谷区では、ことばの教室を設置をしていますが、区内の四つの小学校ではどのような指導が行われているのか、状況をお伺いいたします。 ◎柏原 教育相談・支援課長 言語障害学級、いわゆることばの教室におきましては、吃音等の話し言葉におけるリズムに障害のある児童、話す、聞く等の言語機能の基礎的事項に発達の遅れがある児童を対象に必要な指導や支援を行う通級指導学級で、現在、駒沢小学校三学級、烏山北小学校四学級、九品仏小学校二学級、砧小学校二学級の四校に設置しており、五月一日時点で百八十六名の児童がことばの教室に通っております。  ことばの教室では、言葉の聞き分け、発語器官の働きを高めるための練習、より滑らかに話すための練習や周囲への働きかけ方、語彙を増やし、言葉で表現する力を伸ばすための指導や支援を週一回程度行っております。 ◆福田たえ美 委員 今のように御説明がありましたが、小学校での通級指導教室は、区内四校でしっかりと支援をしているということですが、中学校になると、この通級指導教室がなくなります。通級指導教室以外の言語聴覚士による相談機関も実は極端に少ないという状況です。一方、吃音のある中学生にとって、学校生活での合理的配慮を教科ごとに受けられるのかという不安とともに、また、中学生という人生の中でも吃音を最も重く感じる時期にも当たっています。中学生の不登校になる要因の一つとしても指摘をされています。  東京都公立学校難聴・言語障害教育研究協議会が発行している中学校、高等学校の先生方向けに、吃音がある生徒への配慮を必要としていることを理解していただくリーフを作成し、啓発活動を行っております。先生方の理解が深まることで、生徒への支援に大きくつながっていくということです。  ここでお伺いいたします。吃音等の言葉の障害に悩む中学生への支援が必要と考えますが、区としての考えをお聞かせください。 ◎柏原 教育相談・支援課長 言語障害の通級指導学級につきましては、東京都の制度上、小学校のみでの設置となっており、中学校には設置されていない状況でございます。一方で、お話にあったとおり、中学校にも吃音など言葉の障害に悩む生徒もいることから、個々の状態に応じた配慮や支援が行われるよう、中学生や中学校の教員等が相談できる仕組みについて検討を行っていく必要があると認識しております。  教育委員会としましては、ことばの教室に通う児童や保護者、教員に対して、中学校に進学した際の不安や必要とする支援等について調査を行い、ニーズを把握し、吃音等の言葉の障害に悩む中学生の支援策について検討を行ってまいります。
    ◆福田たえ美 委員 ぜひとも、まずは、小学校の今通っていらっしゃる方もいるということですので、その方々も含めて、今後のニーズについてしっかりと把握をしていただきたいと思います。  ここでもう一つ、言語聴覚士という国家資格をお持ちの方がいますが、この言語聴覚士は、脳卒中後の言語障害や聴覚障害、また、言葉の発達の遅れ、声や発音の障害など、言葉によるこのコミュニケーションの問題というのを、医学的に検査をした上で対処方法を見いだし、必要に応じ訓練、指導、助言などの援助を行っております。二〇二二年三月現在では、全国に三万八千人いると言われております。  先日、狛江市に伺ってまいりました。狛江市では、この言語聴覚士も特別支援教育支援チームの一員として、教員と共同で各学級を巡回指導し、先生、また子どもたちに対して専門的知見からアドバイスを行っておりました。例えば、最初に言葉が出にくい子どもには、誰か一緒に最初の言葉を発してもらうことで、その後、自然と言葉を発することができるというお子さんもいらっしゃいます。このような合理的配慮を授業中に取り入れることで、つまずきを回避し、少しでも心理的な負担を軽減することができます。  ここで伺います。吃音等への支援には、言語聴覚士などの専門家から専門的な知見を得る必要があると考えます。専門的な知見を得る機会を設けていくべきと考えますが、区の見解を伺います。 ◎柏原 教育相談・支援課長 ことばの教室につきましては、指導に当たる教員が言語障害に対する理解や支援の在り方等について専門性を高めていくことが重要であると考えております。ことばの教室では、必要に応じて言語聴覚士などの専門家や学識経験者を招きまして、専門的な知見から指導や助言をいただくなど、その専門性の向上に努めております。  今後、中学生への支援策の検討に合わせて、中学校の教員、言葉の障害に悩む中学生に対して、専門的な知見による助言を得る機会の在り方、こちらについても検討を行ってまいります。 ◆福田たえ美 委員 ぜひとも、よろしくお願いいたします。  続きまして、不登校児童生徒への支援について伺ってまいります。  約二十年前にスタートをした不登校保護者のつどいは、カウンセラーがコーディネーターとなり、月一回から二回開催をされております。孤立しがちな保護者の情報交換の場であり、よりどころにもなっております。令和二年十月九日の決算特別委員会において、私から、不登校保護者のつどいの地域偏在解消を求めてまいりました。コロナ禍により中止となった会場もありましたが、五地域を意識した開催には一歩前進したと実感をいたします。ところが、質問をした当時の不登校児童生徒数は、その当時は約九百人台でしたが、現在は急増しており、千二百人近いというふうに聞いております。不登校の児童生徒の保護者への支援を、一層きめ細かい地域展開を望む声をいただいております。  ここでお伺いいたします。不登校保護者のつどいをより身近な場所で、二十八地区の開催も検討いただきたいと思いますが、区の見解を伺います。 ◎柏原 教育相談・支援課長 不登校保護者のつどいにつきましては、保護者の方々がお互いに不安や悩みを語り合ったり、情報交換を行ったりすることを通じて、不安を軽減することを目的としており、各地域より多くの保護者の方に参加いただいております。そのため、昨年度より区内五地域で保護者のつどいを開催し、保護者の方がより参加しやすい環境の整備に取り組んだところでございます。  一方で、お話にございましたとおり、不登校児童生徒の数が増加している中、地域での保護者同士のつながりや情報交換の場のさらなる充実が求められているものと認識しております。  今後、保護者のつどいの各地域からの参加状況、また、アンケートの結果を分析しまして、次年度における地域開催の充実に向けた検討を行ってまいります。 ◆福田たえ美 委員 不登校保護者のつどいに御参加されている保護者の中には、実は、全くどこにも出られない、いわゆるひきこもりというような状態のお子さんもいらっしゃるそうです。どうしても、この不登校保護者のつどいに参加をする場合には、ひきこもりという視点での話がなかなか出にくいということもありました。  そこで、このひきこもりへの対応を求めていく声も高まってきております。世田谷区では、このひきこもり相談対応を行っているメルクマールなどがあります。不登校の児童生徒の保護者の相談は、学校や教育委員会での相談が主になりますが、中学卒業後に相談するという形でメルクマールを紹介されたとしても、また改めて一からの相談となる不安を抱かれております。早い段階からのメルクマールなどとの関わり、教育委員会との連携をしっかりと進めていくことで、早期対応にもつながると考えております。  ここでお伺いいたします。ひきこもりという視点での支援が、中学卒業してからではなく、この不登校保護者のつどいの場を含め多くの場でこのメルクマールなどへの継続的な支援へとつなげていくべきと考えますが、区の見解を伺います。 ◎柏原 教育相談・支援課長 ひきこもりにつきましては、その期間が長期に及ぶほど課題が複合化、複雑化する傾向にあることから、その支援に当たりましては、福祉所管と連携し、ひきこもりの初期段階である不登校の段階から早期に支援につなげていくことが重要と考えております。  不登校やひきこもりなど、生きづらさを抱えた若者やその保護者に対する支援を行うメルクマールせたがやでは、これまでも中学校へのチラシの配付や学校訪問により、卒業前からの情報提供に取り組んでいるところでございます。また、不登校保護者のつどいにおきましても、毎年度、メルクマールせたがやの取組を紹介する機会を設けるなど、情報提供の機会の拡充を図っているところでございます。  教育委員会としましても、福祉所管やそのほかの関係機関と連携を図りながら、今後も、保護者のつどいをはじめ様々な場面で情報提供の機会を設け、中学卒業後に支援が途切れないよう、早期支援の強化に取り組んでまいります。 ◆福田たえ美 委員 ぜひともよろしくお願いいたします。この不登校保護者のつどいに参加されている方というのは、やはり限られております。昨年の状況を見ますと、十二回の開催で延べ人数が二百二十八人ということですので、千人近い不登校の児童生徒さんがいることを考えますと、かなり限られた方の参加になるというふうに思います。参加できずに孤立化が深まる御家庭も存在することを察しますと、この教育相談で、また、もう一つ受ける不登校相談というのもありますが、これに関しても、令和三年では二百三十一件ということで、やはり一部の方が御相談をされているという状況になっております。  この不登校のお子さんの背景というのが複雑に絡み合った要因になっている御家庭もあります。保護者も、また不登校を経験したお子さんたちとお話をする機会がありまして、この方々が異口同音でおっしゃるのがスクールソーシャルワーカーの存在を知らなかったという方が多かったです。このスクールカウンセラーさんは、身近に学校で相談ができるので、スクールカウンセラーさんにはいろんなことを相談して、かなり大きな力にはなっていただいているということなんですけれども、やはりその御家庭の中に、様々な問題、課題が複雑に絡み合っていたお宅でありまして、そうしますと、どうしても、一方的なこの一つの窓口でそこからうまくつながっていかなかった、紹介はされたけれども、そこから自分でなかなかつながっていけなかったということで途方に暮れて、高校生になってしまったという方もいらっしゃいました。  そこで、スクールソーシャルワーカーに相談していれば、こんなに深く悩まずに済んだのにというこの声をどうにか解決していかなきゃいけないなというふうに私も思いまして、このスクールソーシャルワーカーが昨年対応した児童生徒数も確認してみますと、不登校だけではないので、トータルでは三百六人の児童生徒に何か対応されているという報告がありました。この数が多いか少ないかというのは非常に難しいんですが、相談を必要とする児童生徒が一人では相談先につながれないところをスクールソーシャルワーカーが解決の糸口につないでいって、関わってもらえるということですので、今年からだったと思いますが、たしかスクールソーシャルワーカーの人数を増やしていらっしゃるということで、一応、九名というような形でスタートを今年されていると思います。このスクールソーシャルワーカーさんが今年増員をして、また、経験を少しずつ今積んできてはいると思いますが、このスクールソーシャルワーカーの一年間の経験を生かして、さらに、今後、学校からの依頼による相談のみならず、保護者からも相談が受けられる体制というのが構築できれば、なお一人で悩まずに済むということですが、区の見解をまずは伺いたいと思います。 ◎柏原 教育相談・支援課長 不登校のお子さんを持つ家庭の中には、複合的な課題を抱える家庭もあり、必要な情報提供の下、適切に支援につなげていくことが重要と考えております。教育委員会では総合教育相談ダイヤルや不登校支援窓口、教育相談室等において、教育委員会の取組のみならず、必要に応じて他所管における支援や相談機関も案内しまして、適切な支援へのつなぎを行っております。特に福祉的な支援を必要とするケースは多く、こうした家庭への支援に当たっては、お話にございました福祉の専門職であるスクールソーシャルワーカーの役割が重要であり、その専門性の向上と活用の促進に取り組む必要があるものと認識しております。  そのため、今年度より、従来の研修に加えまして、福祉所管が主催する研修にも参加する機会を設け、その専門性の向上に努めるとともに、福祉所管における支援の内容や相談機関の取組について理解を深め、福祉部門との連携の強化に取り組んでいるところでございます。  今後につきましては、スクールソーシャルワーカーの役割や取組等について学校や関係機関のみならず保護者に対しても周知の機会を増やしまして、活用の促進を図ってまいります。 ◆福田たえ美 委員 小学校、中学校というのは、本当に人生の中でも限られた時期です。このタイミングを逃して相談につながったとしても、やはり時期を逸するということは絶対にあってはならないと思いますので、教育総合センターが研究、研修を行う場所でもあるということで、この一年間で蓄積したものをまた次に生かして、大きく相談の窓口を広げていただければと思います。  最後に、移動図書館について伺ってまいります。  世田谷区の図書館ビジョンでは、まず見てみましたら、区民一人当たりの資料費、また資料数というのが二十三区の報告がありましたが、なんと、世田谷区は二十三区中二十一位から二十二位ということで、区民一人当たりの資料費、資料数が大変少ないということです。また、登録率というのも見てみましたが、下から六番目ということで、これも二十三区では、図書館の登録数が大変低いということになっております。これを見ていきますと、二十三区でも区民への図書への恩恵が大変低いと言わざるを得ない状況かなと思っております。  コロナ禍において、読書への高まりとして、実は移動図書館というのが再びブームになっているということです。全国では、実は、京都では、三十年ぶりに移動図書館、あおぞら号というのを、車椅子でも利用ができるように更新をするということで、誰にでも使っていただけるように更新をされておりました。また、山梨県甲府市では、やはり移動図書館、なでしこ号というのがあるんですが、室内の図書館と異なる点ですが、野外における移動図書館であると、集まった人と交流ができるということで、フレイル予防にも大変役に立っているというふうに言われています。また、子どもが本に触れ合う場を増やす契機にもなったということです。  区内には、書籍を手に持って読むことができる図書館、要は本が置いてある図書室というのなんですが、図書館カウンターを除きますと二十一館というふうになっておりました。区内の図書館の設置地域をマップに落として見てみますと、二十八のまちづくりセンターよりも少ないですので、どう見ても、交通不便地域の存在や、また、高齢化の進展で図書館が大変遠く、行けない場所になっておりました。また、世田谷区立図書館ビジョンの基本方針一に示されました、ゼロ歳児からの読書を支える図書館を世田谷区は目指すというふうになっていますが、現状は、コロナの影響もありますが、子ども向け事業が大変低迷しているということは、今後、一層の工夫が必要というふうに考えられます。  佐倉市というところでは、公共空間を活用し、移動図書館で豊かな日常の展開として社会実験を行っておりました。「早朝の水辺で、本とコーヒーとパンで豊かな一日の始まり」として、広場を活用しての実証実験は、絵本の読み聞かせも自発的に行う人もいて、子どもが食い入るように聞いていたそうです。コロナ禍により屋外での活動へと変遷している中、本を貸し出すだけの移動図書館ではなく、屋外公共空間を新たな発想で魅力的に活用しているところも重要な視点であります。  例えばですが、二子玉川公園にはキッチンカーもあり、土日は親子で訪れる姿が多く見受けられます。しかし、この周辺には書籍が置いてある図書館というものがない地域です。こういった場所などにも、移動図書館的な屋外公共空間を最大に活用していくことも求められています。  ここでお伺いいたしますが、他自治体では、移動図書館が再ブームになっております。区として、より多くの区民が図書に触れる機会を創出して、民間活用も視野に入れて移動図書館の活用をすべきと考えますが、区の見解を伺います。 ◎會田 中央図書館長 まず、世田谷区の移動図書館の今までの経緯でございますが、図書館未設置地区への図書館サービス補完のために、昭和五十四年に自動自動車図書館による巡回サービスを開始いたしました。当時は区立図書館が八館しかなく、ピーク時で区内十二拠点を巡回し、年間三十四万冊の貸出し実績がありましたが、その後、図書館が順次開館し、図書館ネットワークを整備し、半径一キロ以内に、図書館を整備するという方針に基づき整備してまいりましたので、利用も減少したということで、平成十四年に一旦その役割を終えたという経緯がございます。  冊子について、資料数というところで、世田谷には約二百万冊の資料がございますが、これを人口一人当たりというところでは、残念ながら、二十三区の中の下位になってしまうということ、また、利用率につきましても約三割というところで、この利用率をアップするというのは課題というふうに考えてございます。  移動図書館サービスのメリットといたしましては、区民の方、特に子どもや高齢者にとって、より身近なところで図書等を借りられる点が挙げられます。一部の地域図書館では、地域のイベントなどで図書館で不要になったリユース本などを持ち込み、配付する取組を行っております。こうした工夫などを活用することによって、公園など身近な場所での読書機会の確保等、今後、検討してまいります。 ◆福田たえ美 委員 より多くの区民の方にこの読書の機会をぜひとも設けていただきたいと思います。  以上で、公明党からの質疑を終了させていただきます。 ○宍戸三郎 委員長 以上で公明党の質疑は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後三時二十九分休憩    ──────────────────     午後三時四十五分開議 ○宍戸三郎 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  世田谷立憲民主党、どうぞ。 ◆中山みずほ 委員 立憲民主党、文教所管の質問を始めます。  まず、不登校児童生徒への伴走支援について、一般質問に続いて伺います。  今、他会派からもありましたけれども、千二百名を超えたという不登校児童生徒に対して、公的支援の選択肢を増やさなければならないのではないかと強く考えているところです。千二百人超えという数字は、あくまで文科省の指定するカウント方法であると伺っています。つまり、このカウントに乗らない不登校の予兆のある児童生徒も裾野にいることを前提にしなければならないと感じます。また、これはどの児童生徒にも起き得ることで、決して特殊なことではない、この認識に立つ必要があると思います。  今現在、教育委員会はどのような対応をしているでしょうか。伺います。 ◎柏原 教育相談・支援課長 不登校児童生徒の数が年々増加する中、不登校支援に当たりましては、不登校の予兆への対応も含めた早期の段階からの対応や支援を行っていくことが重要となります。そのためには、各学校において、児童生徒一人一人の心の状態や環境等を十分に理解、把握し、その状態に応じた適切な支援を組織的かつ継続的に行っていく必要がございます。現在、教育委員会では、各学校で児童生徒の変容を早期に把握し、一人一人の状態に応じて統一的な対応や支援を行うための不登校対応ガイドラインの策定に向けた検討を進めているところでございます。この不登校対応ガイドラインの策定を着実に進め、区立全小中学校で活用することで、不登校はどの児童生徒にも起こり得るものとして、各学校が未然防止や早期支援の視点を持って、組織的かつ継続的に支援できるよう取組を進めてまいります。 ◆中山みずほ 委員 今、御答弁でガイドラインを策定していると伺いました。恐らく学校、また教員向けのものだと思うんですけれども、ぜひここでお願いしたいのは、学校に行かないということは問題行動ではないという認識に立ったものをつくっていただきたいということです。そして、学校に戻すことを目標にしない、まず、これを要望したいと思います。その前提を踏まえなければ、本質的な支援につながらないと私は考えております。  さて、区は、昨年六月よりNPO法人カタリバと協定を締結し、オンラインを活用した伴走型の支援を実証的に始めました。今年度は、教育総合センター内に設置している不登校支援窓口の相談支援において、オンラインを希望する方を対象に拡充したと伺いました。現在の利用状況を教えてください。 ◎柏原 教育相談・支援課長 昨年度より、NPO法人カタリバと協定を締結しまして、オンラインを活用した居場所や学びの場として、子どもの興味関心に合わせた学習支援や面談等を実施し、不登校児童生徒への中間的支援を試行的に実施しております。現在の利用状況につきましては、定員二十名に対して七名が利用もしくは利用に向けた準備を進めているところでございます。 ◆中山みずほ 委員 定員二十名いる中で、前回、昨年度がたしか実証で四名と伺っています。なかなかよい効果が出たというふうにこの前の一般質問で御答弁いただいていますけれども、この二十名が埋まらない状況というのは、実は問題なんじゃないかなと私は思っています。この千二百名いる中で、全ての方がオンラインが必要というわけではないですけれども、選択肢を増やすという中においては、もう少しニーズはあるような気がします。  実際、この支援に関して、どのような周知方法をされていますでしょうか。伺います。 ◎柏原 教育相談・支援課長 オンラインを活用した支援事業につきましては、お話にあったとおり、教育総合センター内に設置する不登校支援窓口での相談支援において、ほっとスクールや不登校特例校に通うことにつながらず、結果として、どこからも支援が得られないなどの理由により、オンラインによる支援が適当と思われる児童生徒を対象に個別に案内し、利用につなげております。また、ほっとスクールに登録があるものの通室につながっていない児童生徒に対しても、本事業の案内を行っているところでございます。 ◆中山みずほ 委員 私の中で、やっぱり先ほど申し上げたオンラインは、この不登校とすごい親和性があるのではないかというところがあります。これはあくまでも私の感覚的なものなんですけれども、ただ、やっぱり不登校の御相談をいただく中では、恐らく先ほどもあった引きこもってしまった方とか、そういう方々というのはオンラインとの親和性が高いし、また、保護者も望んでいることが多いと見受けられますので、私の感覚ではあるんですけれども、無下にしてはいけないような気が今しておりますので、必死に質問しております。  例えば、いろんなお話を伺う中で、今、三十代半ばの方で中学生、高校生と不登校だったと、大検を受けて大学に行きました、よくあるコースであるとは思うんですけれども、そういう方々は、振り返ると、当時はオンラインがなかったと、そこで救われることがあるんじゃないかという意見は何度か聞いております。また、不登校特例校ができたという周知がされたときも、いろんな保護者から、ここはオンラインはあるのというふうにやっぱり質問が来ました。やっぱりどこか期待しているところがあるんじゃないかなというふうに思っております。  今、不登校における親和性があると言ったオンラインといっても、オンラインは幾つかあって、今コロナ対策でやっているオンラインの授業というのもまずオンラインですよね。家であったり、もしくは教室に入れなくて保健室で授業を見るとか、そういう子もいます。あとは、オンライン学習、実際、家庭で勉強することになったときに、そのやり取りを全て学習としてやる場合、例えば、民間であると、N中学とか今出ていますけれども、そういうのがあります。あとは、オンラインでのコミュニケーション、ずっと部屋にいて、親以外の大人と話をしないというお子さんたちがいらっしゃるわけです。そういう場合も含めてコミュニケーション、こういった様々な必要性があると思っています。  今の利用率、二十名の定員で七名ということで考えますと、何かしら、この伴走型支援の利用に至るステップのところに課題があるんじゃないかなと思っております。もっと間口を広くして、本来必要な方への情報のリーチができる仕組みが必要と考えます。また、いずれにしても、どれだけのニーズがあるか、このニーズを把握する必要がないかと考えるんですが、見解を伺います。 ◎柏原 教育相談・支援課長 不登校の初期段階にある児童生徒や、ほっとスクールや不登校特例校に通うことにつながらず、どこからも支援を得られない児童生徒におきましては、オンラインを活用しまして伴走的に支援することで、人や社会とのつながりを持ち、社会的な自立につなげることが期待されているものと考えております。  今後、学校への登校やほっとスクールへの利用につながった事例や、案内を行ったもののオンライン支援につながらなかった事例など、当該事業を通じて得られた成果や課題を評価、分析するとともに、不登校対応ガイドラインの策定に合わせまして、オンライン支援に対するニーズの把握も行い、事業の対象者や支援内容等を精査し、事業化の可能性についても検討を行ってまいります。 ◆中山みずほ 委員 多分、もっと広く周知が必要なんだと思います。DX推進においては、よくスモールスタート、トライ・アンド・エラーと言われますけれども、今やっているのはすごいスモールスタートで、スモール過ぎるんじゃないかなと。次にやっていただきたいのはトライ・アンド・エラーです。何を躊躇しているのかなと正直思うんです。思い切り、すぐーるでばんと一斉に配信してもいいんじゃないかと思うんです。知らない方がまだまだいるんです。今、ニーズがあるのに何かぎゅっと絞ってお知らせしているような印象ですので、今後、一般の方、一般といいますか普通に学校に通われている方の中にもいろいろ思いがある方がいますので、ぜひすぐーるで配信することを希望したいと思います。  一方で、子どもだけではなくて保護者の支援も必要だと考えます。他会派からもありましたが、現在実施している不登校保護者のつどい、この参加機会のさらなる拡充、より効果的な運営方法、地区の拡大は、今質疑があったように、私も同様に検討すべきだと考えています。  一方で、なかなかそこに通うことができない保護者がいることも現実です。そもそも不登校であることを表明したくないという保護者も実際いらっしゃいます。逆に、通いたいけれども、時間的制約や距離的制約、物理的な理由によって行けないという方もいらっしゃいます。保護者の方々のお話を聞くと、何か支援につながることと同時に、保護者同士のピアサポートというのが本当にすごく重要だと感じています。  こういった意味で、できれば通いたいと思う方に関しては、オンラインでの保護者の会を開催することはできないでしょうか。見解を伺います。 ◎柏原 教育相談・支援課長 教育委員会では、不登校の子どもの保護者の支援として、お互いの悩みや不安を語り合ったり、情報交換を行ったりすることを通じて、不安を軽減することを目的とした保護者のつどいを開催しております。一方で、お話にございましたとおり、保護者の中には、こうした会には参加できず、どこにも相談できず悩みを打ち明けることができない保護者もいるものと認識しております。こうした保護者につきましても、その思いや悩みを受け止め、不安の軽減や相談機関へのつなぎを行っていく支援が必要なことから、オンラインを活用した保護者の支援の在り方につきましても、併せて研究を行ってまいります。 ◆中山みずほ 委員 ぜひ進める方向で検討いただきたいと思います。  次に、小中学校給食における有機食材の利用について伺います。  本年六月の第二回定例会において、小中学校給食における有機食材の利用について質問いたしました。他会派からも質疑が今増えておりますけれども、予算化を含めての答弁が先ほどありました、改めて、その意義について伺いたいと思います。ごめんなさい、少しお待ちください。間違えました。  みどりの食料システム戦略については、先ほど他会派からも説明がありましたので、割愛しますが、計画の中で、安定した消費先の一つとしては、やはり学校給食が出口戦略として必要となっています。  この給食食材の有機化を進めた先進自治体として挙げられるのが千葉県のいすみ市です。この推進に貢献した市の職員、鮫田晋さん、この界隈で有名な方なんですが、私も、二年ほど前、この方のお話を伺いました。また、給食への有機食材の使用を条例化しているという愛媛県今治市の方の話も伺いました。いずれの市も生産地であるということから、有機食材導入に関しては、地元の農業支援ということも一緒に進めているということがありました。  一方、世田谷区は、当然ですが、消費地であります。よって、いすみ市や今治市の導入目的とはそのまま合致しません。また、児童生徒の数も規模が全く違います。ただ、給食によって有機農産物の安定需要を確保するという出口戦略においての課題は、それぞれの市の方々に伺ったんですが、大変参考になりますので、ぜひ山下課長も聞いていただけたらなと思っております。  また、区民の方々の声も、二年ほど前なので、前課長のときに届けてまいりました。署名などを集めて頑張っておりました。ぜひ、その方々にも今回の予算化も含め、これからの利用の方向性とその意義についてお答えいただけたらなと思います。 ◎山下 学校健康推進課長 教育委員会では、学校給食の充実及び食と環境の調和を踏まえた食育の推進を図る上で、有機食材を学校給食に取り入れることは有意義なことと認識しており、価格や供給量、調理作業時の負担といった様々な課題もありますが、可能な限り学校給食での有機食材の使用を広げていきたいと考えております。  現在、国が進めるみどりの食料システム戦略における取組の中で、有機農業の拡大に向けた農業者の技術習得等による人材育成や物流の効率化、販路確保などへの支援が含まれております。今後、有機農業の拡大に向けた各取組が実現し、有機食材の生産量や販路など、安定供給体制が強化されることで販売価格が安定し、学校給食で利用できる機会が増えていく可能性がございます。  教育委員会としましては、こうした国や生産体制の動向にも注視しつつ、来年度の実施を見込んでいる有機米の活用をきっかけとした有機食材の使用拡大について検討を進めてまいります。 ◆中山みずほ 委員 今、御答弁にあった販路などの安定供給体制は、恐らく国を含めて強化されていく方向だと思います。各自治体も、この動きには注目されていまして、十月二十六日には全国オーガニック給食フォーラムというのが中野区で開催されます。そこには二十以上の自治体が参加、その中には首長も自ら参加するということを伺っています。二年前に行われたこの会では、保坂区長も参加されていました。SDGsを標榜するこの世田谷区においては、子どもたちに学ばせるだけではなく、公共調達という視点でも自らそれを体現していくことも重要だと思いますので、ぜひ長い目で見ても含めて、導入を進めていただきたいと思います。  次に、英語のスピーキングテストに関して伺います。  他会派からも、これも同じくあったかと思うんですが、東京都で導入される英語のスピーキングテストに関しては、今年度より都立高校の入学選抜においても導入することで、賛否の議論が報道等で知られているかと思います。  都議会議員による英語スピーキングテストの都立高校入試選抜への活用を反対するという議連が発足し、昨日、記者会見が行われました。我が会派のかつての幹事長であった風間さんが会の会長をやられておりまして、昨日の記者会見の模様を録音したものを今朝支度をしながら聞いてまいりました。また、それは今朝の朝日新聞にも早速報道されていますので、まだ御覧になっていない方はぜひ見ていただきたいんですが、簡単に申し上げますと、まず、都議会議員の定数であります百二十七名中三分の一、この方々が議連に加わっているということです。さらに、ちょっと話題にもなりましたけれども、都民ファーストの会の除名を受けた三人と、その条例の採決の際に欠席した二人、つまり、都民ファースト五人の方もこの議連には入られているということでした。  こんなことを踏まえても、混乱をしている状況であるということは認識されていると思います。この件で、私のもとに、区民の方から御意見を様々いただくんですが、その保護者の傾向を見ますと、その内容を詳しく知ったタイミングで違和感を持ち始めると、そういう傾向があります。まだまだその実態や実際直面する課題を認識している保護者は少なく、知ったタイミングで、様々、あれ、これは何だろう、どうなんだろうと疑問が出てくるようで、その都度、メッセージが私のところに来るようなことで、混乱ぶりというのを目の当たりにしております。恐らく教育委員会のほうにもそういった声は届いているかと思います。とにかく、様々な瑕疵があるということは申し上げておきたいと思います。ちょっと時間の関係で、瑕疵のことをいちいちここで申し述べるのは時間が惜しいので、様々ありますので、ぜひ検索してみてください。  今、区の状況を伺います。来月、十一月二十七日に試験が行われますが、九月六日時点で九六%の申込みがあったと伺っています。また、今年の三月、吃音のお子様を持つ区内保護者の方から、ある陳情を伺いました。このときは特別支援学級に関する陳情であって、先ほど他会派からもありましたけれども、中学校の支援がないという、そういったことでした。この際は教育長にも面談いただきましたので、多分、御記憶にあるかと思います。その保護者が、今回の英語スピーキングテストに関して、都議会や都教委に働きかけました。このことは大きく新聞各紙で報道された結果、それも御存じかと思いますが、この強い要請の後、都教委は初めて特別措置に関する具体的な内容を発表したわけです。つまり、このことは、あらゆる生徒を想定し、隅々まで配慮したテストであることを示すことなく、入試選抜への採用決定がなされたという証左でもあると考えます。  また、今年の八月、私のもとには、このスピーキングテストに関して、不登校生徒の保護者からも疑問の声と意見が届きました。特別措置というのがあるかと思いますけれども、その申請が過ぎてから知ったと。もともと締切りは夏休み中でした。なので、こんな混乱があったと思います。  まず、今回聞きたいのは特別措置です。受けることに際して、いろいろ、様々障害のある方に関して、区はどのような対応をしたでしょうか、伺います。 ◎井元 副参事 英語スピーキングテストの実施に当たっては、委員お話しのような言語障害や不登校などの生徒に対し、受験方法、受験時間、受験会場などについての特別な措置を障害等の内容に合わせて申請することができることや、個別の状況や障害特性等から、やむを得ない理由により受験できない生徒に対する措置の申請ができることにつきまして、各学校において生徒や保護者へ進路説明会や保護者会、三者面談等を通じて周知いたしました。さらに、特別申請を希望する生徒につきましては、学校を通じて申請を完了させています。 ◆中山みずほ 委員 ぜひ対応をお願いします。  以上で私の質問を終わります。 ◆藤井まな 委員 今年の三月に、新卒採用の二年目の先生が三月末で退職をされるというお話を一例聞きました。また、中堅やベテランの先生方の中にも病気で休職をされている先生がいらっしゃって、例えば、定年退職をされた先生がフォローをされたりであるとか、そういった事例があるというふうに伺っています。  現時点で、学校の先生は世田谷区は足りていらっしゃるか、まず、お伺いをさせていただきたいと思います。 ◎毛利 教育指導課長 今、委員御指摘のとおり、毎年、休職等になる教員はおりまして、その都度、学校の中では講師を見つけたりという対応もしておりますけれども、現時点でやはり見つからない場合は、副校長先生であるとかほかの教員がその学級に入って指導しているという現状はございます。 ◆藤井まな 委員 全てが全て教員の多忙化ではないかもしれませんけれども、教員の多忙化という面が原因の一つであるということは、私は、この場所からも何度も述べさせていただいています。  これは、令和元年に初めて質問をさせていただいて、去年も質問させていただいて、二年連続、三回目の質問なんですけれども、先日の一般質問でもそのべ区議から質問がありましたし、今日もいたい委員から質問がありました。学校で現金のやり取りをしている場面がまだまだたくさんあるということで、令和元年のときは、今、この時代において、そういったことは時代遅れなんじゃないですかという質問の趣旨でやらせていただきました。去年の三定では、コロナにおいて、そういった現金のやり取りをするというのは、コロナに感染するリスクもありますから、やめたほうがいいんじゃないですかという趣旨で質問もさせていただきました。  令和元年のときの話を、ちょっともう一回議事録を見直してみたんですけれども、そのときは、小学校で四十六校、中学校で十九校、そういった現金のやり取りを行っている学校がありますというふうに、教育委員会から答弁がありました。現在も同じぐらいの規模が現金のやり取りをしているか、お伺いをさせていただきます。 ◎斉藤 学務課長 現金のやり取りそのものについて、すみません、数字を今持ち合わせておりませんで、お答えがしかねるんですけれども、事業者の支払いにおきまして、振り込みのほうを主とする学校が現在約七十校と把握しております。昨年度と比較して、八校が振り込みに移行しておりまして、うち六校は、昨年度、学校のほうで利用できるように整備いたしましたインターネットバンキングを活用しているという状況を確認しております。 ◆藤井まな 委員 確かに、私の前回の質問のときに、インターネットバンキング等を利用するべきだという話をさせていただきましたけれども、残念ながら、それが全てに行き渡っている状況でないという現状を踏まえて、やはりこれは現金のやり取りみたいなことは、学校の現場ではなくすべきだと。当然、お金の紛失というリスクもありますし、まだまだコロナに感染するというリスクもありますから、こういったことをやめたほうがいいんじゃないかと思っています。  ただ、それを教育委員会や学校の先生が主導して本当に全てできるのかというところには、まだまだ疑問があって、なぜならば、これを業者側がやりたいと希望しているような話もあったりするんじゃないかと、そういったうわさも聞いています。なぜならば、学校の先生と直接お話をすることによって、いろんな会話が生まれてきて、例えば、また新しい教材のヒントになったりだとか、業者側が望んでいてなかなか中止ができないんじゃないかというような、そういったことはあり得ないですか。 ◎斉藤 学務課長 幾つかの学校、校長に聞き取りをしたところ、特に具体的にそのような話を聞き取ることはできていないんですけれども、現金取扱いの原因の一つには、振込手数料負担の課題があると思っております。手数料を負担する事業者もいますけれども、負担を求める事業者もあると学校からは聞いております。 ◆藤井まな 委員 例えば、業者が学校を回って先生とのお金のやり取りをする、でも、その業者は一日に幾つかの学校を回ります。最後の学校は、先生がずっと待ってなきゃいけないわけです。その振込手数料と、先生が何もせずというかずっと待っていることの拘束されている時間とかの負担を考えると、その振込手数料云々でそれがやめられないというのは、やっぱり教育委員会がしっかりと断ち切っていかなければいけない、そういったところは、そのお金を払ってでもやっぱり学校の先生の負担軽減を行っていくべきだというふうに私は思いますけれども、教育委員会はどう考えているか、お伺いさせていただきます。 ◎斉藤 学務課長 先日、民間代行サービスなども御提案がありまして、そこにおける課題についても、今後、様々検討していきたいと御答弁しているところでございます。また、先日、手数料のかからない新たな送金方法の開始についても報道発表されていることもあります。そういった動向も踏まえながら、今後も、現時点では、引き続き、現金の取扱いの縮減について、まずは学校にきちんと働きかけを行っていきたいと思っております。
    ◆藤井まな 委員 この間、本会議場でのそのべ区議からの質問は、私も大変勉強になりましたし、ああいった様々な新しい手法があるわけですから、しっかりと進めて、学校の先生方の負担が減るように取り組んでいただきたいというふうにお願いをさせていただきたいと思います。  次に、給食について伺わせていただきたいんですけれども、今日、たくさん給食のことについてもお話が出ていますけれども、私は給食を運ぶという視点でいろいろ御意見をいただいているので、ここで取り上げたいと思います。  給食は、センター方式のところや、親子方式、一つの学校がつくってもう一個の学校に運んでいくというところで、給食を運ぶということが起こってきます。その中で、大体トラックで運んでいくわけですけれども、中学校と小学校でトラックが出入りするのがなかなか厳しい学校が幾つもあると。例えば、北沢中学校は親子方式で、北沢中学校で調理したものを富士中学校に運ぶということですけれども、どちらの給食を運ぶスペースも大変に狭く、厳しい状況であると。  また、奥沢中学校で調理したものを尾山台中学校に運ぶということが、一日三回運んでいるそうですけれども、奥沢中学校はトラックに乗せるときにトラックの先頭がもう既に道にはみ出すぐらいの駐車スペースしかなくて、そこを通る一般の車の方から業者がクレームを入れられると、何でこんなところに飛び出しているんだみたいな感じでクレームを入れられると。やっぱり一番最初に、これを造るときに、ちょっと考えたらこんなことは起こらないんじゃないのかなということが幾つかの学校で起こっている。  何でこういうことが起こっちゃうのかなということをまずお伺いをさせていただきたいんですけれども。 ◎池田 副参事 学校給食におきましては、先ほど委員おっしゃっていたように、親子給食のために後づけで学校敷地内に増築をするという例が多いため、そういう事象が起きていると思います。 ◆藤井まな 委員 それは給食を作る学校の話ですよね。今言ったのは、受け入れる側の話も同時に上がってきているということは、やっぱりそれは後づけで造ったことだけが原因ではないということは間違いないと思うんです。こういったことが一番最初に学校を造るときにしっかり考えていくべきだったと思いますし、今からもしも改善をできるんだったら、やっぱりそこら辺は改善していく必要があると思うし、まさか新しい学校でそんなことが起こっているとは思えないんですけれども、新しく学校を造る際にはそういったことを考えているのか。言うのも何かおかしいですけれども、そういう車両が来ることを考えて学校を造っていくべきだと私は思うんですけれども、そこら辺は、教育委員会、いかがですか。 ◎池田 副参事 改築する際には、車両が搬入しやすいように、やっぱり改築のタイミングを見て駐車場の十分なスペースを確保できるようにということで設計のほうを進めておりまして、現状もそのように整備をしております。 ◆藤井まな 委員 学校の給食を運ぶ業者さんたちにもヒアリングをして、どういったところが不便なのかというのを全部聞き出して、ここを例えばちょっと削ったらトラックが入りやすくなるんだよというところがあるかもしれません。僕も全ての箇所を自分の目で全て見たわけではないので、何とも言えないですけれども、少し改善するだけで、大分現場の状況は変わる可能性がありますので、ぜひとも、そういったところのヒアリングも行っていただいて、改善できるところは早急に改善していく。もし新しく学校を造るときは、当たり前の話ですけれども、そういった運搬のことを考えた設計にしていただきたいということを意見として述べさせていただきたいと思います。  次に、私は、多分、教育分野では一番多くやってきた実社会教育という話についてお話をさせていただきたいというふうに思います。  一番最初は、それこそ一期目の十何年以上前ですけれども、リテラシー教育という話をさせていただいたこともありますし、また、租税教育ということも導入するべきだという話をさせていただきました。また、働くということに関して、中学校の段階から、労働法であるとか、働くということに関して、しっかりと知識を子どもたちに持ってもらわないと、高校生の段階からバイトに出る子どもたちもいるわけで、高校生の段階でバイトに出て、ブラックバイトだった、本当だったら、辞めたければ、辞めると普通だったら言えるのに、辞められない、辞められないみたいな、それで若者の労働力の搾取になってしまうという事例が、全国各地で起きている。これはしっかりとした労働法の知識があれば、こういったことは起こらないんです。だからこそ、学校の義務教育の現場で、税金の話もそうだし、働くという労働の話もそうだし、さらに言えば、リテラシー、今最近はスマートフォンが当たり前になりました。そういったリテラシーの話もしっかりと教えていく必要があるんだというふうな話をずっとこの間させていただいてまいりました。  その中でも、学校の先生でも専門的な知識がない先生もいらっしゃるかもしれませんから、外部の人たちが教えたりということをやっていく必要があると。リテラシー教育に関しては、そういったことが随分進んだなと感じていますけれども、これもまた時代が進んでいくと、どんどん新しい問題が出てくるので、これも取り組んでいただきたいし、例えば、税金とか働くという教育に関しては、全部の学校じゃないですけれども、出前授業をずっとやってきたんですけれども、このコロナの影響で、大分、そういった出前授業の回数が減ってしまったという話も聞いているんですけれども、こういった状況をコロナの前に戻したり、あとは、全校で導入をしていくということを改めて提案をさせていただきたいと思いますけれども、教育委員会の考え方をお伺いさせていただきたいと思います。 ◎毛利 教育指導課長 今、委員おっしゃったように、今日的な課題というのがたくさん増えておりまして、学校の中では、各教科の中で位置づけながら学習を行っております。特に、例えば、租税教室のようなものなんですけれども、今年度も、小学校でも三十二校ほど、半分ほどの学校が実施できております。コロナ禍ではありましたけれども、これまでのような対面での授業ではなくて、オンラインを活用して外部とつながるというような授業もできてきておりますので、いろいろな形で、より充実した学習に取り組んでいきたいと思っております。 ◆藤井まな 委員 また、そういったのも取り組んでいただきたいと思うんですけれども、学校の校長先生だったり、副校長先生であったり、そういった人たちにも、しっかりと出前授業の重要性みたいなものを把握をしていただきたいという声も広がっています。まだまだ理解が進んでいない部分もあるかもしれませんから、学校の校長先生とか、そういった学校の先生に対する出前授業にも取り組んでいただきたいなというふうに考えますけれども、教育委員会の考え方をお伺いさせていただきたいと思います。 ◎毛利 教育指導課長 今お話しありましたように、やはり専門的な立場の方から学ぶよさというのがございますので、世田谷区の場合、学校数が多くていろいろな事例がありますので、これを共有して、世田谷の教育の底上げを図っていきたいと思っております。 ◆藤井まな 委員 こうした実社会教育で、より子どもたちが社会に出て困らないというような、何らかの犯罪に巻き込まれたりとか、そういったリスクを少しでも、義務教育の現場から取り組んでいただきたいということを申し述べまして、質問者を交代をさせていただきたいと思います。 ◆桜井純子 委員 私からは、学校改革、教育改革という視点で、不登校の問題というか不登校特例校をつくった効果というところについて質問していきたいと思います。  今年の四月に開校した不登校特例校は、世田谷中学校の分教室ということで、ねいろという愛称で開校したわけですけれども、私も視察に行かせていただきました。世田谷区は、この不登校特例校だけではなくて様々な不登校の子どもたちに対する対応や保護者の方々に対する対応ということをしてきたわけですけれども、それでも、世田谷というだけではなくて全国的に不登校の子どもたちというのが増加をする一方だということです。この問題というのは、子どもに問題があるのではなくて、やっぱり教育制度、学校制度ということそのものに私は課題があるということを長年指摘をしてきたわけですけれども、法律の中では、子どもたちは学校に帰るのではなくて、多様な学びで救われていくというか、そういうところで学んでいけばいいじゃないか、学校に帰るのが一番ではないということは言われてはいますが、だけれども、勉強して、何らかのできる、できないというところの競争には勝っていかなくてはならない、そこに連なっていくというような価値観というのは、全く変わってはいないわけです。  そういった中で、とても特色のある、午前中は教科の勉強がありますけれども、午後については様々な自由な時間を、自分たちでカリキュラムをつくるというような、そういう学校を世田谷区はつくったわけですけれども、まずは、この不登校特例校に希望者がとても多くなってきているということをお聞きをしています。その理由というのをどのように分析、評価をしているか、お聞きします。 ◎柏原 教育相談・支援課長 不登校特例校分教室ねいろにつきましては、四月の開設時点では二十名の生徒が入室しておりましたが、九月一日時点で三十名の生徒が入室ということで、また、現在も入室に関するお問合せをいただいている状況で、希望者が多い状況でございます。  分教室ねいろでは、通常の学校に比べ登下校をはじめとするゆとりのある時間割や、少人数による学級編制を行うほか、生徒一人一人の個性や自主性を尊重した特別な教育課程を編成しまして、特色ある教育活動を行っております。四月の開設以降、入室者が増えている状況から、教育委員会としましても、分教室ねいろのこうした特色ある教育活動が現在入室している生徒の状況やニーズに即したものであると捉えております。 ◆桜井純子 委員 答弁の中にありましたゆとりのある時間割、ゆとりのある時間があるということ、少人数による学級編制や、一人一人の個性と自主性を尊重した特別な教育課程ということというのが、ニーズに合っているのではないかということですけれども、では、このニーズというのは不登校の子どもたちだけなのかということですよね。学校そのものに今行っているけれども、本当に頑張って、頑張って、とにかく行かなくてはならないという使命感で行っている子どももやっぱりいっぱいいるでしょうと思います。  そういうことを考えると、不登校特例校のよさ、今、三点挙がりましたけれども、このよさというのをほかの学校にも生かしていく必要があると思いますけれども、その点についてはいかがでしょうか。 ◎柏原 教育相談・支援課長 今後、不登校特例校分教室ねいろにおける教育活動や運営体制につきましては、評価検証を行い、必要な改善を図りながら、より円滑な運営に取り組んでまいります。また、分教室ねいろの評価検証で明らかになった効果等につきましては、不登校特例校のみならず全ての小中学校に反映させ、子どもたちが安心して通い、学べる環境づくりにつなげていく必要があるものと捉えております。  教育委員会としましても、ねいろに通う生徒や保護者、教員からも意見を聞き、これまで学校で学びにくかった子どもたちにとって、学びやすい環境の在り方について検討を重ねるとともに、現在策定を進めている不登校対応ガイドラインにもその内容を盛り込み、全ての小中学校に発信することで、子どもたちの個性や多様性を認め伸ばし、安心して過ごせる環境づくりにつなげてまいります。 ◆桜井純子 委員 御答弁でありました全ての小中学校に反映させるということ、このことについては本当に最大限の努力をしていただきたいと思います。  そしてもう一つ、不登校対応ガイドラインをつくるということですけれども、ねいろのこの取組から見えてきたのは、子どもたち自身が参画をする、自身が編み出したものを本当に実現をしていくということの大切さと、そこから子どもたちが力を得ていくということが分かってきたわけです。ということを考えますと、このガイドラインづくりにも子ども自身が参画をしていくことが大事だと思いますが、いかがでしょうか。 ◎柏原 教育相談・支援課長 現在、不登校対応ガイドラインの策定に向けまして、学識経験者や小中学校の校長先生、教員等により構成する検討委員会を立ち上げ、策定に向けた検討を進めているところでございます。不登校対応ガイドラインにつきましては、児童生徒や保護者の声を十分に聞き、児童生徒の実態や状況に即した実効性のあるものでなければならないと考えております。そのため、今後、策定に向けた検討を進めていく中で、不登校児童生徒や保護者への実態把握やニーズ調査等を行い、その結果を集約、分析し、子どもたちの状況を把握した上で、各学校における具体的な支援の在り方や取組等に反映させてまいります。 ◆桜井純子 委員 ぜひ、このガイドラインについては、当事者の参画というところを大切にしていくこと、このことが大事だと思います。この不登校ガイドラインは、先ほど来、不登校の課題についての議論の中でも何となく分かってきましたけれども、不登校ガイドライン自体が不登校の子どもたちのためだけではなくて、学校全体、今行っていて苦しい思いをしている子どもたち、これから学校に入学をしてくる子どもたち、全ての子どもたちのために必要なものになるのではないかと思います。ですので、この不登校対策というのは不登校の子どもたちのためだけではなくて、学校全体の改革と教育改革に向かっているというような意識で向かうことが必要だと思います。  先ほど少し言いましたけれども、すごく頑張って、頑張って子どもたちが何とか学校にたどり着いているというような学校は、先生たちにとってどんな学校なのか、先生たちも頑張って、頑張ってたどり着いて、教育活動をしているというような、双方苦しい、そういう状況があるのではないかなというふうに感じます。ですので、ぜひ、不登校ガイドラインが一部のものになるような形ではなくて、全体的に世田谷の教育が変わっていくなというようなものにしていただきたいと思います。要望しておきます。  それでは、インクルーシブ教育の実現ということで幾つか質問をしていきたいと思います。  世田谷区が真のインクルーシブ教育を目指すということで、教育ビジョンにも、教育総合センターを推進の拠点にするということやガイドラインづくり、そして、好事例のデータベース化など、具体的な取組について示してきたということは、本当に評価ができるなと思っています。まずは、ガイドライン、今年度中着手ということで言われてきましたけれども、そのガイドラインの具体的な進め方についてお聞きします。 ◎井元 副参事 学校におけるインクルーシブ教育の推進に向けては、児童生徒一人一人のニーズに応じた支援に関する教員研修の実施や好事例の共有などを行い、子どもたちが共に学び、共に育つことができるよう、校長をはじめとした教員の理解を図っていくことが重要であると認識しております。そのためにも、国の動向も確認しながら、各学校での推進に向けた取組をまとめたガイドラインは必要であると考えております。  現在、教育委員会内にプロジェクトチームを立ち上げ、ガイドラインを作成する推進委員会の委員の構成や策定に向けた方向性などについて検討しているところでございます。推進委員会の立ち上げにつきましては、今年度中を考えているところでございますが、専門的な知見を有する外部有識者の活用や、当事者である児童生徒や保護者の意見の聴取等についても検討しまして、その都度、御報告をしてまいります。 ◆桜井純子 委員 先ほど質問に取り上げました不登校特例校のねいろでは、子どもたち同士が子どもたち同士でどういうふうに感じているかというと、不登校という一つの挫折を感じて、そして、そこの学校にたどり着いた、その場にたどり着いた子どもたちそれぞれが、お互いに優しくいられるよねということを言っていました。そういう文章などもたくさん見ましたけれども、そういうことを考えると、ねいろから出てきた三つの視点、その中でも子どもたちが主役で主体的に関わっていくということが本当に大事だと思いますので、このガイドラインづくりについては、児童生徒の意見の聴取ということではなくて、参画をしていくこと、自分たちのことを自分たち抜きで決めていくというようなことのないように、つくり方というものを、策定というものも大切にしていただきたいと思いますので、重ねて、参画をするということをやっていただきたいということをお願いをしておきたいと思います。  そして、もう一つが教育総合センターです。教育総合センターが拠点となりますよということというのが、全国的に見ても本当に大きな一歩だと私は思っています。この拠点となりますという教育総合センターは、インクルーシブ教育の拠点として、どんな機能を果たしていくのか、教えていただきたいと思います。 ◎柏原 教育相談・支援課長 インクルーシブ教育の推進に当たりましては、教育総合センターをその拠点に位置づけ、政策研究部門と連携した教育課題の研究や、各学校や他自治体における先進的な好事例の集約を行い、それらの成果や効果を広く発信し、インクルーシブ教育を実践する知識を有する教職員の育成や、学校における支援の充実を図ってきております。  引き続き、教育総合センターにおける集約と発信の機能を最大限に発揮し、各学校において合理的配慮の下、障害の有無にかかわらず、全ての子どもたちが安心して学校生活を送ることができるよう、教職員に対する研修の充実による障害者理解の促進と好事例のデータベース化とその活用による支援の実践に取り組むとともに、次期計画にも位置づけ、教育委員会全体でインクルーシブ教育を推進してまいります。 ◆桜井純子 委員 先日、私は教育総合センターに行ってきました。そのときに見た光景というのは、小さなお子さんたちを連れて遊びに来ている御家族がたくさんいらっしゃる状況、そして、区の職員の方々が初任者研修をしていました。たまたまだと思うんですけれども、私の障害者のお友達とかが来ていて、当事者の障害者の方々による研修が行われていました。そしてもう一つは、ほっとスクールがそこにありますよね、いろんな背景の方々が教育総合センターというのは来るんだなということを感じました。そして、教育の相談に行く場所でもありますよね。  ですから、様々な方がいらっしゃるということを考えると、あそこに行ったら、世田谷区は、インクルーシブ教育、共に学び共に育つという教育を基本に考えて推進しようとしているんだなということが分かるようにしていただきたいなと思います。あそこに行ってもインクルーシブ教育のイの字もないし、それを進めていくという気配もないし、ぜひ、これからの教育総合センターというのが、そこを本当に発信しているんだということが物理的にも分かるようにしていただきたいんですが、いかがでしょうか。 ◎柏原 教育相談・支援課長 インクルーシブ教育の推進に当たりまして、教育総合センターがその拠点として果たす機能や役割、こちらにつきましては、次期計画においてその位置づけを明確に示していくとともに、教育総合センターだよりの発行など、教育総合センターの取組を紹介していく広報物、こちらの発行を、様々な機会を捉えまして、まずは広報の発行をもって拠点であるということを広く周知してまいりたいと考えております。 ◆桜井純子 委員 私は、物理的に変えてほしいなと思うんですけれども、そういったことというのは難しいんですか。そういう本を置いていくとか、インクルーシブ教育を推進しますよというサインがあるとか、そういうことが実はとても大事だと思うんです。物理的なところからも入っていく、視覚的なところも入っていく、そういったことを検討していただきたいと思いますけれども、教育長、いかがですか。 ◎渡部 教育長 インクルーシブ教育の考え方は、全ての学校、全ての施設、全て世田谷区の中で推進されていくものだと考えています。教育総合センターは世田谷区の教育の拠点になっていますから、そこがインクルーシブの拠点であるという考え方は間違いではないと思っています。全ての施設でそれを出していくということも大事ですので、まずは、先ほど課長が申し上げたように、センターだよりや様々な方法で、その機能がインクルーシブであるということを伝えることからまず始めていこうと考えています。 ◆桜井純子 委員 ぜひ、そこに研修に来る教員の方もいらっしゃいますし、いろんな方がいらっしゃるということの有効性というのを活用していっていただきたいと思いますので、ぜひ、来年度四月になったら、本当に変わったな、この教育総合センターはというものが感じられるようにしていただきたいと思います。幾ら広報したとしても、それは一部だと思いますので、視覚的に訴えるものは全てを貪欲に使っていただきたいなと思いますので、要望しておきます。  そして、インクルーシブ教育を進めるために、もう一つ、ハード面でも大事なことがあります。一般質問でも取り上げました、バリアフリー化の推進です。合理的配慮という視点からでいうと、エレベーターの設置というものが本当にマストになってくると思うんですけれども、エレベーターの設置を既存の学校にするときには、設置や工事というところで二年程度かかるということをお聞きをいたしました。ということであると、計画的に進めていく必要があると思いますけれども、現状、このバリアフリー化についてはどのような状況になっているのか、お考えをお聞きします。 ◎青木 教育環境課長 学校のエレベーターにつきましては、これまで改築や改修の機会を捉えて整備を進め、令和四年度時点におきましてエレベーターが設置されている学校数は、小学校三十三校、中学校十二校の計四十五校となっております。既存の学校施設へのバリアフリー化は、いわゆるバリアフリー化法の改正を受けまして、令和三年四月より努力義務とされるなど、インクルーシブ教育の推進に向けて対応を加速させる必要があるものと認識しております。  一方、学校によっては、エレベーターを設置するために設置場所の確保や、法令に基づく既存校舎の大規模な改修や一部撤去などが必要となることから、整備が困難な学校もございます。そのため、代替施設として傾斜型段差解消機を階段に設置するなど、配慮を要する児童生徒への対応を行ってまいります。既存の学校施設へのバリアフリー化は、様々な制約がございますが、配慮を要する児童生徒に対する一貫した支援に向け、引き続き、教育委員会内の連携を密にし、横断的にハード面とソフト面の課題解決が計画的に進められるよう取り組んでまいります。 ◆桜井純子 委員 一般質問でも取り上げました、小学校ではエレベーターがあるから通っていられるけれども、中学校になったら通えない、そういう同じような状況で通えるとは思うなというようなことが言われてしまうという、その状況というのが今の現状なんだなということは、受け止めていただきたいと思います。ですので、その個別の件に関しては早急に解決に持っていっていただきたいと思いますけれども、このようなことを考えると、例えば、小学校入学の前から、そして、小学校に通っているお子さんであれば中学校入学の前から、あらかじめ、その子どもは世田谷の子どもだから世田谷の地域の学校に通うんだということを前提にバリアフリー化というものを進めていくことが必要だと思います。優先にということですけれども、進めていくことが大事だと思いますけれども、このバリアフリー化について、情報を共有する仕組みをつくって、滞りなく、安心して、一貫した教育が受けられるという現場をつくっていく必要があると思いますが、その仕組みづくりについてのお考えをお聞きします。 ◎知久 教育総務部長 ただいま課長から、教育委員会内の連携を密にすると答弁をさせていただきました。配慮を要する子どもに対し、幼稚園、保育園から小学校の入学、そして中学校への進学へと途切れることなく支援していくことが大切です。教育指導課、また教育総合センター等、施設整備を担当する教育環境課が情報伝達、共有を密に行える仕組み、一貫して対応できる体制を構築してまいります。 ◆桜井純子 委員 不登校対応ということもそうですし、インクルーシブ教育というところもそうですけれども、全ての子どもたちに関わるものだということを胸にして、世田谷の教育活動ということを考えていただきたいと思います。  そして、特にインクルーシブ教育、不登校という子どもに関わることは、教育委員会全体で進めていくこと、インクルーシブ教育は教育委員会全体で進めていくんだという意識というのをさらに深めていただきたいなと思っておりますので、そこの点は要望をしておきます。  それでは最後に、学校主事の問題についてお伺いします。  私たち会派から、代表質問でも、学校主事の導入についての懸念もさらに申し上げさせていただきましたけれども、昨年の文教委員会で示されている導入の理由が行政執行体制のスリム化、事業の効率的執行の観点から民間委託を進めるんだと、学校主事のことを言っています。ただ、世田谷区はインクルーシブ教育など、不登校もそうですけれども、これから教育改革をやっていくんではないかなと私は思っていますけれども、この点を考えていくと、オールで学校の環境を一緒に教職員がつくっていける環境をつくるべきだと思いますし、例えば、指揮命令系統を考えたときに、偽装請負についての研修などを受けなくてはならないような、そういう組織体制、それを本当にやっていていいのかと思っています。検証の内容についても見させていただきましたけれども、これでは不十分、私たちは学校主事の民間導入というのは、立ち止まって考えるべきだと思いますけれども、この件に関してのお考えをお聞きします。 ◎前島 学校職員課長 本件につきましては、代表質問におきましても教育長から御答弁させていただきましたが、小学校の委託導入に当たりまして、議会の皆様にはより丁寧な説明が必要であったと反省しております。今後は、これまで御指摘いただいている小学校特有の課題などの調査、見直し、それらの御説明をさせていただきながら進めさせていただきたいと考えております。  今後、インクルーシブ教育の充実などにより学校がさらに変化していく中で、学校主事業務の民間委託につきましても、学校主事全体の体制、学校規模や地域性などに応じたきめ細やかな検証を実施するため、令和五年度には新規で一校の委託予定としているところでございます。令和五年度以降、今年度の委託校も含めまして、引き続き、学校、受託事業者、教育委員会の三者で打合せを行い、課題を洗い出しながら検証を確実に行い、慎重かつ丁寧に進めてまいります。 ◆桜井純子 委員 今、インクルーシブ教育の充実とおっしゃいましたけれども、それを推進していくプロセスの中でどのような教職員の体制が必要なのか、こういったところをまず考えてから、民間委託のことについては検証していく、そして、小学校特有の業務があるということをおっしゃっていますけれども、その中身は何なのか。そして、検証について、これは、例えば、蛍光灯が速やかに取り替えられたとか、そういう本当に細かな誰でもできるようなことというものについてやりましたというような検証ではありましたけれども、そうではなくて、子どもたちの教育環境をどのようにつくっていけているのかということを掘り下げた検証が必要であって、この学校主事の民間導入ということは拙速過ぎます。私たちとの議論というものがあったにもかかわらず、数か月で導入を決めていったということについては、これは引き続き議論していかなくてはならないと思っています。補充でもやらせていただきます。  以上で立憲民主党の質問を終わります。 ○宍戸三郎 委員長 以上で世田谷立憲民主党の質疑は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後四時四十一分休憩    ──────────────────     午後四時五十五分開議 ○宍戸三郎 委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  無所属・世田谷行革一一〇番・維新、どうぞ。 ◆ひえしま進 委員 無所属・世田谷行革一一〇番・維新の質疑を始めます。  今年も大変な猛暑でありましたが、区立の小中学校で空調設備の故障が相次いだことは、宍戸委員長の一般質問であったとおりであります。私の娘が通う小学校でも空調設備が故障しまして、子どもたちが大変つらい思いをしたとのことでした。ここですぐ思うのは、なぜ耐用年数が分かっているのに、先手を打って更新や改修作業、これを行わなかったのかということであります。多くの保護者は疑問を抱いています。まず、この件について区の認識を問います。 ◎青木 教育環境課長 区立小中学校の空調設備につきましては、学校環境の向上を図るため、順次、管理諸室、普通教室等への整備を進めてまいりました。その後、令和元年度から三年度にかけまして、体育館及び格技室への整備を優先的に行い、昨年度に全区立小中学校への整備が完了いたしました。この整備時期に普通教室の空調設備が一般的に言われる耐用年数、十五年を迎える時期と重なっておりましたが、部品によっては一定期間は供給が可能であることから、毎年の定期点検による修繕等を行いながら、維持保全に努め、今年度より、順次、設置後、おおむね二十年を目途に更新する計画としておりました。 ◆ひえしま進 委員 それは単なる言い訳にしか聞こえないわけで、子どもたちの教育環境への配慮が足りなかったということだと思います。区には猛省を促します。酷暑の中、エアコンが効かなくなった学校にはどのような対応をしたのか、お答えください。 ◎青木 教育環境課長 六月末の最高気温が連日三十五度を超えた猛暑の際、空調設備の効きが悪くなった学校につきましては、部品の薬品分解洗浄を行って対応しましたが、メーカーからの部品交換の対応ができない学校におきましては、他の学校で使用しなくなった設備の部品を急遽交換するなどの緊急対応を行ってまいりました。また、その他の対応といたしましては、移動式冷風機やサーキュレーターの設置、室内への日射を抑制するための遮熱カーテンの設置、また、空調設備の効率を上げるための室外機周辺への散水ミストの設置を行ってまいりました。 ◆ひえしま進 委員 空調設備の耐用年数を超えている学校がどれぐらいあるか、教えてください。 ◎青木 教育環境課長 一般的な耐用年数、十五年を超える空調設備を有する学校数につきましては、小学校二十一校、中学校二十校の計四十一校でございます。 ◆ひえしま進 委員 エアコンの改修計画の対象は全部で何校あるかということと、計画の期間を教えてください。 ◎青木 教育環境課長 改修計画の対象校数につきましては、先ほどの四十一校に、今後、一般的な耐用年数十五年を超える空調設備を有する小学校二十三校を加えました計六十四校となります。また、更新計画につきましては、今年度の事象を踏まえまして計画を前倒しし、令和九年度までに全て完了させる計画としております。 ◆ひえしま進 委員 エアコン改修とは別に、今後、改築する学校は年何校を予定しているか、教えてください。 ◎青木 教育環境課長 平成二十九年四月策定の公共施設等総合管理計画におきましては、改築等の整備目標を年二校としてございます。 ◆ひえしま進 委員 そこでお聞きしますが、エアコンを新しく改修した学校がその後改築となった場合、その新しい空調設備はどうなるのか、教えてください。 ◎青木 教育環境課長 通常、学校の改築事業を進める場合、計画策定から既存校舎の解体まではおおむね四年から五年程度の期間を要しますので、原則、今回は空調設備は更新する予定としております。そのため、更新して設置したエアコンが耐用年数に達しておらず、また、状態がよい場合につきましては、他の学校への流用や仮設校舎整備における活用など、有効活用を図ってまいりたいと考えております。 ◆ひえしま進 委員 学校の中では、教室だけでなく体育館のエアコンも効きが悪いという声がありますが、これはどのように対応していくつもりか、教えてください。 ◎青木 教育環境課長 体育館の空調設備につきましては、学校によっては体育館の面積や構造等が様々あることから、学校からは空調の設置に対し高評価をいただく一方で、十分に温度が下がらないとの声もいただいております。更新の方法でございますが、既存の学校におきましては、電源の能力や空調設備の設置スペースの確保などの制約がありますが、更新する時期における最適な空調設備を選定してまいりたいと考えてございます。また、今後改築する学校におきましては、冷房能力を上げるとともに体育館の断熱性能も向上させて、空調設備の効率を上げる計画としております。 ◆ひえしま進 委員 これからは打って変わってどんどん寒くなるわけですが、今度は暖房が効かないということにでもなれば、全くもって話にならないわけであります。夏の失敗を踏まえてどのように取り組んでいくか、お答えください。 ◎青木 教育環境課長 空調設備の点検は年二回実施しておりまして、冬場の使用に当たっては十一月前後を中心に設備点検を実施し、不具合箇所等が確認された際は修繕等を行うなど、対応することとしております。この冬の対策といたしまして、コロナ禍においては窓開け換気を行いながら、暖房設備を使用することもあり、故障等に備えまして、ファンヒーターなどの暖房器具の設置を別途用意するなどの対策の検討を行ってまいります。換気方法や衣服等による温度調整など、学校の御協力もいただきながら、児童生徒の健康第一に取り組んでまいります。 ◆ひえしま進 委員 お話を伺っていますと、どうも認識が甘い気がしてなりません。世田谷区は、令和二年に、世田谷区気候非常事態宣言というものを行いましたが、そうであれば、教育委員会は当然、学校現場の空調設備は大丈夫かとか、豪雨対策は万全なのかというように思い至らなきゃいけないわけです。また、区は子ども・子育て応援都市宣言なるものをぶち上げていますが、宣言ばかりして全く実が伴っていないと、保坂区政の悪弊が子どもたちに犠牲を強いているということを厳しく指摘しておきたいと思います。  次に、学校の給食時での黙食についてお聞きします。  これも、子どもたちに大変なストレスを強いていまして、今の小学校三年生は、入学以来、一度も友達同士向かい合って顔を見ながら給食を食べたことがないわけであります。一方で、大人の社会では、飲食店ではマスクを外して食事をしているという風景がありまして、徐々にマスクなしで生活するシーンが増えています。  こうした中で、学校だけ過剰にマスク着用を強いて、いつまでも異様な黙食を続けていくのか、これはちょっと見解をお聞きします。 ◎山下 学校健康推進課長 教育委員会では、新型コロナウイルス感染対策のため、御指摘の給食時においては対面での喫食を避け、会話もできるだけ控えることとしており、黙食を勧奨する国や都の方針のほか、感染の波が来るたびに感染者数は増大傾向にあることを踏まえますと、当面は継続していくことが適切であろうと考えております。  一方で、給食は子どもたちがコミュニケーションを深める場として貴重な時間であり、非常に楽しみにしている時間であるということも認識しております。学校での感染対策を徹底する中でも子どもたちが以前のような学校生活を送れるよう、今後の感染状況を見極めつつ国や都の動向を注視し、他の自治体の取組も参考に、給食時も含めた感染対策について、状況の変化に応じて適切に対応してまいります。 ◆ひえしま進 委員 次に、図書館の新聞縮刷版についてお聞きします。  区民の方からの御相談で、過去の新聞記事を調べるために経堂図書館に行ったところ、新聞縮刷版が一冊も置いていないということでした。例えば、二〇二二年八月号の朝日新聞の縮刷版について調べてもらったところ、所在館は十六館中、中央図書館など十四館でした。そこから取り寄せもできるということでしたが、そのうち貸出し禁止となっているものが十館もありまして、調べ物をするのに非常に不便だというお話でした。中央図書館は新聞各紙を取りそろえており、また、古い記事も検索できるようですが、図書館によっては取扱いの新聞が限定されていたり、保管期間も非常に短いなどまちまちのようですが、現状を伺います。 ◎會田 中央図書館長 新聞の縮刷版は、日付により検索することが容易であり、調べ学習などの有効な情報源として広く活用されております。多くの図書館で貸出し禁止としておりますのは、より多くの利用者に利用いただくため、館内での閲覧利用を優先しており、また、記事の切り抜き等により貴重な資料が損なわれ、ほかの利用者に御迷惑をかけることがないように対応しているためです。縮刷版は各図書館により所蔵スペースが異なるため、中央図書館のように古い縮刷版も含めて書架に並べている図書館と、最近のものだけしか並べていない地域図書館があり、保存年限も異なっています。ただし、縮刷版の貸出し要望もいただいていることから、一部の地域図書館では貸出しを行っており、予約いただくことで御希望の図書館で受け取ることができるよう、御希望にお応えしているところです。 ◆ひえしま進 委員 利用者によって切り抜きがあったから貸出しができないというのも分からなくもないんですけれども、現状このままでは利用者にとっては甚だ不便であります。調べ物をするのに区内の大学図書館を利用する方法もあると思いますが、これはこれで利用条件が様々あるようでして、公立図書館としての最低限のサービスを維持するためにも、デジタル化などを含めて検討する余地があると思います。  これに関連しまして、図書館のレファレンス機能の強化についてお聞きします。専門性の高い調べ物をする際に、公立図書館はまだまだ機能が不十分であるという感を抱いています。蔵書数もそうですが、公立図書館で賄えなくても、国立国会図書館をはじめ様々に資料が豊富な図書館が存在します。ほかの図書館との連携は言うまでもないんですが、調査専門の人材育成やICT化などレファレンス機能強化のためにどのように取り組むつもりか、教えてください。 ◎會田 中央図書館長 図書館のレファレンスは、日々の暮らしや健康、仕事、さらには地域の課題などに対して有効な図書資料や情報を提供するもので、より専門性の高いレファレンスの実施に向けて、機能強化に取り組んでいるところです。具体的には、国立国会図書館レファレンス協同データベース等の新たなツールの活用や蔵書や商用データベースのさらなる充実、レファレンスの実施に必要な知識やノウハウなどの専門性を有した人材の確保、レファレンス能力向上に向けた研修などの検討とともに取り組んでいます。  また、庁内各部の事業実施に伴う資料相談を図書館で受け付ける行政支援レファレンスのさらなる充実を図るとともに、様々な相談会を実施しています。  今後、ICTを活用した検索機能の充実やデータベースによる閲覧機能の強化など、地域図書館におけるさらなるレファレンス強化を検討してまいります。 ◆ひえしま進 委員 質問者を替わります。 ◆田中優子 委員 私からは、先日、福祉保健領域の質疑の続きなんですけれども、女性特有の病気、症状について取り上げました。その中で紹介した中の一つに、若い女性に起こりやすい子宮内膜症という病気があります。子宮内膜症は十代後半から罹患する可能性が高く、早めに婦人科で診てもらう必要があるのですが、この病気のことを知らないために、ただの生理痛、ちょっと強い生理痛だと思って、痛み止めで我慢して過ごしてしまう女性がほとんどなんです。そして、それは不妊の原因にも非常に近いというか、なると言われています。  今年の四月から、不妊治療に保険が適用されることになりました。これはよいことだと思うんですけれども、その不妊の中には、きちんと知っていれば不妊にならなくて済んだというケースが必ずあるはずなんです。早くから生理痛と子宮内膜症の関係性とか違いについて学び、知っておく必要があると考えます。そのために、保健所と教育委員会が連携して中学校で教えることができるように、保健所に協力してほしいと先日の決算委員会では要望したところです。  折しも、今年の八月七日の朝日新聞、声の欄に、「女性の健康 学生時代に教育を」というある産婦人科医の方の投稿がありました。いわく、中高生の頃から我慢が当然と思い、思わされてきたのかもしれないが、ひどい生理痛を放置して子宮内膜症が悪化し、不妊の原因になっているケースがある。不妊治療のために初めて婦人科を訪れたという女性が少なくないが、生理には低用量ピルなどの治療法があるので、放置しないで早めに婦人科を受診してほしい、そして、学生の頃から自分の体について正しく理解することが大切だと痛感する、学校教育で女性の健康に対してできることは無限にあると、このように、まさに私が言いたかったことを代弁してくれているような内容でした。  世田谷区では、今年七月に、学識経験者のほか、世田谷区・玉川両医師会、助産師会、NPO法人ピルコン、東京都立中部総合精神保健福祉センター、そして、区立中学校PTA連合会と、もう一つは役所側、保健所、生活文化政策部、子ども・若者部、教育委員会が参加しての思春期世代に向けたリプロダクティブ・ヘルス/ライツ周知啓発専門部会というものを発足させ、役所内部での横の連携、そして、外部の方々との連携が取れるようになっています。
     午前中の田中みち子委員の質問でもこの専門部会のことが取り上げられていましたが、この部会というのは一体何を目的とし、どのようなことを話し合っているのか、再度、確認させていただきたいと思います。 ◎井元 副参事 専門部会におきましては、保健、人権、教育領域に関わる各委員が専門的な見地から、思春期世代が自分の身体や性の悩みを抱え込むことなく、性と生殖に関する健康や権利についての正しい知識を持ち、自身の生涯にわたる心身の健康を意識させるため、思春期世代に向けたリプロダクティブ・ヘルスライツに係る周知啓発の在り方について検討を進めているところでございます。  専門部会では、妊娠、出産、性感染症や性被害など子どもたちの健康に関することや、飲酒、摂食障害、薬物乱用等が及ぼす健康への影響、思春期の心身の成長とそれに伴う特有の悩み、性自認や性の多様性といった人権に関することなど、子どもたちの心身ともに健康で健やかな成長を図るために必要な事項について協議がなされております。 ◆田中優子 委員 私も性教育は欠かせないものだと思い、以前より、教員はやりにくいですから、教員ではなくて外部の専門家を呼んで、小中学校で系統立てた教育をすべきであると何度も訴えてまいりました。この専門部会ができたことで、遅れている性教育が世田谷区の小中学校で、ここは大事なんですけれども、全校で具体的に進められるように提言していただくことを期待しております。  また、それだけでなく、先ほど述べました女性の生涯の健康という意味で、女性特有の病気について、特に十代後半から発症するケースが多い子宮内膜症、これはただの生理痛と勘違いしないように、不妊を防げるように早いうちから知っておくべきだと思うんです。ぜひ、この専門部会にその旨伝えていただき、議題に上げていただきたいんですけれども、いかがでしょうか。 ◎井元 副参事 現在、小中学校におきましては、学習指導要領に基づいて、保健等の授業の中で、月経に起因する身体症状やその対処の仕方についてや、子宮頸がん等のがんの予防や早期発見、医療につなげていくための健康診断などについて扱っているところです。委員お話しの子宮内膜症等の女性特有の病気につきましては、専門部会の委員の皆様の御意見も伺いながら、その取扱いについて検討してまいります。 ◆田中優子 委員 折しも、今日の朝日新聞に、都立高校に産婦人科の相談窓口という記事が出ていました。健康や性の悩みに対応するため、今月から、都立高校十校に設置したということなんです。中学生のうちにある程度の知識を得ていれば、そういったところにある婦人科に相談するハードルも低くなると思うんです。ですから、ぜひとも、都立高校も動き出しています。世田谷区の小中学校も進めていただきたいと思います。  次に、オンラインに特化した学習の提供について伺います。  コロナ禍が一定程度収まって、現在は登校とオンラインの選択制ハイブリッド授業、併用型はなくなっていると思いますけれども、今後、また第八波が来る可能性とか、不登校対策もありますし、またインフルエンザで学級閉鎖ということもあると思うんですが、それらの対策として、いつオンライン授業が必要となるかもしれません。その可能性は十分あるので、さらによりよい授業の研究を進める必要があると考えます。昨年九月の分散登校とオンライン学習の併用型の際には様々な課題があったと聞いています。  そこで、教育委員会のほうは、児童生徒、保護者、教員へのアンケートを実施したということですけれども、その結果について、まずお聞かせください。 ◎毛利 教育指導課長 昨年九月のオンライン学習について、十二月に児童生徒、保護者、教員へのアンケート調査を実施いたしました。よかったこととしては、コロナの不安がなく安心して学習できた、先生や友達同士のコミュニケーションを取ることができた、自分のペースで学ぶことができた、児童生徒のICTスキルが向上したなどの声が多くありました。一方、課題としては、児童からは、映像や音声が途切れた、黒板や教材が見えにくかった、対面で受ける授業に比べて学習の内容が分かりづらかったといった声があり、教員からは、一人一人の児童生徒の学習状況の把握が難しかった、児童生徒同士が学び合う機会の設定が難しかったといった声がありました。 ◆田中優子 委員 今年の二月には学級閉鎖となった学校が増えていて、その頃、私のところに、学級閉鎖のときは全員が一緒にオンラインの授業だった、なので、分かりやすかったと子どもが言っていましたという声が保護者の方から寄せられていたんです。一人の教員が教室で子どもと対面しながら、一方、こっちで自宅にいる子たちにオンラインと、両方を気にしながらやるというのはなかなか大変で、教員の負担が非常に大きかったと思いますし、授業の分かりやすさに課題が残ったというのは複数の方から聞いているところです。  仮に、今後、またオンライン授業が必要になったという場合を考えると、一人の先生がどっちもじゃなくて、オンライン専用の先生に授業をやってもらうと、クラスの枠を超えてやってもらうのがいいと思うんですけれども、そのほうが効果的ではないかと思いますが、それについてはいかがでしょうか。 ◎毛利 教育指導課長 御指摘のとおり、対面学習とオンライン学習を併用する場合、教員は目の前の児童生徒に指導を行うと同時にオンラインの対応をする必要があり、通常の授業よりも多くのことに気を配らなければならない状況があるため、教員への負担も大きいものであると認識しております。昨年九月に実施したオンライン学習の際に、中学校では、オンラインに特化した授業を提供することで、効果的に学習を進めることができたとの報告も上がっております。一方で、対面の授業とオンラインの授業を分担して行うに当たっては、教員数や時間割の調整、学習進度の調整など、様々な課題があります。 ◆田中優子 委員 確かに、小学校は教科担任制ではないので、進度もなかなかあって難しいかもしれませんが、今まさに、小学校も教科担任制ということが進められていると思うんです。昔から、私が小学生のときから、もう既に音楽と図工は高学年は教科担任制だったわけなんですけれども、音楽、図工に限らず、高学年となればそれぞれの教科の先生が教えたほうが学習効果は上げられると思います。  特に、ちょっと忘れられがちなんですけれども、体育は、担任の先生が運動が得意だったらいいんですけれども、苦手な担任に体育を習ってしまうと、本来、ちゃんと教えてもらえればできることができないまま中学校に来ちゃって、運動嫌い、運動苦手意識の子どもを生産してしまうという、よくないケースというのが大変見られますので、体育のことも忘れずに教科担任制にしてほしいなというふうに思っているところなんです。  教科担任制を実現するためには、お金、そして人、人材が必要だと思うんですが、予算については、今日のところはしっかりと確保してほしいと要望しておきますけれども、実際に講師の人材、それはどのように確保しているのかということを伺います。 ◎毛利 教育指導課長 これまで区教育委員会では、区採用の非常勤講師についてリストを作成し、適宜、学校に情報提供を行っております。現在、百二十人ほどの登録があり、学校のニーズに素早く対応できるよう準備をしております。 ◆田中優子 委員 百二十人ほど登録というんですけれども、小中学校の数は九十校ぐらいありませんでしたか。そうすると、一校に一・三人ぐらいしかいないと思うんですけれども、それで学校のニーズに素早く対応できるんですか。それだけでは教科もそろわないと思いますし、教科担任制を進めていくにはとても足りないと思うんですけれども、大丈夫でしょうか。 ◎毛利 教育指導課長 おっしゃるとおり、学校からの要望全てに応えるにはまだ十分とは言えない状況であると思っております。 ◆田中優子 委員 ですよね。十分とは言えないというより、全然足りないというのが現状だと思うんですけれども、では、講師はどのように募集していますか。 ◎毛利 教育指導課長 区教育委員会では、毎年二月に区教育委員会のホームページに案内を掲載するとともに、区広報紙にも募集の案内を掲載しております。 ◆田中優子 委員 「区のおしらせ」二月号、今年のをちょっと探して持ってきたんです。これは二月号なんですが、ちょっと派手な感じですね。ここの四ページを確認しました。ピンクで囲いましたけれども、教育指導課から、小・中学校非常勤講師(登録制)、小学校または中学校教諭普通免許を有する方というふうに出ています。  私は、これで気になったことがあるんですけれども、教員の免許更新制度というものがたしかできたんです。あれは平成二十一年、二〇〇九年でしょうか。聞くところによりますと、今年の七月一日に廃止されたと。制度自体は、十年ごとに研修を受けて教員免許更新しなければ教員の資格を失うと、そういう制度だったと思うんです。教員にとっては大変な負担だろうなと私は思ったんですけれども、その割には効果がなかったのか、十三年目の今年、廃止されたわけです。  例えば、昔、教員免許を取得しているんだけれども、平成二十一年から今までというんですか、免許更新をできる期間の間に全然教職に就いていなくて、免許の更新をする機会なかったという人は、私もそうですけれども、たくさんいると思うんです。そういう人たちの免許はどうなっちゃっているんですか。 ◎毛利 教育指導課長 免許更新制度ですけれども、こちらは平成二十一年四月より施行されており、十年に一度研修を受け、免許を更新するものです。更新制度前に免許を取得しているが、平成二十一年以降に教員として働いておらず、免許を更新していない方は、これまで休眠状態の扱いとなっており、教員として働く場合は、都教育委員会などで免許を有効にする手続が必要でした。しかしながら、この七月一日から、休眠状態の方の免許は有効となっております。 ◆田中優子 委員 何かちょっと拍子抜けというか、いい情報なんですけれども、私は更新しなかったから、その機会がなかったから、もう教員の免許は失効してしまったと思っていたわけです。それが、なんとこの七月から、休眠すらなくなって有効になっているんです。そのことを多分知らない人はたくさんいると思うんです。ですから、今、自分はもう教員免許ないし、履歴書にも書けないし、教えることももちろんできないんだと思ってしまっている人は、誤解なんですけれども、いると思うんです。ですから、また有効になっていますよということとか、先ほどの講師募集のところに、そういう情報も載せないと、なかなか誤解してしまっている人が多いんじゃないかなと思うんです。紙面の関係もあると思うので、いろんなことを載せるのは大変かもしれないけれども、最低限、そのことはどこかで伝えてほしいなということは要望します。  そして、もう一つ伺いたいのは、講師として登録するのは年齢制限というのはあるんでしょうか。 ◎毛利 教育指導課長 年齢制限はございません。 ◆田中優子 委員 そうしますと、本当に多くの方が講師として登録するチャンスがあると思うんです。大分教職から離れてしまっていると、正しい情報とかが入らないと思うので、ぜひ教育委員会は積極的に知らせてほしいと思います。  最後に、子どもたちの体力向上について伺います。  長引くコロナ禍で、誰しもが出かけたり、運動したりする機会が減少し、筋力も、体力も落ちていると考えられます。子どもたちも例外ではないと。  まず、学校では体育の授業はできていたのでしょうか。それを伺います。 ◎井元 副参事 コロナ禍においても実施しておりました。 ◆田中優子 委員 実施できたというのはいいんですけれども、想像ですけれども、やっぱりチームで対戦する球技とかゲームみたいなものは、種目によってはなかなかできなかったんじゃないかなと思うんです。そうなると、運動とか体を動かすことの楽しさみたいなものが、このコロナ禍の子どもたちというのは少なかったと言わざるを得ないかなというふうに思っています。  体力というのは一生の宝物です。今後、子どもたちにその宝物を授けるためには、楽しんで運動ができるようにすること、これが本当に大切だと思うんです。先ほど言ったように、運動嫌いとか、苦手とかならないように、特に、今は音楽番組なんかでも歌を歌いながらダンスをしたり、ダンスパフォーマンスの大会なんかもとてもはやっていて、ダンス自体も必修科目となっているわけで、音楽と踊りというのはもちろん全員が好きというわけではないですけれども、どの国においても歴史的にも多くの人々に親しまれてきているものだと思います。  ですから、運動に親しむきっかけとして、ぜひとも学校でも機会あるごとに取り入れていくといいと思うんですけれども、教育委員会としては、子どもの体力向上のためにはどのような取組をしているか、伺います。 ◎井元 副参事 委員に御示唆をいただいたとおり、体力の向上を図るためには、児童生徒が体を動かす楽しさや心地よさを感じ、自ら運動の機会を創出し、主体的に運動に親しむ態度を養うことが重要であると考えております。特に運動があまり好きではない、得意ではない児童生徒においても、運動に接する機会が確保されているのが体育、保健体育の授業でございます。運動の楽しさや喜びを味わうことを一つの目標としている学習指導要領の趣旨を踏まえ、充実した授業が行われるよう、研修などを通して、教師の授業力の向上を図っているところでございます。  今年度は、四月と九月に教員を対象として、足が速くなるダンスの実技研修会を実施したほか、有名アーティストのバックダンサーを務めた経験のある方を講師として派遣する事業を推進し、今年度、九校の中学校から応募が寄せられております。今後も、授業の充実につながる支援を積極的に行ってまいります。  また、今年度、有識者や体育・保健担当の校長を委員とする体力向上・健康推進委員会を立ち上げ、健康推進も含めた体力向上の取組を区内全小中学校で実施していくところでございます。 ◆田中優子 委員 体力向上・健康推進委員会というものが何かできたということですが、効果的に機能するように要望いたします。私は、これは個人的な見解ですけれども、子どもはワクチンよりも体力、抵抗力、自己免疫力だと、それを高めることこそが健康に生き抜くためのパワーとなると信じております。ぜひ力を入れて進めていただきたいと思います。よろしくお願いします。  以上で質問を終わります。 ○宍戸三郎 委員長 以上で無所属・世田谷行革一一〇番・維新の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○宍戸三郎 委員長 引き続きまして、日本共産党、どうぞ。 ◆中里光夫 委員 それでは、日本共産党の文教分野の質問を始めます。  最初に、包括的性教育の推進について質問します。  今日、他会派からも質問が出ていましたけれども、私自身、福祉保健の質問に続いての質問ということで進めたいと思います。リプロダクティブ・ヘルス/ライツ周知啓発専門部会が設置されて、教育委員会からも参加していると、今日、何度もこの話が出てきました。  福祉保健の質問で、思春期世代へのリプロ啓発を行うに当たって、性教育が大きく立ち遅れた日本の現状から、国際的な性教育のスタンダードである包括的性教育の推進と思春期世代を支える大人に対しても啓発を行う必要性、これを私はただしてきました。教育委員会として、包括的性教育の推進を図っていくべきだと考えます。この包括的性教育というのは、そもそも科学として子どもたちに教える問題だと、それから性は多様であると、それから性教育は人権教育であって、そしてお互いを尊重する人間関係をつくる上で大切なものだ、こういう理解を進めていく、まさに包括的に、しかも、幼児期から十八歳以上の大人までというのを対象にしているのがこの包括的性教育です。教育委員会として、ぜひこれを推進していただきたいと、そのためにも、皆さん自身や教員自身がその理解を進めていただきたいと思うんです。  平成三十年に、東京都が性教育の実施状況調査というのを行いました。その中で、管理職の意識調査として、教員は、性教育について自信を持って指導しているという回答が、「とてもそう思う」が五%、「そう思う」が四六%、合わせて五一%にとどまっていると。半分の人は自信がないという状況ですから、やはり教員や皆さん自身にぜひ知っていただきたいというふうに思うんです。  教育委員会や教師自身に対する包括的性教育の啓発は必要だと考えますが、見解を伺います。 ◎井元 副参事 性教育の推進に向けて、委員お話のように、授業を実施する教員自身の理解を深めるなど、教員への周知啓発は必要であると考えております。教育委員会としましては、これまで校長会、副校長会において、各学校で性教育について適切な指導が行われるよう、理解促進や周知啓発を図ってきたところです。さらに今年度は、生活指導主任研修会において、女性のエンパワーメントの推進やDV防止の啓発などの役割を担っている世田谷区男女共同参画センターらぷらすより講師を招聘し、デートDVや性被害、性犯罪も含め、人権尊重の視点を持って講義をいただく予定になっております。  今後は、これまでの取組を継続するとともに、研修等における内容が各学校で確実に周知され、各学校における先生方のさらなる性教育に関する理解が深まるよう支援してまいります。 ◆中里光夫 委員 やはり先生自身や教育委員会の皆さん自身もぜひこれを学んでいただいて、そして、その成果を子どもたちに教えていく、包括的性教育を推進していく、そういう方向でぜひ進めていただきたいと要望をしておきます。  それでは、次の質問に移ります。  これは企画総務の続きになるんですけれども、エアコンが使える避難所というのを、私たちは繰り返し求めてきました。夏は大変暑いですから、熱中症予防対策としても、避難所で停電していてもエアコンが使える環境というのは、まさに熱中症対策として命に関わる問題だということで、私たちは取り上げてきました。そして、これまで、体育館や格技室に都市ガスが生きていれば停電していても稼働する自立型ガス式エアコン、この導入が進んできました。そして、これは非常用の電源供給もできるというものです。この体育館や格技室のエアコン導入はもう既に終了してしまって、その成果としては九十校中三十九校に入ったと、五十一校はこの自立式のエアコンがない状態になっています。  それで、先ほどの他会派の質問にもありましたけれども、小中学校の教室のエアコン、これが大変老朽化して、もう更新しなきゃいけないという話です。先ほどのやり取りを聞いていますと、小学校二十一校、中学校二十校が十五年を超えていると。六十四校について、令和九年までに付け替えるんだという答弁が先ほどありましたけれども、それを進めていく上で、ぜひ自立式のガス式エアコンの導入を検討していただきたいと思うんです。体育館や格技室に導入されていない学校でも、教室など、どこかの部屋で停電していても使えるエアコンがあると、そういう状況をつくることができるんじゃないか、その条件があるんじゃないかと私は思うんです。避難所となる全ての学校が停電していても、どこかしらエアコンが使えるんだと、そういう環境をぜひ実現していただきたいというふうに思います。(「エアコンは、今、電気が来ないとスイッチが入らないよ」と呼ぶ者あり)電気がなくても使えるものがあるんです。それを入れてほしいという話なんです。  これは、ぜひ導入を進めていただきたいんですが、いかがでしょうか。 ◎青木 教育環境課長 先ほど、委員お話がありましたとおり、教育委員会では、児童生徒の暑熱対策とともに避難所の機能を確保する目的として、全区立小中学校の体育館及び中学校の格技室に空調設備を設置してまいりました。そのうち、停電時でも稼働する自立運転可能なガス式空調設備を小学校十八校、中学校二十一校の全三十九校に設置、採用してまいりました。  体育館または格技室に自立運転可能なガスの空調設備を設置していない学校に対し、委員御提案がありました一部の普通教室に自立運転可能なガス式の空調設備の採用に当たりましては、空調設備の機種が限られること、また、更新する工事に時間を要することなどの課題がございます。災害時におきましては、体育館や格技室のほか、普通教室等も避難所としての活用が想定されることから、関係所管と連携し検討を進めてまいります。 ◆中里光夫 委員 課題はあるようですけれども、ぜひともこれを導入をして、世田谷の避難所は停電していてもエアコンが使えるんだと、そういう状況にぜひしていただきたいと思います。  それでは、質問者を替わります。 ◆たかじょう訓子 委員 私からは、まず、特別支援教室「すまいるルーム」について伺います。  昨年三月、東京都教育委員会は特別支援教室の運営ガイドラインを策定し、特別支援教室の指導期間を原則一年、最長二年とすることを盛り込みました。また、特別支援教室の担当教員を減らすために、教員配置基準を子ども十人に一人から十二人に一人へと改定してしまいました。  特別支援教室は、全般的な知的な発達の遅れがなく、通常の学級での学習におおむね参加できるものの、情緒の発達に偏りがあるなど、発達上の特性によって一部特別な指導が必要と認められる場合に、コミュニケーションスキルの向上などの指導を行う教室です。拠点校に配置された教員がグループ内の学校を巡回して指導します。世田谷区においては、特別支援教室をすまいるルームと呼び、基本的に児童生徒は在籍する学校のすまいるルームでこの指導を受けます。  この四月から、ガイドラインに基づく運営が始まりましたが、保護者から、すまいるルームに通うことに子ども自身も喜びを感じている、原則一年となれば来年利用できるかどうか分からない、今から不安でいっぱいだとの声が寄せられました。区の答弁では、子どもの成長や発達の状況を見て適切な指導を行う必要があるため、毎年見直しを行うものであり、必要があれば継続するとのことでしたが、こうしたお知らせをしても保護者に広がる不安というのは取り除くことはできません。  また、教員の配置を子ども十人に一人から十二人に一人にしたことによる子どもへの影響、教員の負担は大きいと考えます。今年度四月当初、小学校では、すまいるルームの利用児童が千四百七十三人、教員は百二十三人配置されました。中学校では、利用生徒が二百九十三人、教員は二十五人配置されました。昨年度基準での教員数と比較すると、小学校では二十五人削減、中学校では五人削減されていることになります。また、教員は年度初めの児童生徒数で配置されますが、途中で利用者は増えます。九月現在で、小学校では百六十人増の千六百三十三人、中学校では十一人増の三百四人であり、教員一人当たりの児童数に換算すると、教員一人当たり、小学校で十三・三人、中学校では十二・二人という状況になっています。年度末までに利用者はさらに増加します。子どもや教員への負担増となることはもう明らかです。  そもそも平成二十八年度の特別支援教室開始以前は、特別支援学級として運営されておりました。一学級十人、教員は学級数プラス一名配置されておりました。子どもが十二人いれば二学級で教員が三人、この場合、教員一人当たり四人の子どもを指導する、こういった大変手厚い指導が行われていました。平成二十七年の子どもの数、利用者の数、四百一人に対し、教員は五十九名でした。特別支援教室に変わった翌年は、子どもの数が約百人増の五百一人になりました。にもかかわらず、教員は前年度と同じ五十九人が配置されました。  特別支援学級から特別支援教室に、そして、今回のガイドラインに基づく運営により、一人一人の子どもの特性に合わせて手厚い指導を実現する、こういう観点で大きく後退してしまったというふうに思います。子どもたちが必要な指導を十分に受けることができるように、必要に応じた人的支援を行う必要があるというふうに思っております。  ガイドライン実施から半年余りたっていますが、教員の配置基準が変わり、子どもへの影響や現場の負担が大きいと聞いています。どのような負担がかかっているのか、状況を把握し、区として必要な人的支援を行うとともに、都教育委員会にも改定に伴う影響を検証するよう要望を上げるべきじゃないでしょうか。見解を伺います。 ◎毛利 教育指導課長 教員の配置基準につきましては、今年度より、児童生徒十二人につき教員一名の配置となっております。特別支援教室での指導に当たっては、児童生徒一人一人の特性に応じた指導計画を作成し、きめ細やかな指導を行う必要があります。区教育委員会では、拠点となる学校に区の非常勤講師を配置するとともに、学校からの要望により包括支援や生活サポーターを配置し、学校の取組を支援しております。教員の状況については、校長へのヒアリング等の機会において聞き取りを行っております。  区教育委員会としましては、特別支援教室での指導がより充実するよう、教員の配置や質の確保等について、都教育委員会に要望していくとともに、学校の状況についても伝えてまいります。 ◆たかじょう訓子 委員 校長会のヒアリングでは、どのような声が上がっていたんでしょうか。 ◎毛利 教育指導課長 校長からは、教員の負担が増えているということや、また、正規教員の数や質の確保についても声をいただいております。 ◆たかじょう訓子 委員 区独自にこれまで人的支援を行ってきたことを承知していますし、その努力を評価しています。今回、教員の配置基準が改定されました。教員から、また校長会からも、教員の増員を求める声が上がっています。このタイミングで区独自のさらなる支援を求めます。いかがでしょうか。 ◎毛利 教育指導課長 区では、これまでも様々な支援をしておりますけれども、いただいた意見については参考にし、どのような支援ができるか研究してまいりたいと思います。 ◆たかじょう訓子 委員 子どもの特性に合わせた指導というのが非常に重要だというふうに思います。子どもが成長していく過程で、この小さい小学校の時期、早い時期から、しっかりと充実した支援につなぐことを求めます。また、区独自にやっていただくということは今求めました。  次に、学校施設全般について、様々な緊急性の高い課題について伺います。  学校施設のバリアフリー化についてです。学校施設のバリアフリー化は、障害を持つ児童生徒の生活環境を充実させることはもちろん、避難所としても区民の安全安心を守る上で大変重要で、進めるべきものです。予算委員会でも質問しましたけれども、武蔵丘小学校を視察させていただいて、昨年、足を骨折した児童が車椅子を一時的に利用した際に、僅かな段差があるために近くのトイレの利用ができなかった、こういったことがありましたと伺いました。  昭和四十年代を中心に建てられた校舎、体育館も多いわけです。武蔵丘小学校も昭和四十年代に建てられました。バリアフリー化は十分ではないという状況です。いつ起こってもおかしくない震災にも備えるためにも、早急にバリアフリー化を進める必要があります。武蔵丘小学校の改築の時期はいつでしょうか。 ◎池田 副参事 令和三年三月に作成しました世田谷区学校施設長寿命化計画において、委員御指摘の武蔵丘小学校は、令和九年度から令和十八年までの第二期に分類されております。次期改築校の選定は、老朽化、耐震性能や児童生徒数の増加状況、ほかの公共施設等との複合化などを勘案して決定していく計画となっております。 ◆たかじょう訓子 委員 長寿命化計画によると、武蔵丘小学校の改築は最短で五年後、最長で十五年後というふうになるわけです。いわゆるバリアフリー法の改正に伴って、国は、学校施設のバリアフリー化を推進するため、令和七年までの期限で補助率を三分の一から二分の一に引き上げました。三月の予算特別委員会でも求めましたけれども、補助金を活用し学校施設のバリアフリー化をさらに取り組んでいただきたい、また、補助金の期限延長を国に求めていただきたいというふうに思います。進捗状況を伺います。 ◎池田 副参事 国の学校施設のバリアフリー化に関する実態調査が令和二年度に引き続き今年度実施され、世田谷区における校門から避難所である体育館の中まで全ての経路がバリアフリーになっている学校は、九十校中三十四校であることを報告しております。学校のバリアフリー化は、改築や大規模改修を機に実施しており、特定財源には国の学校施設環境改善交付金を活用しております。委員御指摘の公立学校施設のバリアフリー化に関する国庫補助は、改築時の交付金と重複し活用することができなくなっております。  体育館の館内を含め全ての経路がバリアフリー化されていない学校五十六校のうち三校は、現在改築に向けて工事を行っており、今後、バリアフリー化されることになります。一方、既存体育館の大規模改修は現在のところ計画はなく、単独のバリアフリー化工事は他の改修工事との優先順位づけが必要となりますので、計画的に進めてまいります。委員御指摘の補助金の延長につきましては、機会を捉えて国に求めていければと考えております。 ◆たかじょう訓子 委員 バリアフリー化が必要な学校は五十六校ということですが、三校進んでるということで、一年に四校の改築を進めたとしても単純計算で十四年かかるといった状況だというふうに思います。また、三十五人学級では、現状、一、二、三年生での三十五人学級が実現しました。芦花小学校では児童数の増加による教室不足と新BOP学童クラブの大規模化、狭隘化の解消のために、五つの教室とBOP室の整備を行いました。昨年完成したばかりですが、今年の三十五人学級の実施により既に教室が塞がってしまいました。今後の実施についてどのように進めていくのか、危惧されています。  区の方針では、特別教室など普通教室への転用で確保可能ということですが、本当に実現できるのでしょうか、伺います。 ◎池田 副参事 現在、三十五人学級対応のため、順次改修工事を実施し普通教室を確保しており、ランチルームやパソコン室、特別教室を転用しております。また、学校に隣接する区の敷地や近接する民有地を賃借し新BOP室を増築することで、既存校舎の普通教室を確保するなど、令和六年度末までに全ての工事を終了する予定です。 ◆たかじょう訓子 委員 特別教室のどのような用途の部屋を普通教室に転用する予定なのでしょうか。転用による影響についてどう考えているのか、伺います。 ◎池田 副参事 特別教室への転用としまして、具体的には、第一と第二のある音楽室や理科室を単独の音楽室、理科室にするなどがございます。課題としては、一つの部屋の特別教室にすると、児童数が多い学校では、クラスによっては普通教室で音楽や理科の授業を行うことがございます。 ◆たかじょう訓子 委員 令和六年度までという早急な対応が求められることから、教育効果を損なう可能性のある部屋も転用せざるを得ないということだと思います。その課題についても認識を述べていただきました。少人数学級の実施は我が党が繰り返し求めてきました。三十五人学級が小学校で実現の後は、中学校での実現も目指すべきであると思います。教室不足への早急な対応が必要だというふうに思います。  また、すまいるルームでも、子どもが集中できるように外部の音を遮断できる個室が必要ですが、教室不足のため部屋をパーティションで区切っているという状況があります。すまいるルームの希望者は年々増えており、さらなる困難が想定されます。こうした深刻な教室不足により犠牲になるのは児童生徒です。問題の解消は、区の責任で早急に進めなければならない最重要課題として位置づける必要があると思います。  他会派からも学校改築のペースアップを求める質問があって、既に学校改築計画の見直しについて答弁されていますが、重ねて、計画の見直しに当たっては、緊急性の高い学校施設のZEB化やバリアフリー化、三十五人学級への対応、すまいるルームの確保、BOP室の狭隘化解消の観点を十分に反映させて、学校改築を今まで以上のペースでしっかりと進めていただきたいというふうに思っております。区の見解を伺います。 ◎青木 教育環境課長 令和三年三月に学校施設の長寿命化計画を作成した以降、委員お話がありましたとおり、学校施設のZEB化や医療的ケア児への対応など、学校施設を取り巻く環境が大きく変化してきております。長寿命化計画の計画期間は令和十二年度までとしておりますが、これらの課題を踏まえつつ、施設の老朽化への対応を計画的に進める必要があることから、今後、見直しを行うこととしております。計画の見直しに当たりましては、学校改築のペースアップや計画時期の前倒しなども含め、関係所管と連携し、検討を進めてまいります。 ◆たかじょう訓子 委員 この問題は本当に深刻で、子どもの教育の質を高めることに本当に関わっているというふうに思います。子どもが安心して学べ、教員も安心して働ける、そういった整備計画にしていただくことを求め、日本共産党の質疑を終わります。 ○宍戸三郎 委員長 以上で日本共産党の質疑は終わりました。     ──────────────────── ○宍戸三郎 委員長 以上をもちまして本日の質疑は全て終了いたしました。  本日の委員会はこれにて散会いたします。     午後五時五十分散会...